転生後転生パワーで世界平和のために尽くし共に戦ったパーティーの連中と酒を交わそうとしたが
「お前は最高の仲間だった。これほど背中を預けて安心できる奴は、今までいなかったぜ」
世界を救った後の、勝利の美酒。
戦士は俺の肩を叩き、心からの信頼を口にする。
「ああ、またいつでも守ってやるさ」
「私も、何度あなたに命を救われたことか……。このご恩は一生かけても返せません。本当に、本当にありがとう」
魔導師の彼女は、目を潤ませて俺の手を握った。
これまでの苦労が報われる、最高の夜だ。
「おーい! 宴が始まるぞー! 主役がいなきゃ始まらねぇ!」
仲間たちの笑い声に誘われ、俺たちは祝宴の会場へと歩き出す。
だがその時、雲間から顔を出した満月が、俺の項を冷たく照らした。
「うっ……、う、あああああ……ッ!」
「どうしたんだ!? 急にうずくまって……」
「大丈夫!? ……えっ? ちょっと、体から毛が……」
俺の意思に反して、骨が軋み、爪が伸びる。
「ワオーーーーーーーーーーーーーーン!!!!」
夜空に響き渡る咆哮。
だが、次の瞬間に聞こえてきたのは、心配する声ではなかった。
「あーーーーー!! ワーウルフだ! 紛れ込んでやがった、殺せーーーーー!!!!」
さっきまで肩を叩いていた戦士が、真っ先に剣を抜く。
「みんな、早く殺すのよ! 汚らわしい化け物を近づけないでーーー!!」
一生恩を返すと誓った彼女が、誰よりも鋭い声で殺害を命じた。
次の瞬間、宴に集まっていた数百人の冒険者たちの武器が、一斉に俺の体を串刺しにした。
(完)




