第六話商会の危機!ライバルギルドの策略を打ち砕け
アルテア商会のテントは、集落の市場の中心にどっしりと構えていた。朝の陽光が木の看板に当たり、「アルテア商会」の文字が輝く。ユウト、ミリア、サキ、タケル、カイト、リナはテント内で、交易の計画を話し合っていた。魔法水車のおかげで穀物が増え、隣の集落との取引も順調だ。
ユウト『この調子なら、市場を地域一にできるぜ。次は交易ルートをもう一本増やしたいな』
タケル『おう、任せろ!東の集落に話持ってくぜ!』
サキ『ハァ、ゴリラがまた暴走すんなよ。帳簿だと、資金はギリギリだぞ』
リナ『…でも、穀物の質が上がってるから、値上げしても売れるかも。本で読んだ市場戦略だと…』
ゴードン『フン、戦略もいいが、荷車の車輪がボロいぞ。交易増やすなら、まず直せ』
カイト『…俺、車輪の魔法具なら、強化できる…かも』
ミリア『みんな、めっちゃ商会っぽくなってきた!ユウト、最高!』
その時、市場にざわめき。革鎧の男たちがドカドカと入ってくる。リーダーは30代後半、鋭い目つきの男。手に金の杖を持ち、商人ギルドの紋章が光る。
男『おい、アルテア商会ってここか?俺はバルト、商人ギルドの幹部だ』
ユウトの紋章が光る。バルトを見つめると、情報が流れ込む。
*名前:バルト。長所:策略家、情報収集力高い。短所:独善的、他人を見下す。*
ユウト『バルトさん、か。何の用?』
バルト『フン、小僧が商会ごっこか。市場を荒らすなよ。この地域の交易は、俺たちのギルドが仕切る』
タケル『んだよ、テメエ!偉そうに!』
サキ『…ったく、また面倒なのが来た』
バルトがニヤリと笑う。
バルト『警告だ。明日までに市場から撤退しろ。さもないと、交易ルートを全部封鎖する』
ミリア『え、封鎖!?それじゃ、うちの穀物売れなくなっちゃう!』
リナ『…本で読んだけど、ギルドがルートを握ると、価格操作もできる…まずいよ』
ユウトはバルトの「策略家」を思い出す。
ユウト『封鎖か。いいぜ、バルト。逆に、俺たちと取引しない?アルテア商会、穀物の質は保証するぜ』
バルト『ハッ、ガキが生意気だ。3日後、市場で公開交渉だ。負けたら撤退な』
ユウト『乗った。やってやるよ』
テントに戻り、ユウトたちは作戦会議。サキが帳簿を叩く。
サキ『ギルドの資金力、俺らの10倍だぞ。交渉で勝つなんて無理ゲーだろ』
ゴードン『フン、なら道具で差をつけろ。カイト、荷車の魔法具、急いで強化しろ』
カイト『…う、うん、頑張ってみる…!』
リナ『…ギルドの弱点、調べた。本によると、彼らの穀物は品質がバラバラ。そこを突けるかも』
タケル『よし、俺が東の集落で情報集めて、ギルドの裏をかくぜ!』
ユウトは紋章を使い、仲間たちの長所を確認。頭痛がズキリとくるが、ニヤリと笑う。
ユウト『みんな、頼もしいな。バルトの策略、ぶっ潰そうぜ』
3日後、市場に住民と商人が集まる。バルトが金の杖を振り、演説。
バルト『アルテア商会は素人の集まり!交易は俺たちギルドに任せな!』
ユウトが前に出る。カイトが強化した魔法荷車を披露。車輪が光り、荷物を倍速で運ぶ。
ユウト『俺たちの穀物は、魔法水車で安定生産。品質はバッチリだ。試しに比べてみろ!』
リナが穀物のサンプルを配り、住民が「アルテアの方が美味い!」とざわつく。タケルが東の集落の情報を元に、バルトの価格操作を暴露。
タケル『おい、バルト!お前、隣の集落で穀物を高く買い叩いてるだろ!』
バルトが焦る。
バルト『…証拠はねえ!口だけか!』
サキが帳簿を突きつける。
サキ『ハァ、証拠ならここにあるよ。ギルドの仕入れ値、全部バレバレだ』
住民がブーイング。バルトは顔を真っ赤にして退散。
バルト『…チッ、覚えてろよ!』
---
夜、湖畔で6人が火を囲む。ミリアが魔法の鳥の串焼きを振る舞う。
ミリア『はい、みんな、食べて!今日の勝利、祝おう!』
タケル『へっ、バルトの顔、最高だったぜ!ざまあみろ!』
サキ『…ったく、ゴリラが騒ぐなよ。まあ、勝ったのは気分いいけど』
リナ『…私の知識、役に立ったんだ…びっくり』
カイト『…荷車、間に合ってよかった…』
ゴードン『フン、素人集団の割に、悪くねえな』
ユウトは串焼きを頬張り、市場の灯りを見る。
ユウト『ギルドを追い払ったし、アルテア商会、もっとデカくできるぜ。次は何やろうな?』
タケル『市場を地域一だ!俺がバンバン客引っ張ってくる!』
遠くで、エリスの声が響く。
エリス『ふふ、ユウト、いい勝負だったね。この市場、もっと大きくしなさい。アルテアの未来、君たちにかかってるよ』
ユウトは星空を見上げ、ニヤッと笑った。
ユウト『地域一の市場か…よし、アルテア商会、突っ走るぜ!』