町
「さて……あれから数日経ったわけだけども、どこ行けばいいんだっけ?」
野宿用の薪を集めながらふと思ったので言ってみる
「んー……とりあえず明日には町に着くからー前のとこでは取れなかったものとかを採ったり、いらない素材売ったりかなー?」
「な、る、ほ、ど」
「何その刻み?」
ノリよく言ったら笑われたんだけど??
「何となく」
「そかそか、じゃぁさっさと今日の獲物狩ってくるから、それよろしくね」
軽く伸びをしながら傍に置いてあるハヅキが集めた薪を指した
「ん、りょーかいっ」
自分が返事をすると、もう獲物を見つけたのか森の奥に進んでた
「相変わらず行動早いなぁ」
とりあえず薪運ぼ………
……あいつ、どんだけ集めたの?やけに重いんだが
「……ふ〜っしょっと」
そんなちょっと古くさいかもしれない掛け声で薪を降ろし、疲れたので椅子に座って休憩〜まぁ椅子って言っても切り株だけどね
「どこまで行ったのあの子……おっそい」
「せっかく今日大物なのにあげないよ?」
ま、まさか、こ、このこえは?!
「えっヤダ食べる」
「反応速度」
そう言いながら爆笑してるけどよく押しつぶされないな
なんかでかい猪?背負ってるけどヤバない?この子?魔族だから?えっやば
「は〜笑った笑った」
「おいっ」
「ごめんて、とりあえず薪起こしといてその間に処理しとくからさ」
「……はぁーい」
本当はもっと怒りたいんだけどね、空腹には逆らえなかったよ……
「「いただきます!」」
かーらーのー?
「「ごちそうさまでした」したー」
え?ご飯?とりあえず美味しかった、うん
「よし寝るか」
寝る準備、寝る準備……
「……よしっと?ハヅキねないの?」
わいちょー眠いねむねむ
「寝てていいよ、火の番いるでしょ?」
「あー……そっか……んじゃよろしくお願いします」
「うん、おやすみ」
まぁ魔族だから夜型なんでしょう!(偏見)
ねよ……頭まわんね……
「おーきーろー……」
……あぁねむねむ
「ゆーうー」
……なん?ねむい
「ねむい、あと5時間」
「日が暮れるわ!!」
……痛い、頭叩く必要なくない?バカになっちゃうよ?
「痛い」
「起きないのが悪い」
「(๑˘・з・˘)ブ-」
「そんな顔してもダメ」
「ちぇっ」
「はいはい……はよ準備して」
寝たかったのに……でもまぁ町のベッドの方が寝やすいか
「はぁーい……」
えーっとあれ持ったこれ持った、武器ある、素材ある……よしおk
「準備できたー?」
「できた」
いつでもおけよ
「んじゃ行こっか」
「うん」
おー……町見えてきたなぁ
ハヅキのうちよりは近かったな、うん
ガヤガヤ……ザワザワ
……なんか騒がしくね?
「なぁハヅキー」
「うん騒がしいね」
わぁおなんか通じた
とりあえず近くの人に……
「あのすいません」
「あらぁまたなの?……あら?どうしました?」
「少しざわついていたので何事かと」
「あぁ、これよ、これ」
これ?
おばさんが道を開けてくれたのでそこからこの群集の中央を見ると、人が横たわってた
……しかも両手両足は曲がっちゃいけない方に曲がり、片足はちぎれてるのか離れたところにある、そして、その人腹から分裂してたしかもその、腹と腰の間の血の拡がってるところに、花が置いてあった
この花は……
「彼岸花?」
「だね」
「やっぱり?」
「うん、あとこれをやった犯人魔族だよ」
「……は?まじ?でも魔族って」
「そう、普通はこんなことしないしようものなら魔王がやったものを処刑するし、けれどやるってことは恐らく……」
「恐らく?」
「闇堕ちしたと言われる勇者の元に行った魔族達だろうね」
まじかぁ、ん?そういや
「あぁの」
「ん?まだあるのかい?」
「はい、さっきまたなのって言ってましたけど何回目なんですか?」
「そうねえ……1週間前から毎日1人こんなふうに死んでるわ」
おおっとまじですか
これは装備が全然ないのに魔族討伐だったりする?
―――――君達2人はどんな未来を選ぶのかな?