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第七話鮮やかな布、ハナの挑戦!市場に新たな風を

アルテア商会のテントは、市場の中心でますます存在感を増していた。魔法水車のおかげで穀物が安定し、カイトの改良した魔法荷車で交易もスムーズ。ユウト、ミリア、サキ、タケル、カイト、リナはテント内で、次の目標を話し合っていた。


ユウト『ギルドを追い払ったし、市場を地域一にするぞ。次は、交易品を増やしたいな。布とか道具とか』

タケル『おう!東の集落に布の商人がいるぜ。俺が交渉してくる!』

サキ『ハァ、ゴリラ、また突っ走る気?資金はまだギリだぞ。帳簿確認しろ』

リナ『…本で読んだけど、布の品質は染色で決まる。良い染料が必要だね』

ゴードン『フン、染料なら機械で効率化できる。カイト、魔法具で何か作れ』

カイト『…う、染料の攪拌なら、魔法陣でできる…かも』

ミリア『みんな、アイデアいっぱい!商会、めっちゃ盛り上がってる!』


市場の端で、若い女性が荷車を引いていた。20歳くらい、ショートカットの髪に作業着、汗だくで布の束を運んでいる。ユウトの紋章が光り、彼女を見つめると情報が流れ込む。

*名前:ハナ。長所:手先が器用、努力家。短所:完璧主義、プレッシャーに弱い。*

ユウト『お、ハナさん?その布、すげえ量だな。手伝う?』

ハナ『…え、いいよ、自分でできるから。失敗したくないし…』

彼女は荷車をガタガタ押しながら、疲れた顔。ミリアが近づく。

ミリア『ハナさん、めっちゃ頑張ってる!その布、めっちゃ綺麗だね!』

ハナ『…綺麗じゃないよ。染めムラがあるし、こんなの売れない…』


ユウトはハナの「手先が器用」を思い出す。

ユウト『ハナ、染めムラ気にしてるなら、俺らと一緒に新しい染料作ってみねえ?お前の技術、活かせそうなんだけど』

ハナ『…私?無理だよ…前に染め失敗して、村で笑われたんだから…』

サキ『ハァ?笑われたくらいでビビってんの?なら、成功して見返せよ』

ハナ『…簡単に言うけど、プレッシャーやばいんだから!』

ユウト『分かるよ、ブラック企業で俺もプレッシャーに潰されそうだった。でも、ここなら失敗してもやり直せるぜ。試してみねえ?』

ハナは荷車を握りしめ、迷う。

ハナ『…一回だけ、だよ。失敗したら、ごめんだからね』


昼、テント裏で染料の実験開始。カイトが魔法陣で攪拌装置を作り、ゴードンが機械の調整。リナが本から染料の配合を提案。ハナが緊張しながら布を染める。

ハナ『…この配合、合ってるかな…ムラになったら終わりだ…』

カイト『…ハナさん、手の動き、めっちゃ丁寧…俺、魔法陣もっと安定させます』

ゴードン『フン、ガキのくせに悪くねえ。染料の温度、上げろ』

初回の染めは失敗。布にムラができ、ハナがうつむく。

ハナ『…ほら、やっぱりダメ。私のせいで…』

ユウト『待て、1回で諦めるな。カイトの魔法陣、温度が不安定だっただろ。もう一回やろうぜ』

ハナ『…う、うん、やってみる…!』

2回目、ユウトの紋章でハナの「努力家」を確認。頭痛がズキリ。ハナが集中し、丁寧に染める。カイトの魔法陣が安定し、鮮やかな青い布が完成。

ミリア『うわ!ハナさん、この布、めっちゃ綺麗!市場でバカ売れするよ!』

ハナ『…私、こんなの作れたんだ…やば、泣きそう…』


夕方、市場でハナの布を展示。住民が「こんな綺麗な布、初めて!」と殺到。タケルが東の集落の商人を呼び、交渉成立。布の取引が始まる。

タケル『へっ、ハナの布、めっちゃ評判だぞ!俺の交渉もバッチリ!』

サキ『…ゴリラ、調子乗んな。ハナの布が良かっただけだろ』

ハナ『…みんな、ありがとう。私、失敗しても、こうやって…またやれた』

ユウト『ハナ、商会で布作りやってくれよ。お前の技術、必要だ』

ハナ『…うん、やってみる!ここなら、私、頑張れそう!』


---


夜、湖畔で7人が火を囲む。ミリアが魔法の果実でジャムを作り、パンに塗って振る舞う。

ミリア『はい、ハナさんも食べて!このジャム、甘酸っぱくて最高だよ!』

ハナ『…うわ、美味しい!地球じゃ、こんなのなかった…』

タケル『おい、赤毛!ジャム独り占めすんなよ!』

サキ『ハァ?ゴリラがパン3つも食ってんじゃん!』

リナ『…このジャム、子供たちに教えてあげたいな。喜ぶよ』

カイト『…ハナさんの布、俺、もっと改良した魔法具で助けたい…』

ゴードン『フン、ガキ共、騒がしいな。まあ、悪くねえ』

ユウトはパンにかじりつき、市場の灯りを見る。

ユウト『ハナの布で市場がデカくなった。次は、もっと交易ルート広げようぜ』

ハナ『…私、商会で頑張るよ。失敗しても、みんながいるから』

遠くで、エリスの声が響く。

エリス『ふふ、ユウト、仲間が増えたね。この市場、アルテアの中心にしなさい』

ユウトはジャムを舐め、ニヤッと笑った。

ユウト『アルテアの中心か…よし、商会、もっと突っ走るぜ!』

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