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永遠の旅物語  作者: 【健全版】ヨーラスやら
第2幕 追う者と追われる者
16/26

駆け落ち騒動 1

徳島トラエール県内のとある田舎に1軒の古い家にウォンとピーコが眠っていた。


「ああ~空飛ぶ竜姫(十二干支・辰)にフられて~」

「一方的にお別れを言われ~」


そう、2人は寝言を呟きながら。


「泣きながら歩く俺たち」

「2人の旅は終わらないよ」


一軒の古い家とはいえ、二階もあり、面積が大きい。普通の人が持てる最高の家だっただろう。今は売り地となり、新しい人が買い、ウォンとピーコを置いたのだ。


「ああ、東は巨人が居て」

「人の娘にちょかいを出したら巨人とマジ喧嘩になった」


巨人はどうやら、人の娘を好いていて、「俺の物に出すな」という感じで逆キレされた。当の本人は気づくところか、一目で逃げ出したので知らない。


「ああ、西は任侠ヤクザがいて」

「おっさんって口を滑らしたら、リアル鬼こっご」


ピーコの無自覚喧嘩売り発言のせいである。このせいでウォンは「向こうの世界で犯した罪」のことを蒸し返すような行動をしてしまい、お互いに殺意満々で魂技ソウルラッシュLv3を使用。大規模な戦跡を残し、150年も眠ることになった。


「ああ、北は被害者達(辰を除く残り全部の12干支)が居て」

「再会して、2人で精一杯謝って許して貰えてそうだったのに、ピーコのうっかりな言動で僕らをフルボッコ」


これも無自覚なピーコのせい。ある意味、一緒に居たくないトラブルメーカーである。

なお、十二干支の皮を被った者の1人、未が「あたしが作った女形人型機械に女装して(憑いて)くれたら許していいよ」とか言い出した為、Lv1<<瞬光>>で逃げ出した。


「ああ、まだ見ぬ南は人魚が居て、噂によると体が敏感で触られるとそれはもう生々しい」「アウトオォォォォ!! やめて!? いきなり連載中止になるような発言、やめて!!」


いきなりウォンがピーコを蹴り飛ばし、叫んだ。実は2人とも目覚ましていたのだ。こうなるのはいつものことである。


「なんだよ。まだ会っていないしいいだろ」

「それとこれは別だよ!?」

「ふーん。じゃあ。胸が大きい女は好きか?」

「は? なに言ってんの?」

「ふっふふふふ。分からないのか? あの胸に対するロマン! 夢のような女に抱く欲望! この沸いてくる激情!!!」

「ごめん。一ミリも分かりたくない」

「なら、お前は何だ? クソ気持ち悪い女が欲しいのか?」

「・・・・・いや、その話じゃなくて・・・もういいや。僕は内面が可愛い女が好きだ! 例えば、いつも男勝りで偉そうな女がある時突然、弱々しく僕を頼ってくる姿が萌えるっっ!!」


「それ、俺じゃん!!!」(向こうの世界では女だった)


「あれ?」



その時、廊下から足音が聞こえ、戸が開いた。

コート、瞳、髪、靴、手袋の全てが黒い男。悪魔アボロスだ。


「・・・・朝から元気だな。これで狂気があるのか疑いたくなる。まぁいい、お前らにお客様だ」


「アボロス。君たちを置いたのは君?」


「それは客から聞け。あいつなら何でも教えてくれるさ」


アボロスの誘導によって接客の間へ入ったウォンとピーコは座って待っていた1人の女性に驚く。


「あっ、起きたんですね。良かった。私が魂エネルギーを分けてあげたんですからそのままじゃ困るところでした」


「あの、確か、十二干支のーーー」


「はい。名前だけ忘れたんですね。・・・・フフフ、これで女装させる口実が作れ・・・・ケブンケブン、何でもありません。私は十二干支・ひつじ、ラバーネラルです」


可愛らしいロリっ顔で屋内でも床に置かない青色のハンティング。時々、危ない発言をするが、就職は機械技師。彼女も十二干支の1人で人型機械に憑いており、勤務地を転々としながら長い長い旅を続けている。


「ラバーネラル・・・・さん。どうして、ここに?」


それを聞くと何かに怯えているような感情を見せ、綺麗な髪を掻き回す。相当な悩みを抱えている時の癖だ。


「あーーー・・・・・。これは個人的な依頼なんですが、私が作った人形機械でちょっと厄介な面倒事が起こりまして。話が分かる皆さんに協力をお願いしようと」


「内容は?」


「・・・・十二干支・は知っていますね? そいつが人型機械で人間の恋に干渉し、駆け落ちを阻止しようとしています。ミアリーも絡んでいます」


「「・・・・・・・・は?」」


一気に説明され、パニック状態に墜ちるウォンとピーコ。


十二干支・子は精神年齢が幼く、漢字ですら読めない少女のような人だ。


ミアリー。ウェーランドで出会った少女であり、悲惨な過去を持った人物だ。なお、名前は他人の保険証から拝借したらしい。


ハッと何かに気づいたウォンがアボロスに向き質問する。


「そうだ。今の時間は? 僕らが眠ってからの」

「7年だな。ミアリーは17歳だ」

「そいつの就職は?」

「冒険者だ。筋はいいぞ」

「OK。ラバーネラル、続きを」


ハンティングの女性は頷き、話を続けた。


「はい。我々は国王の命を受けて、2人を追っています。仕事の得意様で多大なる感謝をしていますので。なお、2人には反帝国派が後ろ盾になっていて、援護しています」


その言葉に、吹き出すウォンとピーコ。


「ちょっ、反帝国派って・・・・どうしてあいつらが協力しているんだ!?」

「ただの駆け落ちだよね? 何でそこまでしなくても・・・・」



嫌な予感が段々はっきりしてくる。


「それが・・・・駆け落ちの2人の名前が、エルフォーセ・フランスクト姫様と下半身が麻痺したエランと判っていまして・・・・あ、姫様の名前、知りませんでしたね。








嵐の子と言った方が分かりやすいですね」



しばらく沈黙の間の後、




「おいいいいいいいいいいいい!!!!!?????」





「えええええええええええええええええええええ!?」




狂ったように叫んだ。


「いやいやいやいやありえないありえない」

「・・・・ありえるかも。だって、あの2人、男装と女装

でしょ。逆に考えたらこれ以上ない組み合わせだよ」

「だとしても、あの嵐の子があっさり受け入れるのか?」

「嵐の子って・・・・女なのに男になりたかったんだよね? どうして駆け落ちを・・・」


「・・・・嵐の子はそうする責任があります。だって、エランの下半身を麻痺させたのは他ならぬ嵐の子ですから・・・・・」



「え」「は?」



「・・・ここまでの内容が現状です。何か質問は?」


「あの・・・話は分かるけど、なんで僕らに? どう考えても関係が無いように見えますが」


「おっしゃる通りです。しかし、これは国王の思惑があるのです。・・・・無駄な願いと判っても国王からの伝言を申し上げます。



「誘拐犯の真犯人役を演じて欲しい」



ということです」



「「・・・・・・・」」



「この騒ぎ、姫様の自己満足だったのでは収まりが尽きません。そこで実は誘拐犯に人質されたとでっあげようと」


「は、はぁ・・・・・・」


「や、話は分かるが・・・・俺達、人形とからくり機械だぞ?」


「だから、私がこの話を買って出たのです。得意な技術で!!」


いきなりテンションが上がるラバーネラル。

あ。凄く・・・・嫌な予感。



「2人には人造機械に女装して(憑いて)頂きます! もう造り終わっていますし、新たな世界へレッツゴーです!」





「却下」×2





「拒否権はありませんよ。私はあなた達の被害者ですから」


「・・・・・」「・・・・・・」


その事を交渉の材料にするのか!?

 

正直、それを持って来たら、相手に反論できない。

自分は人ならぬ存在なのに、本能に冷や汗がドッと流れて警告する。

本当にどうしよう・・・・・・・・。

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