038
三人が碑の光の中に消えていったその瞬間、世界が一変した。
眩い輝きが収まると、彼らは見たことのない広大な空間に立っていた。その地面はガラスのように透き通っており、下には無限の星空が広がっている。周囲には巨大な歯車がゆっくりと回転し、まるで時間そのものが具現化したような不思議な光景が広がっていた。
「ここは……どこなんだ?」
和真が呟いた。
「これが、新たな未来の入り口なの?」
玲奈が目を見開きながら辺りを見回す。
「間違いない。あの鍵と碑が示していた“未来への道”に違いない」
蓮が前を見据え、確信を込めて言った。
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彼らの目の前には、光に満ちた扉が現れていた。
その扉は大きく、表面にはこれまで集めた時間の鍵の模様が刻まれていた。鍵はすでに扉の中央に収まり、淡い光を放っていた。
「これを開ければ、私たちが探していた未来にたどり着けるのね」
玲奈が静かに言った。
「ここまで来たんだ。あと一歩だ」
和真が懐中時計を握りしめながら頷いた。
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三人は扉の前に立ち、同時に手を伸ばした。
扉に触れた瞬間、それが静かに開き始めた。内部からは柔らかい光があふれ、温かさと安堵感が彼らを包み込んだ。
「……入ろう」
蓮が小さく呟き、三人は扉をくぐった。
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扉の向こうに広がっていたのは、これまでの氷と冷気に覆われた世界とはまったく異なる、穏やかで美しい風景だった。
広大な草原がどこまでも広がり、青い空には柔らかな雲が浮かんでいる。風は心地よく、緑の香りが鼻をくすぐった。遠くには村のような建物が見え、人々の笑い声が微かに聞こえてきた。
「これが……未来の世界」
和真が息を呑む。
「すごい……こんな場所が本当に存在していたなんて」
玲奈が感動の声を漏らす。
「でも、これで終わりじゃないな」
蓮が力強く言った。
「そうね。この世界で私たちができることを見つけていかなきゃ」
玲奈が頷き、和真もその言葉に同意した。
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三人は新たな世界での冒険を心に決め、それぞれが歩き出した。
長い試練の旅を終えた彼らには、無限の可能性が広がっている。この世界で彼らがどんな未来を築いていくのか、誰もがその行く末を見守っているかのようだった。
物語は新たな舞台へと進み、そして彼らの旅はまた続いていく。
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凍れる時の祭壇を越え、三人が手に入れたものは、単なる鍵ではなかった。それは未来への希望、そして新たな物語の始まりだった。
(第1章完)
恋愛系の物語にしたかったはずなんだけど、どうしてこうなった
2章目書いてみたんですが、微妙だったのでいったんここまでで終わりとなります。
最後まで読んでいただきありがとうございます!




