ミニエピソード まさりの人生
昔、幼い頃に「神さま」へ憎みの手紙を書いたことがある。内容は「ぼくをどうしておんなのからだにしたのですか?」というものだった。ただし、汚い字で。
ただ、「神様の住所は知っているの?」と問われて怒りは冷めたよ。だって知らないだもん。
でも、自分の体に納得いかないことは明らか。周りは性格が女であることを信じて疑わなかった。女らしくと強制されて我慢していた。あ、そうそう、実家はお金持ちでね、望む物は何でも手に入れた。流石に体を変えることはできなかったけどな。
性転換手術のことが広まる数年前にはあんまり知らなかった。
そんな生活を変えた、というよりも破壊したのは小4で遠足に動物園へ行った時。当時も女服を着て自由行動したら、たまたま脱走していた猿を見つけた。その猿は自分に気づくと、あっと言う間に大事に所持しているパックを奪い取った。素早い猿だった。慌てて追いかけた。全力疾走し、息を切れるまで走った。
この時初めて、疲れと動く喜びを知った。普通歩いて移動して走ることはあんまり無かったからだ。こみ上げる嬉しさを抑えきれず大笑い、数分間続いた。
後に伝説の超問題児と呼ばれる別名「まさり」が誕生した瞬間だった。
実家に帰ってから早速行動を始めた。これまで延ばした髪を短く切る。その後、一人で初めての買い物。付き人も居た。念を押して口封じした後、気を入った男服を買った。そして着た。
このことを母が怒らない筈がなく、もの凄い剣幕で説教した。しかし自分は懲りず、専門シェフに夕食は私だけ普通の和食にするように要求したり、無断で男たちと混ざってサッカーをした。度々説教されたが、暴走は止まらなかった。やがて男言葉を覚え、躊躇ない行動を取るようになった。
例えば、火薬を試したくて、木製のイスを盗み出し、川の側にある広いスポーツ場で爆破。怪我は無かったものの、叱られた。理由を言ったらさらに叱られた。別の日には学校に宿題を忘れたので夜中に行った。鍵が掛かっていた。仕方なく、付き人から伝授された鍵の開け方で侵入した(完全に犯罪であるとは知らなかった)。すぐに警官に見つかり、通報された。当然、付き人と一緒に叱られた。
また、昼間、学校にやってきた野良犬と素手でやり合ったた。お互い深い傷を残し、引き分けとなった。服を故意に汚したので説教を受けた。野良犬は保護されたが、死んでしまったと風の噂で聞いた。
・・・・とまぁ、ここまで一ヶ月の間に起きた事だ。
え? 説教を受けた回数が多い? ははは、これでも序の口だからね。小6までトラブルを引き起こした件数は約500位はあるから、一ヶ月ごとのトラブル件数は・・・ぶつぶつ・・・。
ああ、それと自分が関わった特に規模が大きかったトラブル・・・というか、解決した事件だな。話すとキリがないから、ざっくりと言うと、行きすぎたファンによるイケメンアイドル殺人未遂事件、学園集団女子高校盗撮事件など・・・・(でも、ほとんど事件を知ったきっかけが不法侵入などの犯罪だから、人の事を言えないんだよね)。
暴れるだけ暴れ回った、超が付く問題児「まさり」。
その末路はどんなものと思う?
答えは、「世界の理を語り、大人しくなり、女という生き方を選んだ」。
性転換手術は知っている。でもそれをやろうとはしなかった。素敵な女と結婚して、子を産んで家族という存在にーーそれが最終目標であって、叶わないものだった。自分を犠牲すればできるんだよ・・・・。その目標、夢は。
男らしく生きる事を強く望んだのに、成人後、好きでもない人に酷い暴行を受けて。半ば諦めた気持ちで結婚して仕事をして・・・その子供も暴行された。同一人物にね。何一つもやれることができず、そのまま死んだ。
え? 好きでもない人は誰か・・・・これ、言ってもいいかな。いいか、ウォンには言うなよ。絶対だぞ。
「十二干支の誰かに居る。それだけは確かだ。何故なら今までそいつ達と出会ったからだ。今度出会ったら苦しまずに天国へ逝かせてやる」
その言葉に、私はひどく怯えた。絶望に暮れた怒りを満たした感情は今までも見たことなかった。だからこそ、記憶の底にしっかり残ったのだろう。
「狂気」。翌朝になると、その欠片もなく元気に笑い、ボケる姿を見ると、やっぱり別人だと思った。
想像を絶する、魔熊との戦いの傷跡を見るまでは。プロッグ形に分解された木々。一軒家を10位は建てそうな面積での大破壊。アボロスにウォン達がやったと聞いても心底信じれなかった。
<ウォンとピーコが完全に起きるまでの7年間の記録>
アボロスによる修行に苦戦し、嵐の子とエランと絡んで遊んで暴走して叱られた。時は、ロラとクロノ騎士の恋愛を応援したり、ラブラブムードの雰囲気をぶち壊そうとする嵐の子を止めるために、全力全開で戦った。
ある日、嵐の子が苦労して集めた物が闇の武器だったと知り、騎士団がやってきて、強引に奪おうとした。その時、激しく拒否し、ミアリーとエランを相手に全力喧嘩。その間、騎士団が闇の武器を運んでいった。
怒った嵐の子はフィラリアから飛び出し、秘密基地の候補地を探すうち、盗賊団のボス、十二干支・子と出会う。己の性格をバカされ、それが盗賊団の逮捕に繋がった。十二干支・子は惜しくも逃してしまう。
ミアリー13歳の際、カスト偽教団壊滅事件によって、自殺した両親に残された娘、カウクターの襲撃により、嵐の子に関わる人々が怪我を負わせる。逆ギレした嵐の子は得意の情報綱で犯人を追い詰める。しかし、<死の病>狂犬病に掛かった大型犬に苦戦。もはやこれまでと思ったとき、一時的にながらもピーコが覚醒。瞬く間に倒し、直ぐに眠る。
逮捕されたものの、脱獄したカウクター。今度はギルドに直接20匹の猫と共に乗り込んできて、嵐の子を殺しそうとする。だが、偶然にも帝国派のリーダー、クーインセルと反帝国派のリーダー、アリアの共闘善戦によって押しさえる。
その後、混沌と呼ばれる黒い球体が出現回数が増える。当然、混乱になるが、アボロスが密かに結んだ密約により、ギルドの依頼専門を転換。対モンスター戦の依頼も受け入れるようにして、治めた。
15歳の時、ギルドに泊まり込みアルバイトを始める。17歳になるまで続け、冒険者になることも検討する。
以上。




