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悪魔の契約  作者: リム
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暗い道を進む。

変わり映えがあまりしない道だとやはり暇で考え事が捗る。

なぜ自分はこのような姿になったのだろうか?

そしてこの姿は契約した悪魔のものだろうか?

などなどいろいろと考えたりはしたが、

今はそれらではなく性懲りも無くどうやったら長く空を飛べるのだろうか?

ということを考えていた。



やはりしっかりと飛びたかった!!


飛んでみたかった。


だって空飛べるんだよ?

やっぱ空飛んでみたいやん!!




だがどうするべきか。


魔法使いの中には空が飛べるものもいたはず。

もしそのレベルの魔法が使えれば容易に空が飛べる。

元々の俺は魔法は使えるが中の下というレベルであまり高くなく、悪魔を召喚するため魔術なども齧っていたが、それでもたかが知れていた。

だがこの体ならどうなのだろう?

この未知の体ならもしかすると飛べるかもしれない。


(悪魔について知られてないことが多いからなぁ)


悪魔が使う魔法は主に黒魔法、召喚魔法、一部の悪魔のみだが魅了などが一般的とされている。

魔力が高く契約者によっては魔法を人間と比べ圧倒的に長い時間使える。

これらが悪魔の強さの一般常識だ。

だが悪魔は召喚されないと地上へと出ることができない...らしい。



(うん?俺も悪魔なら召喚されたりするのか?)


ふと思い浮かぶ。

それは核心的な考えだった。

悪魔なら召喚されるそれは、ごく一般なことだが今まで思い至らなかった。

召喚さえされれば地上に出れる。

地上に出たところで何かができるというわけではないが、それでも気は安らぐだろう。


(地上だと何年経ってるんだろうな?)


このよくわからない長い空間の中でどのぐらいの時間が流れているのか。

それは気になるところだった。


(そうかんがえると時間を無駄にするわけにはいかないか。)


翼を動かす。

まだ若干痛いがそんなことは気にしない。


「身体強化」


翼を魔力で包む。


すると足が地から離れ体が浮かび上がる。

バランスを取るのが難しく前へ倒れそうになるのを抑えながら進む。


「すげー!!はやい!!」


歩くスピードとは段違いのスピードで進む。

先程はあまり感じられなかった空を飛ぶことへの感動を感じながら進んでいく。

進む間魔力は持続的に消耗する。



(すごい魔力の底が知れない。)


だが悪魔の体は別格だった。

元の体との魔力の差を感じ若干ショックだが。


契約外だとここまで悪魔の魔力はすごいのか!!

といった驚きを感じ、そして慄く。

魔力が高い上に魔力の扱いが圧倒的に悪魔はうまい。

その理由は契約により制限がかかっていることを前提でいかなる状況でも巧みに魔力を使うことを心がけているからだ。

そのような悪魔たちが契約もなく地上に出れたらそう考えるとゾッとする。


今更いろいろ考えても仕方ないか。

そう吹っ切れ空を飛んでいると景色が変わる。

見慣れた狭い道ではなく最初にいたのと同じような少し広い部屋だった。


部屋に到達する前に飛ぶのをやめゆっくりと歩いていく。

極力魔力を流さないようにこっそりとこっそりとだ。


「しつれいしまーす。」


小さい声で一応挨拶をし部屋に入る。

部屋に入るとこの空間では場違いな白い色をした魔法陣があった。 


「魔法陣?」  


どうしよ?

ここで2つの考えが思い浮かぶ。

1.素通り

2.腹を括る 


1.は見たところまだ道が続いているので素通りするのもありかも知れないといった考え。

2.はもう一回死んだようなものだし腹を括ろう。

という考えだ。


有力なのは2だよな。

こっからまた飛んでいくのは精神的に疲れるしな。


しかし冷静に考えてみると1も捨てがたい。

よくよく考えたら戻れなかったら大変じゃね?

という至ってシンプルな考えだが大事な考えが思い浮かぶ。


よし1で行こう。

せっかくの命だしね!!!


魔法陣を超え素通りをーーあっっ....!!


魔法陣が急に光出す。

部屋中が痛いぐらいの光に包まれ目があぁァとなる。






ひどい



せっかく命大事にでいこってめっちゃ保身に走ったのに.....



などと考えていると世界が切り替わる。


どうやら一瞬で移動したようだ。

移動したことを知覚することはできたが、正直何が変わったのかわからない。

同じような暗い所へ飛んだようだった。 


「うぷっきもち...わるっ」


召喚酔いをしてしまう。

質の良い魔法陣だったため、滅多に酔うことはないはずなのだが、悪魔になりなまじ知覚できたせいで酔ってしまったようだ。

読んでいただきありがとうございます。

次も読んでくれると嬉しいです。

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