【オリジナル怪談】私と誰か
やっぱ、怪談は難しい(笑)
それは、私が高校生の時です。
私は友達と夜カラオケに行き、家に帰ったのは0時過ぎでした。
私の家は、随分田舎なのでバスもあまり無く
最寄りの駅から徒歩20分と遠い所にありました。
その日、最終の電車に乗って、最寄りの駅から「夜遅いから」と自転車で帰りました。
その自転車走っていると、
何だかいつも以上に少し、ペダルが重く感じたんです。
夏休みに入って、部活も入ってなく、自転車を随分と使っていませんでした。
そのため、足が鈍ってしまったのだと思いました。
そんな重いペダルを一生懸命こいで10分程で家に着きました。
家に着いた安心感から、ペダルの事は気になりませんでした。
私は、家の玄関ドアを開け
私「ただいま〜」
と、いつも通り家に入りました。
すると、
母「おかえり〜。随分と遅かったのね?」
私「うん、それでね!今日さ?」
母「お友達つれてきたの?」
母は台所へ移動し、ジュースとお菓子を用意している。
私「ねぇ?お母さん?あたし、友達なんてつれてきてないよ?」
母「何言ってるの?ちゃんと、あなたの後ろにいるじゃない?」
母は、準備しながら言った。
私は、恐る恐る自分の後ろを振り返った。
が、母の言う友達はいなかった。
”私は、確かに1人で帰ってきた。”
そう、記憶を振り返った。
やはり、振り返っても、帰り道1人だった。
しかし、母は止まらなかった。
ずっと誰かと話している。
テーブルにジュースとお菓子を用意して、
椅子に座って面と向かって話していた。
しかし、そんな母の前には誰もいない。
母「うちの子、大変でしょ?」
・・・
母「えっ?そうなの!それは良かった。ん?」
・・・
母「探し物を?あら、見つかるといいわね。
うちの子、すぐなくしちゃうから。」
・・・
母「どんなものなの?大切な物なんでしょうね。」
・・・
母「白いリボンの服?」
私は、鳥肌がたった。
母「でも、ごめんなさいね?
うちの子、赤が好きで赤色しか着ないの。」
私「お母さん、誰と話してるの?」
母「あんた、誰って…」
母が指さした先に
母「あんたの友だちじゃない。」
そして、見てしまったのです。
母の向かいの席に座っている、茶色リボンのブラウスを来た黒髪の女性の姿を。
友だち「白が着れないの…、あたしの…せいよね・・・。」
私「えっ…」
私は、膝から崩れた。
友だち「だってあの服・・・赤く染めたの・・・」
私「きゃぁぁぁぁ!」
いつの間にか、その女性は消えていました。
後で聞いたのですが、今家の建っている地域は住宅街だったらしく、多くの家が建っていたそうです。
その中で仲の良かったお隣同士の女子高生がいたそうです。
しかし、ある日2人は喧嘩をしてしまい、
勢い余って、1人がもう1人を果物ナイフで刺し殺してしまったそうなんです。
亡くなった友達を、自分の家の床下に埋めたそうです。
住宅街は無くなり、一軒家が建つようになってから、女性が出ると言うような事が何度も起こり住まなくなったとこ、私たち家族が住むことになりました。
この話を聞き、家を取り壊し、家の下を掘ってみても、何も見つかりませんでした。
今思えば、あの帰り道。
私、自転車乗りながら誰と話してたっけ?
確かに、服を後ろで掴んでたはずなのに、
思い出せない。
あの人が、最後に言った言葉
「だってあの服、赤く染めたのあなたよね?」
あれから私は引越し、違う家で毎日を過ごしてます。
読んでいただきありがとうございました!