●プロローグ
例えば自称イケメン。身の程知らずな自信過剰者。
ホントのイケメンならまだ許せるし、我慢もできる。口臭さえなければね。
でも私に関わってきた男たちはほとんど自称(-_-;)
そんな男に限って鏡から離れない。
髪の毛1本1本に神経が通っているようなクシさばき。
まぁ高校生の男子なら誰でもするようなこと。
けど、トイレに行って洗わなかった手で、自分の髪に手グシを通す男はいかがなものか?
そんな元彼が過去に一人だけいた。
あと、自分の顔に酔いしれる男。
鏡の前の顔はキメ顔のつもりか何なのか知らないけど、
『あ?なんだテメェ?やんのか?』
とでも言いたげな口の形とハの字の眉。
自称イケメンなわけだから、本人にとってはそれがベストな表情なんだろう。
むろん、カッコいいだなんてお世辞にも言えない。バカっぽいだけ。
万が一にもお世辞を言うと、つけあがるのが目に見えてわかるから死んでも絶対言わない。
こんなタイプの男が本当にたちが悪い。
人の体をツンツン触りたがるし、触られて女が喜んでるもんだと勘違いしている。
ここまでわかっていながらこのタイプに一度ならず引っ掛かった私も私なんだけど。
“プラトニックな恋愛なんて存在しない”
部屋で気だるくボーっとしていると、ふとこんなフレーズが頭に浮かんだ。
別に自信を持って言えるわけでもないのに。
眠いせい?気が抜けてるせい?
自分でフッと笑ってしまった。そのせいで少しだけ正気に戻る私。
正確には、
“男の恋愛は下心と欲情のかたまり”
と言いたかっただけ。
どう省略しようが、自分でわかればいい話。
世の中の男がみんなそうとは思わない。
きっと私がろくな男とめぐり逢っていないからそう思うのだろう。
24にもなれば恋はそれなりにしてきたつもり。
年女。二回り目。最近こんな言葉を人から言われるだけで、老けたような気がするのは私だけ?
人生の四半世紀は明らかに過ぎている。私が100まで生きるなんて想像できないもの。
はっきり言ってここまでは私の愚痴。男が聞いたら
「お前に男心の何がわかる!」
って怒鳴られそう。
別に100%男のせいにしてるわけじゃない。80%程度よ。
私にも落ち度はある。それくらい自覚してる。
そう…そのために私の元から離れて行った男が幾人もいた。
幾人もいたってことは、私もそこそこモテたわけなんだけど、全部撃沈してるから自慢にもならない。
私の最大の欠点───それはたぶん。。。
私はキスが大キライなこと。
(続く)