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黒猫クロとぼく  作者: たま


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5/19

ノクス

クロは、ゆっくりとしゃべった。


「ようやく思い出したか。契約者あおい」


「え……えええええええっ!?」


ぼくの声が、ダンジョン最深部に反響した。

ちょっと猫が喋るとかありえないんだけど。

ぼく頭おかしいのかな?

混乱しているぼくにクロは油断するなと睨んでくる。


巨大な魔物は、山みたいな体を揺らしながら、じろりとこちらを見下ろしている。

赤黒い目。ねじれた角。息を吐くたび、床が溶ける。


なのに。


ぼくの足元で、クロはいつもの調子でしっぽをゆらしていた。


「さわぐな、あおい。集中しろ」


「しゃ、しゃべってる……クロが……!」


「我はクロではない。本来の名は」


クロの額の紋章が、青く輝く。


真名封印解除 第一段階


「夜天の守護獣 ノクス」


黒い毛並みがふわりと浮き上がる。

体がゆっくりと大きくなり、闇が形を持ったような巨大な黒獣へと姿を変えた。


でも、目は同じ。

あの、金色の優しい目。


「えっと……ノクス?クロ?」


「好きに呼べ。だが忘れるな。我らは契約で結ばれている」


「契約って、いつ?した覚えないんだけど」


「あおいが魔石を口にした瞬間だ。吸収の才を得た時に契約は成した」

勝手に契約って困るんだよね。

クロはクロだし。


巨大な魔物が、ついに腕を振り上げる。


地面が砕ける。


「来るぞ!」


ノクスが吠えた。


その声と同時に、ぼくの頭の中に表示が走る。


《パーティ結成:楠あおい/ノクス》

《共有スキル一部解放》

《魔力循環リンク確立》


体の奥で、何かが噛み合う感覚。


MPが、桁違いに増えた。


「……いける」


ぼくは両手を広げる。


風が渦を巻く。


今までの“風魔法”とは、まるで違う。

圧縮された空気が、刃になる。


「――ウィンドカッター!!」


何十もの風刃が、巨大魔物の足を切り裂いた。


咆哮。


でも、浅い。


硬すぎる。


「我が抑える。核を狙え」


ノクスが闇となって走る。

影が伸び、魔物の体に絡みつく。


《闇拘束》


「核ってどこ!?」


「鑑定を使え、あおい!」


MPがごっそり減る感覚。


でも


「鑑定 強制解析」


視界が変わる。


赤い光が、魔物の胸の奥に灯っている。


《ボス個体 深淵喰らい》

《弱点 胸部内部 魔核》


「見えた!!」


ぼくは魔石を三つ、ポケットから取り出す。

これまで集めてきた分。


一気に飲み込む。


体が焼けるように熱い。


《レベル7》

《レベル8》

《風魔法熟練度上昇》

《スキル 魔力圧縮獲得》


「全部、乗せる!」


風を圧縮。

さらに圧縮。


手の中に、白く輝く一点。


ノクスが吠える。


「撃て!!」


ぼくは、光を放った。


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