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最恐少女

作者: 零灑



残酷な描写があります。

ご注意下さい。

私は、夜の住人。


私は、昼の住人ではない。


私は、日に当たることを許されない。


私は、月が大嫌い。


そして私は




自分が、恐い。






あぁ、また夜がやってきた。


大嫌いな、夜。


そして今日は、綺麗な満月。


あ・・・!



しまった。見てしまった。

月を、つい見てしまった。



綺麗な満月。

その、色が、形が、存在が、私の頭を支配する。


私は、身体を支配する者が “昼の私” から “夜のあたし” に変わった事を、悟った。




さぁ、今日の “儀式” の 犠牲者 はだぁれ?




“あたし” が “私” に聞いてくる。

私は、実はもう 犠牲者 を決めていた。



同じクラスの、学級委員長。



今日、私を蹴飛ばしたんだ。

許せなくて許せなくて、 犠牲者 に決めた。


“あたし” が踵を返し、 犠牲者 の後を追いかけた。





簡単に、 犠牲者 に追いつくことが出来た。

犠牲者 は、至極不思議そうな顔で聞いてきた。

どうしたの、と。

あんたの頭の方がどうしたの、と言いたいくらい

そいつは、今日の出来事を忘れていた。



許せない

赦せない



ユ ル セ ナ イ



モ ウ  シ ン ジ ャ エ



“あたし” は、近くにあった太い木の捧を手に取り

そいつの頭に、振り落とした。


ぐちゃり、と言う音がする。

見ると、そいつの頭はぺちゃんこに潰れ、形を成していなかった。


潰れた部分から飛び出た脳みそ。

飛び出た眼球。

撒き散らされた、紅い紅い  血。 


それを見た “あたし” は、アハハと、笑い出した。


そして、 犠牲者 を殴る手を止めることなく

笑い続けていた。


残ったのは、肉片とそこらに飛び散った血、そして内臓だったと思われるモノのみ。

これが、人だったなんて誰も思わないだろう。



気付いた時には、身体を支配しているのは 

“夜のあたし” ではなく “昼の私” だった。




悪く思わないでね、犠牲者サン?

これは、“あたし” から “私” に変わるための “儀式” なんだから。

犠牲者 に選ばれたこと、光栄に思ってね?



さぁ、また夜が来る。


今夜の 犠牲者 は誰にしようか・・・






また、月がでるのよ?


私は、それを見ちゃうのよ?



そんな所に居ていいの?



そんな所にいると、



私が貴方を










今夜の 犠牲者 に、しちゃうよ?


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― 新着の感想 ―
[一言] こういうの好きです! 続きとか読んでみたいです^^
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