表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/60

船旅と帰る場所

ドラゴン受け入れ拒否の話を聞いて俺は衛星電話を使ってすぐに義母に連絡を取った 。

「お義母さん。青森県が受け入れを拒否したと連絡来たんですが本当ですか」

「トオルちゃん、残念だけどそうなのよ。最初は住民の安全から反対する人も多かったんだけど、だんだん受け入れてもいいと言う雰囲気だったのよ。でもねー、新しく反対する人が出てきて、その人たちが言うには爬虫類であるドラゴンは寒さに弱いのじゃないかって? だから安全は別にしてドラゴンの生死に責任が取れないってことになったのよ」


言われてみるともっともな話だった。 確かに恐竜や爬虫類は気温の温度差に弱い。その辺を確かめる必要があった。


「ありがとうございますお義母さんちょっと国の偉い人と話し合ってみます」

そう言って電話をきると衛星電話ですぐに柳沢さんに相談した。


柳沢さんの話によるとアメリカと中国も受け入れ先として立候補しているそうだ。アメリカはイエローストーン公園が第一候補として挙げられている。中国は西部の新疆ウイグル自治区が候補として立候補していた。 オーストラリアは地元住民の反対が強く候補地としての名乗りはなかった。日本は代替地域として九州近郊の諸島の一部を検討しているとのことだった。


当然世界に1種類しか確認されていない希少生物であり、またその特殊性から各国がこぞって代替候補地として名乗りを上げているが、俺の国籍が日本なので契約上の所有物となるドラゴンは当然日本国籍となる。そのため種子島への移住を計画していると柳沢さんが教えてくれた。ある程度温暖で住みやすく、且つ沖縄軍基地が近く緊急の際に対応しやすいこと。そして、種子島宇宙センターがあるので、危機管理がしやすいとの話だった。


アメリカ軍が用意してくれた空母ニミッツは近々解体される予定の古い船だった。いかにアメリカといえども高額な最新鋭の空母は使えないようだ。民間のタンカーも打診をかけたそうだが、使用にあたり拒否されたようだ。


空母での船旅は数日間に及ぶので、その間の暇な時にドラゴンの食事を作ったりネットで SNS をしたり時間を有意義に使っていた 。そこで俺はCNNの映像をみて驚愕したのである。調べてみると一躍時の人になっているジェーンとアシスタント扱いの俺。そしてドラゴンの映像が勝手に使われていた。


「ジェーン勝手に俺の映像使うなよ。肖像権どうなってんだよ。訴えるぞ!」

怒りのあまりジェーンにガツッとぶち撒けてしまった。

「勝手にって映像くれたのトオルじゃないの」

「撮ったのを渡しただけで出演をOKした覚えはないぞ。それにどうしてアシスタントになってんだよ。」

「あら、誤訳よきっと。撮った映像をくれたんだから了承済みとみなすのは普通よ」


「ドラゴンの人権はどうなるんだよ」

流石に分が悪いと見たのかジェーンも妥協案をだしてきた


「ちゃんと局に出演料を支払ってもらうから許してよ1000万でいいわね?」

「まぁそのくらいなら、しょうがないかな」

その時の俺は円だと思っていたが後ほどドルだと明かされた時は死ぬほど驚いたと伝えておこう。しかも1回の出演料ときたものだから、アメリカはお金の単位が違うんだなーと染み染みと思った。


いつの間にやらジェーンも有名人になっていた。まぁドラゴン関連の独占映像とか俺のインタビューやらで、しょっちゅう自前の映像を撮っては母国へ流していた。ちょっとCNNが独占し過ぎで、どうにかしなければいけないと考えていた。最初は俺が映像を撮って動画サイトで稼ごうと思っていたのだが予定がだいぶ変わってしまった。


そんな戦艦ぐらしを日々続けていると衛星電話がなった。発信元は柳沢さんからだ。どうやら受け入れ先が決まったようだ当初の候補地である種子島で閣議決定したと柳沢さんから伝えられた。 種子島は鉄砲伝来の地で有名な場所で現在建物を建てているが出来るまでは仮設住宅への入居となると説明された 。ドラゴン用に大きいドーム施設を建築していると柳沢さんはウキウキと話してくれた。 ある程度の温度調節機能と屋根が開き飛べるような施設を今詰めていると言っていた。


『基地は男のロマン』ですよねーと聞かれたが興味のない俺はなんとも答えにくかった・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ