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「偽の神」の烙印
「偽の神」に成り下がり
だが、神界の神が、人間ごときと心を通わせるという事は。
すなわち、「真の神」 で無くなることを、意味した。
神々から、「偽の神」 と烙印を押されるであろうカヨリナ姫。
しかし、その頬は、赤みを帯びていた。
この白い塔で、
永遠の眠りだけを望んでいたカヨリナ姫には、恐れるものは無かった。
結界を渡り、下界の人間のもとへ。
あの、美しい光のもとへ。
カヨリナ姫は、人間の少女と化し、あの風の先へと向かった。
この日、
長老神は、カヨリナ姫が消息を断ったとの報告を、
あの神兵から真っ先に受けた。
すると、長老神は、一匹の大きなゴキブリを捕まえてくると、
それを、一人の神兵に変えた。
「お前の名は、ンーガジ だ。ほら、これをお食べ。」
ンーガジは、丸い何かを美味しそうに食べた。
そして、長老神は、ンーガジに、首飾りを渡した。
「わしの言う通りにするのじゃぞ。よいな。」
カヨリナ姫が去った後