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蠣崎当主伝  作者: 吉原左衛門尉義清
5/9

蠣崎家の現状

大広間にて


「では、皆そろいましたか?」


「殿、そろいました」


「じゃあ、今の状況を教えてください」


そして季遠が発言した


「現在、我々はこの地の民族であるアイヌ民族と約100年に渡って抗争を続けておりそれが最も問題である事案です。また、我が家の宗主、安東家との関係はきわめて良好で交易も盛んでございます。加えて、現在は親類にあたる若狭の武田家に使者を送る計画をたてているという具合です。」


「そうですか」


そういや江戸時代に入るまで蠣崎は安東家に従属していたんだったな


後は若狭か……畿内と交易をするなら欲しい土地ではあるね


「では、まずアイヌ民族と話し合いがしたいのですね、渡りをつけてください」


「恐れながら、殿。アイヌ民族との間にある憎悪は非常に深いものがあり簡単にはできないかと」


重季がそう口をはさんできた


「では、重季ならどうする?」


「我々の宗主である安東家に仲立ちを要請すればいいと考えます」


ほう、その答えにたどり着いたんだね


この様子じゃあ先代が結ぶはずの『夷狄の商舶往還の法度』は結ばれていなさそうだね


まあ後で概要は説明するけど


「じゃあ、その案を採用しましょう。季遠、安東家に今の旨を伝える書をお願いします」


「はは!」


「他に何かある人はいませんか?」


まあ、見た感じ意見はなさそうだね


「では、此処までにしましょう、お疲れ様」


さてと、俺は頑張って例の法度に手を加えますかね



=========================



ここで、『夷狄の商舶往還の法度』というものについてなんだけど


大まかに4つの決まり事から成立している


細かい規定とかは俺も覚えていないしな……


で、その規定なんだけど


1、他国の商人との交易において蠣崎家が徴収した関銭の一部をチコモタインとハシタインに支払うこと


2、シリウチから天河までの地域より北東を蝦夷地とし和人の出入りを制限すること


3、渡島半島南西部の松前と天河は和人地としアイヌの出入りを自由とすること


4、シリウチの沖または天河の沖を船が通過する際は帆を下げて一礼すること


ということである


ちなみに、この法度を締結した先代、季広はアイヌの人々から『カムイトクイ』と呼ばれたという


その意味は”神のように素晴らしい友”だそうだ


まあ、すごい大袈裟な感じがするけどね……


俺はこれに2つ程付け加えた物を提示しようと思っている


まあ、今は何かとは言わないけれど


そのうち分かるさ

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