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1ー異世界転生に憧れて

『1ー異世界転生に憧れて』

挿絵(By みてみん)




もし、貴方が異世界転生するならば?


世界を救う勇者?魔法を操る魔術師?モテモテのハーレム王?


もし、貴方が異世界転生するならば?


男?女?赤ん坊?冴えないおじさん?はたまた悪役令嬢?


もし、貴方が異世界転生するならば?


神なる存在によって?勇者召喚によって?ゲームの世界に引き込まれる形によって?


もし、貴方が異世界転生するならば?


無能力者?チート無双?ユニークスキル?平凡な能力者?


もし、貴方が異世界転生するならば?


転生した世界を謳歌して過ごしますか?転生した世界を無駄にして過ごしますか?



全ての回答を無事に確認しました


これより、異世界転生シークエンスを開始します


良い異世界転生を



ーーーーーーーーーーーー



この世に、異世界転生を願う人は5万と居る


けれど、異世界転生をしたら何がしたいか?という質問をされればどうだろうか?


漠然とした解答が出てくる人は大勢いても、具体的かつ精密な解答を出せる人は極僅かではなかろうか


異世界転生に憧れは持つものの、所詮はフィクションの絵空事と半ば諦め、異世界転生したらどうするかを真剣に考えるなんてことは、頭のおかしい奴のやることだと決めつけてはいないだろうか


まぁ、それが普通だし当然の結論だ


誰も本気で叶えようとしない異世界転生を、本気で渇望しているのが、俺【ユーキ】だ


歳は30で、アニメやゲームが大好きなどこにでもいるキモオタくん


もちろん彼女はいない(2次元の嫁ならいる←)


そんな平凡以下な俺の唯一の特技は

【脳内異世界転生シミュレーション】である


え?なんだそれはって?


脳内でありとあらゆる異世界転生のシチュエーションを想定し、それをありとあらゆる形でシュミレーションする


至って普通のキモ趣味だ


寝ても醒めてもシミュレーション、仕事の最中にもシミュレーション、アニメを見ながらゲームをしながらも、常に異世界転生シミュレーションを行っている


これを異常だと捉える人も居るだろう、それはどうぞご自由に


ただ、もし実際に異世界転生に遭遇した場合、このシュミレーションの差は大きなものとなると確信している


ーーーーーーーーーーー


そして、まさに今その時が訪れていた


俺がいるのは見覚えのない部屋、木造であろうか、木の匂いを感じる部屋


もちろん俺の部屋とは違う


何故かここの至るまでの記憶はないが、何問か質問を答えた記憶はあるから、異世界転生で間違いないだろう


もしかすると、誘拐や拉致の類も考えられるが、それにしては無傷すぎる


なにより、これは異世界転生であれと思う気持ちが、そう解釈を促しているのかもしれない。


どっちにしても、まずは状況確認だ。


まず俺の服装だが、ベージュのシャツに薄い生地のカーキ色短パンに、腰には刀を携えている


小学生男子の様な格好にも見えるが、腰に携えている刀によって異常者感がすごい


もっと似つかわしい格好にしてほしいものである



部屋にある鏡で顔を確認


うん、中々の男前だ

茶髪のショートカットに、整ったパーツ達が素晴らしい比率で配置されている


この顔面ならハーレム王も夢じゃないんじゃなかろうか



性別は男で間違いない、股間のリトルユーキをしっかり感じた



身長は転生前と同じくらいで、刀以外に持ち物は特になし


ゲームの世界のようなウインドの存在は確認出来なかったので、魔法やスキルを使うならば、念じるか詠唱かをしなければならないのだろう



次に部屋の中


木のベットと、その上に申し訳程度の寝具類が置かれていた


ベッドの斜向かいには、木製の机に椅子、こじんまりとした収納棚があり、

収納棚の上にはロウソクの火が心許なく灯っている。


なんともまぁミニマリストな部屋だこと。

お世辞にも豪華とは言えない部屋だが、個人的にはサバイバル感があって好きだ


特にこれといった注目アイテムはなさそうだと思いきや、机の上に聖書並みに分厚い本が置かれていた。


パラッと捲ってみた表紙裏には

「転生おめでとう!」

と書かれていた


俺の事を転生してくれた者の存在をほのめかす系転生なんだと理解した。


神様か何かなのだろうか

なんにせよありがとうございます←


ただ、どうせなら会話するイベントなんかも体験してみたかったな




ひとまず、この神からの贈り物と思しき本を読んでみることにする。



本の中身はいわゆる取扱説明書


この世界のこと、俺のこの世界での個人情報やスキルについてなどが書かれていた。


この世界は3つの島国によって統治されており、俺が転生した場所は【ルギド王国】という国だそうだ




また、この世界に魔法やオカルトチックなパワーはなく、SFのような科学が大発展しているのでもないし


エルフやドワーフなどの人間以外の種族もいないようだ



ここまで聞くとつまらなそうな世界にも感じるが、転生前の世界と違いこの世界には魔物が存在し、それを狩るハンターという職業があるらしい


ハンターは魔物専門の狩人で、4人でパーティーを組んで魔物を討伐するのがセオリーとのこと


また、実績に応じたランク制度があり、

0〜11までの数字とJ.Q.Kのアルファベットによるランク付けをするそうだ


ランク制度と討伐する対象が少し違う、モン●ターハンターの世界観というのが分かりやすいかもしれない




そして、俺自身の情報というと

この部屋、もとい二階建ての家は俺の家であり、戸籍等の手続きも既に終わっていて、

この世界で俺の存在は異質な者にはなっていないとのこと


挿絵(By みてみん)


これは非常にありがたい配慮


続いて戦闘力やスキルに関して

正直ここが1番気になるところだ



結論、とんでもなかった



俺には秘剣と呼ばれる7種類からなる特殊な剣術スキルと、スーパーマン的な体術スキルが備わっている


というのだ


え、ちょっとすごくない?

秘剣って何?


絶対この腰の刀でなんかするやつじゃん

何より、秘剣ってなんかカッコイイ


スーパーマン的な体術?

空とか飛べるの??


色々自身の能力に気になる部分あるが、兎にも角にもまずは情報収集だ


早くスキルを使ってみたいという欲望を抑えて、実際にこの世界に触れ、リアルな情報収集と共に、この世界での生活の基盤を作ることと、魔物を狩る為の準備をすることにしよう。


秘剣やスーパーパワーを使うのはそれからだ



こうして、俺の異世界転生ライフが幕を開けたのだった

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