表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蠣崎当主伝  作者: 吉原左衛門尉義清
3/9

家督相続

徳山館の一室にて


わけもわからず城に連れてこられてしまったのだけど


だいじょうぶなんだろうか……


ん?


「失礼します。 初めましてそれがしは貴方様の身の回りの世話を仰せつかったものです。 何なりとお申し付けください」


「おう……」


「さっそくなのですが貴方様のお召し物は身の丈に合っておりませんのでお着替えを用意していますのでお着替えください」


「……わかった」


一体なんなんだ!



「終わりましたか?」


「ああ」


着物の着付けってこうするんだね


何人かの人が着付けをしてくれた


現代人の俺には到底無理だわ


「では、案内いたします」


そして案内されたのは大広間の上座


そこで待っていたのは


な、なんだよ! これは!


目の前にいるのは大勢の武士


これはまるで……


ん?


「第六代蠣崎家当主として松前義広を迎えいれ、われら家臣一同忠義を尽くすことを約束いたしまする」


「…………」


は?


「どうかなされましたかな?」


「えっと……自分が、此処の当主に、ですか?」


「そう申しました」


衝撃告白だ!


「どういうことですか! 唯の平民に過ぎないこの私が当主? 私にはまったく理解ができかねます!」


「私はこの場を仕切らせていただいている小平季遠(こだいらすえとお)と申します。今は亡き先代が臨終の際に遺言で『松前にいる松前性のものに家督を継がせよ』との指示がありこのようなことになっている次第であります。それに唯の平民がその様な大それた名を持つ筈がありませぬか」


「確かに……そうですよね」


確かにそうだな


あまりにも露骨すぎたか……


「しかし、私はいいのですがあなた方はそれで満足いくのですか?」


「家臣一同承認を頂いている次第でございます」


「本当にいいのですね?」


「武士に二言はござらんぞ」


そう言って季遠のそばに侍っていた老人が言った


「これは、失礼いたしましたわい。儂は厚谷重政(あつやしげまさ)と申す。今までは宿老を仰せつかっておった」


「そうですか」


「じゃから殿は何の心配もせず、われらを仕切ってくださればいいのじゃよ」


「……わかりました」


蠣崎家か…………太平の世を築けるか試してみるのも悪くないな。それに帰れるか分からない今、これが天命であることを祈るか……


「当主の件引き受けました。しかしやるからには私は天下を狙いますがよろしいですか?」



「「な、何を……」」


「ほ、本気でございますか!」


季遠があわてて聞いてくるが俺は


「至って、本気ですよ」(ニヤリ)


そう答えた


そして


「もう一度聞きます、これでよろしいですか?」


「「はは!!」」



こうして俺は松前義広として蠣崎家を継いだのであった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ