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その時が来た
下界から舞い込んだ風
しかし、その時は遂に来た。
ある日のこと。
何かの前触れの様に突風が吹き、下界からの風が、
カヨリナ姫のもとへ舞い込んだ。
カヨリナ姫は、その風に包まれると瞬きをして、
覆っていたその手で髪をかきあげ、
立ち上がった。
そして、ゆっくりと瞳を閉じた。
すると、そのまぶたに、一人の薄汚い人間が、映った。
「見える。あの者の放つ光。私の心を誘〈いざな〉う あの光は何だ。」
カヨリナ姫の神力は、再び宿った。
神々に厳しく封じられた、その神力。
その神力は、下界の人間と心が通じた時、封印が解け、甦るのだった。
カヨリナ姫の封印がとけて