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永遠の旅物語  作者: 【健全版】ヨーラスやら
第1幕 瞬光のウォン、怪力のピーコ
11/26

嵐の前兆 (後編)

「ちっ、犬か・・・・」

「待て、人形も居る。喋れるようだ。どういう仕組みしているんだ・・・・」

「同じことだ。滅するぞ」


反帝国派の拠点の2階。階段を上って、男達の向こうに扉が見える。男達の泊まる部屋の扉とは綺麗さが違う。あそこがボスか。照明はついており、明るい。廊下はボスの部屋まで一直線だ。男達の部屋はその廊下の脇に当たる。


敵は、狙撃手の女、槍を持った男、二刀流の男。


「狙撃手は後! 槍は僕が。残りは任せた」

「ラシャー!」


話を終わったと同時に狙撃手が撃った。だが、手元が狂ったのか、天井に当たった。ーーそれが戦闘開始の合図だった。

ウォンは爪を引っ込めた手で右スレート。ピーコは腹に空中キック。それぞれ当たり、後退させたが、耐えたのは予想外だ。

敵はここがチャンスと思い、さっきまでの防御姿勢とは違い、猛攻に転じる。

二刀流はピーコを、槍を持った男はウォンを狙う。狙撃手は攻撃支援だ。


「そらそら、どうした!?」

「くっ・・・・・」


一撃から二撃目へ繋がる流れるような剣術。脚は移動を支えるものであり、蹴りを使わないが、扱い方を知っている。二刀流の男、実戦をやっているな・・・?

分析をしながらかわし続けると、いつの間にか壁まで追い詰められている。不気味な笑い、決め手の攻撃を繰り出す二刀流の男。

だが、辛うじて僕は避けた。剣は壁に刺さり、抜けなくなってしまう。

もう一つの剣を破壊する為、構えると何かが目前で通り過ぎた。銃弾だ。

二刀流の男が刺さった剣を捨て、残り一本で勝負を挑む。加えて、銃弾が僕を狙う。

さっきよりは楽になったものの、またまだ心苦しい。

だが、長引くと思われた戦闘は突然終わりを迎えた。

ピーコが乱入したのだ。振った拳は剣にヒットし、使えなくなるようにした。


「おらっ!」

「な!?」


続いてこの出来事に錯乱した狙撃手に腹に右スレート。あっと言う間に2人を戦闘不能にした。


「どうやって、槍に勝ったの?」

「んーー・・・・。なんか、力を貯めて、お互いにぶつかり合ったら、勝ったみたいな・・・・」


う~ん。ピーコらしいというか・・・。


「まぁいい。倒したんだ。行くぞ」

「そうだね。彼らには悪いけど」


最奥の部屋を開けると、そこには腰に剣を納めた女性と女の子(?)がいた。


「おい。エランっつうのは誰だ?}


すると、女の子(?)がびくんと体を震えた。

女性が前に出て、きりっと凛々しい顔で静かに言う。


「私の美しい男の子、恋人に虐めないでください」


それを聞いて一瞬、呆然となり、叫ぶ。


「テメェ、男だったのかよっ!?」

「なんとまぁ、奇妙な組み合わせだね」


「それとも、エラン様に用に有るのですか?」


「その前に聞いておきたいことがある。エラン・・・・さんが行っている学校の名前は?」


この答えは嵐の子から聞いている。


「? ・・・知りませんが、これは関係ないでしょう」


「いいや、関係あるね。場合によっては催眠の可能性もあるから」

「別の質問するぞ。女の子はどこに住んでいる? まさか、恋人なのに、知らないとか言わないよな?」


「・・・っ・・・・」


今度こそ、動揺する女性、いや反帝国派のリーダー格の人。


「アリア! こいつらの言うことなど聞くな! 全部嘘に決まっている! きっと私を殺しに来ているんだ。さっさとやれ!」


エランの言葉に我に還った女性、アリアが剣を抜き、僕らに振るう。すぐに両手で受け止める。白刃取りだ。そんで、ピーコは腹に空中ダブルキック。アリアは吹っ飛ばされて、気絶。


「僕は催眠プログラムを破壊するから、ピーコは説教」

「OK」


アリアに近づき、閉じた両目を開け、じっと見る。


「「ソウルラッシュ」、Lv2 <<幻夢>>」


幻夢。それは人が仕掛ける幻覚を魂エネルギーでさらに昇華させたものだ。時は現実と見間違う程の威力を発揮し、時はそれを停止、リセットすることができる。代償は数日間の意識気絶。しかも目覚ましがいつになるのか分からない。最悪、半年は寝ることになる。


自分の周りに白いモヤが発生し、それがアリアに移り、消えていく。


体をびくんと痙攣し、直ぐに寝息が小さく響く。・・・成功したのを見届けて、意識を手離した。





よーーーーーうやく、説教タイムが来ましたぜ、ヘイ!

フッフフフフ、子犬のように怯えている、エランさんよ。可愛いですぜ。いっそ、ムチでしばいてやろうか。さあて、どんな叱り方をしますかねぇ~~~~~~?

小手調べにステップアップして追い詰めてやろう。





「や、やめろ! 寄ってくるな! い、痛い目に合いたいか!?」




「ほほう、イタイ目と来ましたか。それはそれはどんなものか、じっっっっくりと聞かせて貰いたいですな。はっはははーーーーーっははは!!!」




おっと、いかんいかん。テンションが上がりすぎて笑いが止まらん。







「ば、化け物ーーーーーーー!!!! お、お前なんかこうやるっ!」








と、さっきまで子犬のように怯えたいた女の子(?)は床に何か魔法陣をさらさらと書いて、意味不の呪文を唱えた。すると、なんと! 魔法陣から頭とお尻に角が付いて羽が生えた、いかにもな小悪魔が現れてきた!


おっ? 増援登場? いいねーー。敵が増えるってのは! しばく回数が増えるってもんだぜ!!!






「小悪魔インプ様! どうか助けて下さい!」







って、お前が救援を求めるんかい。

ちぇっ、つまんねっ。


「ギィ? ギギィー」


その小悪魔はフワフワと浮かべて、また呪文。

そして、新たな2つの魔法陣からコプリン2体を出す。


そいつは叫び声を上げながら石棒を振り回す。


そして突進してきた。


よし、落ち着いて良く見て・・・・・。近づいたコブリンの腕を掴んで片方のコプリンへ投げる。うん。黒い霧になって消えたな。


「ギィ!!!!!????」


何故か驚く小悪魔。この隙に大きくシャンプする。

小悪魔が何やら呟いて腕を突き出す。

視界が揺らぐ感覚はあるが、意識は失ってない。おそらく催眠の魔法らしいが、悪いね、耐性あるんで。


そんで、小悪魔にカカト落とし。


あっけなく地面にめり込む小悪魔インプ。


立ち尽くす&口が開けたままのエラン。俺は怪しい光を目に宿しながら不気味な笑いで近づく。




「つ~~~~~ぎ~~~~~~~は~~~~~




お前だああああああああああああああああああ!!」




「ぎゃぁあーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」






Q 催眠のやり方は誰から教えて貰ったのか?

A 小悪魔インプ


Q どうして彼女アリアを選んだのか?

A いつも行動が凛々しいなのでかっこいいと思ったから。反帝国派なんで考えてない。


Q 嵐の子は知っているか? 怪我で入院していることもか?


A はい。私が誰にも言うなって命令したから、聞かれたらマズイと思い、行動したんだと思います。そこらはアリアに頼みましょう。





三日後。


フィラリアの病院の玄関。


「ようやく、歩ける・・・・」


包帯を巻いた足を支えるため、木棒を持ち、ため息を吐く嵐の子。


「おう。出てきたか」

「こんにちは」


そこにピーコとエランが現れた。退院お祝いにと掛けてきたのだ。大半はエランの謝罪の為であるが。


「ピーコと言ったな? 聞いたぞ。問題児の伝説を知っているだそうだな?」


「ああ。まぁ、お前さんとは違うがな。何しろ、お金持ちでいつも護衛から逃げ回っている人だからな」


「ん? 同じだぞ?」


「・・・・・・・は?」


「えっ・・・いや、俺、帝国の王族なんだよ。貴族は嘘だけど、大体合っているだろ。確か、王位継承権第4位。ただ、怒りを買っている立場にあるからあんまり名乗りたくないけどな。あ、本名は秘密だ」


「・・・・・エラン。知っていたのか?」


「薄々嫌な予感していた。でもまさか、王族とは思わなかった。誰にも」


「これが俺だからな!」


何かっこつけているんだテメェは。


嵐の子が何かに気づいた。青髪の女性がやってきたのだ。

かなりスタイルがいい。反帝国派のリーダー、アリアとは真逆の雰囲気を漂う。クーインセル。帝国派のリーダー格の人にして、嵐の子の護衛を勤める人だ。


「嵐の子様、迎えに参りました」

「おう。ご苦労さん。ピーコ、じゃあな」


軽く手を振るってから、護衛の誘導に従い、歩いていく嵐の子。


「!」


向こうに人影がいる。アリアと反帝国派の人だ。2人は頭を下げたまま、何も語ろうとはしなかった。

静かに通り過ぎる嵐の子。


喧嘩などは起きず、残されたのはピーコとエランとアリア達だけだった。



重すぎる沈黙に耐えきれず、逃げ出したエランを捕まえて、場を盛り上げようと無理矢理アリア達を酒場へ連れていく。







それらを見下ろす悪魔アボロスの存在に気づかずに。


「・・・・あの2人は俺の計画には邪魔だな。あれを出すか」



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