8話 アン&オアシス 街巡り #1
宿を飛び出し私たち二人は街へ出た。
タタタッと軽い足取りでオアシスの手を握り駆け出した訳だが私は思わず足を止めた。
やんややんや。明るい声が響く街。
これまでの街はこれ程大きくはなく賑やかではなかったがこの街は露店を準備し始めまるで祭りのような賑やかさだった。
私たちが立ち止まってぼやりと立ち止まっていると私たちの隣に誰かが来る気配がした。まだそれなりに若い男性のようで麻出できたポンチョを羽織りその中からキセルを取り出して火をつけた。宿の前で立ち止まるのが迷惑かなと思い私は少し端へよると。
「…ん。あぁ気を使わせてしまって済まないね旅人さん」
ふぅと煙管の煙を吸い吐いてから私達と目線も合わせずそう言う。口ぶりから私は私達二人をどうにも知っているようだ。なんで知っているんだろう。
「……あ、いえ、立ち止まってしまってこちらもすみません。」
オアシスより私が先に口を開いた。
「いやいや、どの旅人も行商人も初めてこの街によると誰も君たちみたいな顔をするからね。」
「…そうなんですね。」
「…そう。この街は夕方から次の日になる頃までが1番活発になる特殊な街で…」
青年は優しく私達に色々教えて語ってくれるが口ぶりがそれよりもなんで私たちのことを知っているのかがやはり気になる。そして怪しすぎる。
私がこの人怪しい人だと認識しほんの少しずつ距離を取っているとそれに気がついたオアシスが私の一番聞きたかったことを聞いてくれた。
「あの…お話中すみません。なぜ僕たちのことを知っているんでしょうか…?今日ここに来た身で街の方々にも挨拶していないのですが…」
オアシスが青年に聞くと青年は煙管を吸う手を止めず目線も合わさず煙を吸いワンテンポ遅れてから会話を交わす
「あぁ失礼。どうにも重要なことを言い忘れるくせが抜けなくてね。ボクはまぁこの街唯一の宿の夫と言えばわかるかな…?砂漠で倒れていた客人達。」
「…あ!私たちが倒れていたの助けてくれたのあなたでしょ?」
「御明答。リラが色々喋ったりでもしていたのかい」
「まぁそういうところだよ」
「それじゃひきとめて悪かったね。若い旅人さん達。街めぐり楽しんできなよ」
煙管を吸っていた青年は煙管の煙を消し服の下に煙管をしまい込みくるりと後ろを向いて宿の中に入っていってしまった。私たちは結局なんだったのだろうと2人顔を合わせてから私は街へもう一度飛び出そうとするがオアシスが私を引き止めた。
「お、オアシスどうしたの?」
「いや…ね、ほら今の子供みたいな格好だと買い物や街巡りもしにくいかなぁなんて思ってさ」
と言いつつ自分の杖をふわりと優しく振る。するときらきらと魔力の粒子のようなものが当たりを漂いあっという間にオアシスは子どもの姿から私と同じくらいの若々しい青年の姿へと変化した。魔法の力ってすごい。
「小さい姿の方が小回りも利くし楽だったんだけどこーいう時は困るんだよねぇ…あ、魔法とか使っているとこあんま見られたくなかったから引き止めちゃったけどそれじゃ行こっか。」
私が少し固まっていると先程とは反対にオアシスが私の手を引いて街へと繰り出した。
街巡りしてねぇぇじゃんって方。
誠に申し訳ないです。
今週中に次話投稿しますので次こそは街巡りします