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カヨリナ姫とムク  作者: 世獅子路
4/6

その時が来た

下界から舞い込んだ風

 しかし、その時は遂に来た。




 

 ある日のこと。


 

何かの前触れの様に突風が吹き、下界からの風が、


カヨリナ姫のもとへ舞い込んだ。


 カヨリナ姫は、その風に包まれると瞬きをして、


覆っていたその手で髪をかきあげ、


立ち上がった。





そして、ゆっくりと瞳を閉じた。


 


すると、そのまぶたに、一人の薄汚い人間が、映った。




「見える。あの者の放つ光。私の心を誘〈いざな〉う あの光は何だ。」





 カヨリナ姫の神力は、再び宿った。




 


 神々に厳しく封じられた、その神力。


その神力は、下界の人間と心が通じた時、封印が解け、甦るのだった。






カヨリナ姫の封印がとけて

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