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水の神殿

ドラコに乗せられて俺とジェーンはホノルルと沖縄の中間点付近を目指して飛んでいる。


出発にあたって加藤さんが国境や排他的経済水域の問題もあるので正確な場所については情報機密となりますのでご注意して下さいと言われた。今回はGPSもON/OFFが可能なタイプにしてもらった。飛んだ後はもちろんOFFにしっぱなしである。


沖縄の海底遺跡といえば与那国島海底地形と呼ばれるものが有名であるが、今回は全く違う。ドラコによれば与那国島海底地形は門の役割をしたものであり、神殿とは違うとのことだった。


「ねぇドラコちゃん。今回行く沖縄の神殿は何の精霊を司っているの」

「うむ、今回は水の精霊じゃ蛇みたいなもんじゃと思っていれば良い」


水の精霊は本などでは人の形をしたウィンディーネなどが有名である。蛇と言われても全く想像ができない俺だった。蛇だったらサラマンダーだろうと突っ込みたい気持ちを抑えて黙って聞いていたのだ。そんなことより、この背中にあたる二つのメロンの感触は忘れないように絶対に脳内記憶保存しなければいけない。


ドラコが息をしばらく止めているように叫んだ

「潜るじょ、しばらく息を止めておるが良い」

叫び終わった瞬間にドボーンという音とともに俺たちは海の中を進んでいった。どうやら風の魔法の様なものでドラコに守られているので息はできるようだ。ただし突入時の波しぶきを結構受けてしまい服は水浸しになってしまった。


夏場ということもありジェーンの服装は薄着であったので濡れたその佇まいは目のやり場に困った。そんな卑猥な考えに負けないように『負けちゃだめだ』『負けちゃだめだ』と繰り返し海の中を見ていた


ドラゴンがどこをどう進んだのかは全くわからないが、大きい祠という感じの場所に着いた。普通の祠は神物等を納める為に出来ているので、小さめのものが多い。それに比べると作りは祠だが道場の様な大きさだった。

「着いたぞ。空気なんぞ大丈夫だっただろう」

こんな風ににドラコは喋っていたが、快適と言うのは難しかった。


しばらくするとずるずると大きな音を立ててウミヘビのような物体が現れた。

「水の精霊か」

思わずシュッと立ち上がり身構える。

「違うわバカモン。それは水の守護者じゃ」


何でドラコと喋ってるとコントの様になってしまうんだろう。真面目にしてるんだけどな俺…

そんな俺を片目にジェーンはクスクスと笑っていた


「守護者と話をつけてくるのでちょっと待っておるのじゃ」

「%&$#$%&%$」


分からない言語でドラゴンと話す守護者。その様子をビデオで撮影しているジェーン。俺はただ佇んでいただけだった。誰も相手してくれない時って周りを見て誤魔化すしかないよな、警戒する振りをしながら周りを見渡している。


守護者はおおきな鰻やウツボにもみえるがドラコと話をしている時点で警戒しないといけない。ウミヘビには毒があるタイプもいるそうだ。


「おーい大丈夫じゃ。もうこっちに来い」

ドラコは俺たちを手招きして洞窟のような入り口へと入って行った。

中は特段に難しい作りをしてなく、神殿のような大きな柱がありひとつの囲まれた部屋があるだけだった。


ソローリソローリと進む俺

「ここにいるのか?」

俺はドラコに聞いてみた。

「まだ、いねーって、これからトオルが呼び寄せるのじゃ」

「どうやって」

「知らん」


最近のドラコの無茶苦茶な要求にちょっと苛立ちながら無策だったのかと肩を落としてしまった。しょうがないとドラコに行ったように持ってきたものを食べれるように料理してみた。 少し鞄は湿っていたが、持ってきた食料は真空パックにされていたので大丈夫だった。火を起こし肉を焼きただひたすらに待つ。英雄とはとても呼べない姿だった。


調理を始めて2時間くらいすると光の塊のようなものが見えるようになってきた。きっとこれが精霊なのだろう。俺の側から一生懸命声をかけていると次第に笑い声が聞こえるようになってきた。そこでドラコが助け船を出してくれた。


「どうじゃ、こいつと来るといい飯が食べれるぞ」

「精霊は了承を受け入れたようで俺の体内に入ってきた」

「トオルは、ちゃんと受け止めてやるのだぞ」

ドラコにそう言われた俺は抵抗をせずに入ってきた精霊を受け入れた

その瞬間に俺の中にある覇王のオーラと言うか動物と仲良くなる時に出るオーラと言うか、それが様変わりしているようなそんな感じを受けた。これは具体的にはなかなか表現しにくい。よくわからないとジェーンには説明していた 。


一部始終をカメラは捉えていたが何か重大なものが写っているのかもしれない。一度種子島に戻って解析する必要がある。そう思いながら俺たちは帰路に着いたのであった。


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