表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

第4回GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞!!

【コント】美容院

作者: 佐藤そら

客=ボケ

美容師=ツッコミ


美容院に入って来る客。


美容師「いらっしゃいませ。ご予約はされていますか?」


客「いえ。ここ予約してないと切ってもらえない感じですか? 見たところ客も全然いないし、流行ってなさそうですけど、予約がいるんですか?」


美容師「あ、いや、本日はすいてるので……。このまま髪を切らせて頂きますよ」


客「そうですよね。なら、なんで聞いたんですかね。今の無駄な会話でしたね」


美容師「そうですね(苦笑)」


客「予約って、流行ってる店がすることですもんね(笑顔)」


美容師「(イライラを堪え)こちらの席にどうぞ」


席に座る客。


美容師「お客様、こちらのお店は初めてのご利用ですね?」


客「そうでしょうね。初めてじゃなければ、流行ってなくても予約が必要な店だって知ってるはずですもんね」


美容師「(怒りを堪え)お客様、今日お休みですか?」


客「そりゃそうですよね。休みじゃなかったら、今ここに来てないですよね?」


美容師「まぁ、そうですかね(苦笑)」


客「それともなんですか? 仕事途中に抜け出して、髪切りに来てる奴だと思ってるんですか?」


美容師「いや、そういう意味では……」


客「僕、仕事サボって髪切りに行き顔してますか?」


美容師「それどんな顔ですか!」


客「あれ? あいつ営業で外回りしてきますって出て行って、帰って来たら髪型変わってんなって。僕そっち側の顔してますか?」


美容師「ちょっと、よく分からないですね」


客「美容師さん、外回りしませんもんね。分かるわけないですよね。聞いた僕が間違ってました」


美容師「はぁ……。えっと、不快に思わせたのであれば、申し訳ございません」


客「そうですね。ちゃんと反省はした方がいいですよ。謝れるって大切なことです。休みじゃなかったら今ここに来てないですし。その態度がこの店の流行ってないところに繋がってるのかもしれませんよ。気付けて良かったですね」


美容師「(気持ちを切り替え)えっと、本日はどのような髪型にされますか? ヘアカタログお持ちしましょうか?」


客「これで!」


客は写真を美容師に見せる。


美容師「えっと、これは……」


客「僕です」


美容師「ですよね?」


客「はい、これで」


美容師「それはどういう?」


客「なんですか? この店は、客が提示した髪型にはしたくないってことですか? お任せオンリーなんですか?」


美容師「いや、そうではなくてですね……」


客「ヘアカタログに載ってる髪型にしかカットする技術がないってことですか? なら、店の表にそう書いておいてもらえます? 僕知らなかったので。今日この店、初めてなので!」


美容師「いやいや、そうではなくて『これで』というのは?」


客「分からないですか? この写真の僕と同じ髪型にして下さい。これが伸びてきて、今の状態になってるので。美容師なのに理解ができない感じですか?」


美容師「すみません。ちょっと、ご自身の写真を見せてくる方がこれまでいなかったもので……」


客「そうですか。なら一つ勉強になりましたね」


美容師「は、はい……。では、切っていきますね」


髪を切り始める美容師。


美容師「お客様、普段なんの仕事をされてるんですか?」


客「そういうプライベートな質問、今日初めて会った人に聞くんですか?」


美容師「え……」


客「来るの初めてって話、散々しましたよね? 初めてじゃなければ、流行ってなくても予約が必要な店だって知ってるはずですから」


美容師「まだそれを……。いや、こういうのは、コミュニケーションというか」


客「あ、なら大丈夫です。僕、別にコミュニケーション求めてないです。髪さえ切ってもらえればそれでいいので。お金もちゃんと払いますから、文句ないですよね? それとも、このトークが値段に含まれてる感じですか?」


美容師「そういうことではないです」


客「値段に含まれてないということは、サービスってことですかね? なら、そのサービス外してもらっていいですか?」


美容師「はぁ……」


客「無駄口利いてる暇があったら、手を動かした方がいいと思いますよ。その方が早く切れると思いますし。あ、次に待ってるお客さんがいないから、別に急いでないってことですかね?」


美容師「あ、いや……」


客「僕は早く切ってほしいと思っています!」


美容師「そうですか」


無言で髪を切る美容師。


美容師「はい、できました。(鏡を当てて)後ろはこんな感じになっています」


客「ちゃんと切る技術はあるみたいですね。ありがとうございます」


美容師「(レジに移動し)お会計3000円です」


支払う客。


美容師「ちょうど頂きます。ありがとうございました(笑顔で頭を下げる)」


出て行く客。


美容師「(怒りを爆発させ)あーー! このクソ客がぁ! 地肌まで切ってやろうか、何様なんだ! 二度と来るなーー!」


再び客が登場。


客「お客様ですよ」


美容師「!」


客「客には謝罪しかできない店側の立場。日本の良くないところですよね(笑顔)」


美容師「てめぇが言うな!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 客と美容師のぶつかり合い! 美容師側はもてなす側なので不利ですね~。 ( >Д<;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ