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不浄のアルバ  作者: 北郷 信羅
第6章 王都から未来を目指して
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88.魔女と偽英雄の思惑

「―――それでその石は、お前の目的のために使えるものだったのか?」


 リンドがそう問うた意図に、アリアが気付かないはずも無い。

 故に彼女は、ふっと笑みを漏らす。彼女が根っからの悪人だったなら「小賢(こざか)しい」とでも言い放っているところだ。


 アリアとリンドの目的は、異なっている。

 それを端的に説明するなら、(かつ)て二人が交わした誓いをそのまま繰り返すことになる。アリアの目的は「世界を手に入れること」であり、リンドの目的は「世界を終わらせること」だ。

 もう少し補足するなら、アリアは今の世界そのままを自らの支配下に置くことを望んでおり、リンドは今の世界を変革し解き放つことを望んでいた。


 それを踏まえて(くだん)のリンドの問いについて考えれば、「魔法石がアリアの目的を達成するために役立つか」と言うことが彼の主たる関心事で無いことは確かだ。

 彼が本当に聞きたいのは「石が彼女の目的のために使えるか」では無く、「その目的のために石がどう使えるか」だろう。

 アリアの魔法石の使い道を知れば、背反しているようで相関しているリンドの目的を達するための使い道も明確になると言うわけだ。


 一通りの思索を一瞬で終えたアリアは、リンドの問いに答える。


「使えるものだったわ」


 そこで切ると、案の(じょう)彼の顔からは明らかな不満が見て取れた。

 表情の変化が小さい彼だが、全く表情が無いと言うわけでも無いので感情を捉えることはアリアにとって難しくない。

 それに表情の出方は一様で無い。リンドの場合、快より不快の方がよく見える。


「どう使える?」


 と彼は、アリアが予想していた通りのことを明け透けに問うてきた。回り道する意味が無いと判断したのだろう。

 それでアリアは、準備していた言葉をただ口に出す。


「それを知って、どうするの?」

「知ってどうする……」


 とリンドは繰り返す。

 それから、ややずれた回答を寄越した。


「と言うか、知らなければどうするかは決まっている」

「あら、どうするの?」


 内心の期待感を表に出すこと無く、変わらぬ微笑みを(たた)えたままアリアは訊く。

 それにリンドは、こう答えた。


「石を二つ共壊す。魔法の根源になっている石だ。壊せば魔法やそれによって付与される退魔の力が使えなくなるかもしれない」

「随分と乱暴なやり方ね」


 くすっと思わず吹き出しながら、アリアは言う。

 しかしリンドは、いつも通りの生真面目な顔で続ける。


「だがお前の目的のために使える石を壊せば、お前の足止めにもなる」

「なるほど。そういう話なのね」


 要するに、脅しだ。

 使い道を教えなければとにかく石を破壊する、と彼はそう言っているわけだ。


「悪くない返しね。どこで教わったの?」

「つい最近使われた手口だ。従う益は明確で無いが、従わない害はある……ってな」

「ふうん……」


 魔法王都での経験を生かしたらしい。

 頑固なところもあるリンドだが、自分より良いと思ったことは素直に受け入れられる柔軟さも具有(ぐゆう)している。相手取るには少々厄介だ。


「―――二つの魔法石を壊せば、恐らく魔法は失われるわ。それに付随する退魔の力もね」


 アリアがリンドの欲していたであろうことについて口にすると、彼はじっとこちらを見て傾聴する姿勢になる。

 しかしそこへ、フレアが口を挟んだ。


「魔法に退魔の力が付随している……。だから、あんたはリンドに退魔の力を付与できたのね」

「そうよ」

「魔女さんも退魔の力を使えるようになったって聞きましたけど、ホントですか?」


 とニーナも声を上げた。

 その問いに頷きを返して、アリアは左の掌を彼女らに見せる。

 そこには、リンドが持つものと同じ黒龍の印がある。


「ホントにある……! ねえ、それあんたじゃなくてもできるものなの?」

「できるとは、思うわ」


 問うてくるフレアに、アリアは答えた。

 だが、もう一言付け加えることも忘れない。


「色々調整が必要だし、教える気も無いけれど」

「……」

「それより魔法石の話だ」


 不服そうなフレアを余所(よそ)に、リンドが話を戻した。


「魔法石を壊せば魔法は失われると言ったが……、『恐らく』とはどれくらいの確度なんだ?」

「そこが問題なのよ」


 とアリアは彼に言葉を返す。


「『ほぼ確実』と言えるならば、この石はこの島を()べられるだけの力を持つことになるけれど……。私一人の十年程度の調査では、そこまで断言できないわ。―――だから、もう一つの方の研究結果も知りたいの」

「お前が王都へ行く理由は、石の奪取だけでは無いわけか」


 リンドの言葉に、アリアはこくりと頷いた。


「ギルトおじ様があの石を手に入れたのは、彼が魔法王を討った約二十年前のはず。それからずっと父さんたちと研究を続けていたのだとすれば、何かしらの結果を得ていると思うわ。その情報と、私の調査結果とを照らし合わせれば―――」

「ちょっと待って!」


 とそこで再びフレアが声を上げた。


「『グレイ(とうさん)たちと研究を続けていた』? じゃあ、お父さんや叔父(おじ)さんがずっと駆り出されてた研究って魔法石の研究のことだったの!? 私そんなの聞いたこと―――」

「当然よ。私も知らなかったわ」


 とアリアはそう返す。


「二つの王国の根幹に関わる研究だもの。ギルトおじ様が徹底して情報を伏せていたはずよ。父さんたち以外のクリストンはもちろん、アルバートでも知っている人間はレイドおじ様くらいじゃないかしら」

「レイドですら知らなそうな気が―――」


 と口にしたリンドが、言葉を途中で切って「いや」と否定した。

 それにアリアも同意する。


「レイドおじ様は一人クリストンを殺している。純人王国にとって貴重な魔法人を殺した理由がはっきりしていないのは、はっきりさせられなかったからでしょうね」

「つまり叔父さんが殺されたのは、魔法石の秘密を漏らそうとしたから……!?」

「秘密を漏らそうとしたのか、或いは石自体をどうにかしようとしたのか……。具体的なことは分からないけれど、魔法石に関わる何かだったことは確かでしょうね」


 フレアが漏らした言葉に、アリアはそう返す。

 存外近い所で、「世界」の根幹を巡る物語は展開されていたのだ。


 愕然(がくぜん)としているフレアの隣で、ニーナがくあと欠伸(あくび)をした。

 彼女にとっては全く(ゆかり)の無い話なので、それも仕方あるまい。


「えーっと……。何かよく分からないですけど、」


 とニーナが口を開く。


「つまり魔女さんは、私たちと一緒に王サマから石と情報を奪いに行くってことですよね?」

「ええ。その通りよ」


 アリアは彼女に微笑みかける。

 聞いていないようで、彼女はしっかり自分が理解できる範囲で要点を捉えている。(さと)い少女だ。


 しかしそのアリアの答えに、リンドはやや(いぶか)しそうな視線を向けてきた。

 それを受けて、アリアは肩を竦めて見せる。


「石と情報を手に入れられなければ、私は目的を果たせないわ。だからそれを()すために、今は協力すべきだと言う認識がある。―――あなたも同じでしょう?」


 問うと、リンドはふうと息を吐き出した。肯定、の意味だろう。


 王都には、六名のアルバートがいる。リンドの弟アルトは次期国王として大事に守られているようなので戦力として数えるほどでは無いだろうが、他の五名は無視できない。

 国王ギルトとその兄レイド。そしてレイドの長男マルクと次男ゼノ、そして長女ラナ。この五人全員が退魔の力を有している以上、魔女と称されるアリアでも一人で突破できる壁では無い。


 特にギルト王は、アリアの父グレイとたった二人で魔法王を討った男だ。二十年経って体力は多少衰えたろうが、そもそも力業で戦うような人間では無いはずだ。そして彼の頭の中は、魔法王を討った十八歳当時より(むし)ろ冷静()つ冷酷に違いない。アリア一人で()じ伏せられるような相手では無い。そしてそれは、リンドも同様であるはずだ。


 (いが)み合っていては、どちらの願いも叶わない。今は、共に戦うべき場面なのだ。


「王都で協力して戦うことは、分かった」


 とリンドは言った。


「―――ただ、まずはそこまでの道を開く必要があるだろ」


 現在位置は、西の境界の町から程近い村。ここから王都を目指すとなると、鍛冶町と旧都とを経由していく経路が最短だ。

 しかしこの二つの主要な町にも、アルバートはいる。彼らがギルト王の指示を受けてアリアたちの前に立ちはだかることを、リンドは懸念しているのだろう。


 だが、その心配はアリアの中に無かった。


「それに関しては、問題無いわ」


 言うと、リンドは訝しげに首を捻る。

 そんな彼に、アリアは問題が無いと言うその根拠を話した。


「あなたたちが魔法王都で戦っている間に、私の方で手を打っておいたの。王都以外の主要な町にいるアルバートは、私たちに手出しできないはずよ。―――あぁ、境界の町はあなたたちの方が早かったわね」

「どんな手を打ったら、アルバートを止められるのよ……」


 フレアが驚きと呆れの交じった声で問うてくる。

 だがアリアはそれに対して、右の人差し指を口の前で立てて見せた。


「今は伏せておきたいの。王都でも役に立つだろうからね」

「何よ、私たちを信用できないって言うの?」

「私たちって言うか、フレアさんが信用できないんじゃないですか?」


 茶々を入れるニーナに対して、フレアは無言のまま彼女の頭を平手で打った。


「……まあ戦いを有利に進められるのなら、それでも良い」


 揉み合うニーナとフレアを尻目に、リンドはそう言う。


「道が開けているなら、あとは王都への攻め方を考えるだけだな」

「何か考えはあるの?」


 問うと、彼は(あご)に手をやり(しば)し考えるような間をとった。

 その後に、視線を前方へ向ける。


「ニーナ。フレア」

「はい。何ですか?」

「作戦があるのね。聞くわ」


 二人が傾聴する姿勢になったことを確認すると、リンドは静かにその口を開いた。


 *


 アリアは、静かにリンドの話を聞いていた。


 一方ニーナとフレアは、黙っていなかった。

 特にニーナはリンドの策が不満だったようで、話の途中で何度か抗議していた。


 だが、リンドは言を翻さなかった。それでニーナも諦めたようで最終的には了承し、やや申し訳無さそうなフレアの隣で彼の話の続きに耳を傾けていた。

 そのフレアの方も小さくなっているだけでは無く、リンドの策に対して提案をして実現性を高めることに貢献していた。


 そうして作戦が纏まった後に、リンドは話を締め(くく)る。


「―――最終的にギルト王が負けを認めて魔法石と情報を差し出してくれれば、俺たちの勝ちと言うことになる。ただ、あの国王がそうして折れることは恐らく無い。だから、」


 と言って、そこで彼の言葉は一度途切れる。

 だが、すぐに吐き出すようにして彼はその続きを口にした。


「だから俺が……、ギルト王を討つ」


 リンドの明言にニーナはただこくりと頷き、フレアは心痛の面持ちを見せた。

 そんな彼女らに目を向けながら、リンドはふうと息を吐き出す。


「俺の話は、これで全部だ」

「……分かりました」

「あんたが最善と思って示した作戦なら、私もそれを信じて実行するわ」


 二人の応答を聞いて、それからリンドはこちらにも視線を送ってきた。


「お前は、どう思う」

「良いと思うわ」


 とアリアはすぐ返す。それが余りに早かった所為(せい)か、リンドは「本当か?」と言う様にやや疑わしげな目を向けてきた。

 だが無論、アリアは反射的にそう返したわけで無い。


「本当にそう思っているわ。あなたが提案しなければ、私が同様の提案をしていたわ」

「……そうか」


 と言って、それでリンドも納得したらしくうんと一つ頷いた。


「そうしたら、王都へはこの計画に従って乗り込む。あとは現地に(おもむ)くだけだ。―――今日は、もう休もう」


 彼の言葉を受けて、ニーナがばたっと寝台に倒れる。フレアもぐっと大きく伸びをして緊張を解いていた。

 それらの様子を眺めながら、アリアも一先ず緊張を緩め―――。


「……アリア?」

「あーっ! 何してるんですか!」

「ちょっとアリア! 休むなら自分のベッドで休みなさいよ!」


 一斉に声を向けられ、アリアははっと我に返る。

 気付くと、リンドに上体を預けていた。


「あら……、ごめんなさい」


 いつも通り(にこ)やかにそう返して寝台から立ち上がると、アリアは「んっ」と胸を()らせた。

 その間もニーナとフレアからは、じとと視線を向けられている。


「―――少し、夜風に当たってくるわ」


 言って、アリアは部屋から退散した。


 宿の外へ出ると、日が没した暗がりの中を冷たい風がそよと吹いていた。

 (ほう)けた頭を覚ますには、丁度よい。


 そう思っていると、背後でまた宿の戸が開かれる音がした。

 振り返ると、そこにはリンドの姿がある。


「どうしたの? 不安?」


 問うと、彼は「ああ」と返してきた。


「お前が王都で全力を出せるのか、不安だな」

「あら、それはどういう意味かしら?」

「……お前があんな風になるのを見たのは、初めてだ」


 指摘され、しかしアリアは首を傾げて見せる。


「あんな風? あなたに甘えたことかしら?」

「茶化すな」


 リンドはぴしゃりと言って、こちらを睨む。


「王都以外の町のアルバートの動きを封じたと言ったな。一人でやるには、荷が重過ぎたんじゃないのか? それに俺たちが王都に戻るのに合わせて、魔法石の調査も急いだんじゃないのか?」

「……まあ、それなりに充実した期間ではあったわね」


 アリアはそう答えながら、目元をすっとなぞる。(くま)はできていないはずだ。


「なあに、心配してくれるの? 最終的にはあなたの敵になるのに」

「お前が本調子で無いと、俺が困るだけだ」


 と彼はそう返してくる。可愛くない弟分だ。―――嘘だ。とても愛おしい。


 アリアはふっと(あで)やかに笑むと、つかつかとリンドの眼前まで歩み寄る。

 そして鼻先が触れそうな距離で、秘密めかして(ささや)く。


「―――では、朝まで()やしてもらおうかしら」

「それは、……困る」


 ふいとリンドが顔を逸らしたのを見て、アリアはくすっと吹き出した。


「冗談よ」


 言って彼の肩をぽんと叩くと、アリアは彼の横を抜けて宿の方へと歩む。


「心配しなくても、王都に着くまではあなたたちの後ろでゆっくり休ませてもらうわ」

「……可愛くない」


 その背に恨みがましい視線と声とを受けながら、アリアは変わらぬ微笑を浮かべて宿に戻った。


 *


 東から太陽が昇り、大きな弧を描くように天をゆっくりと通過して、西の果てに沈む。

 長いようで短い夜が過ぎて、また日は同じように昇ってくる。

 雲が掛かり雨が降ることはあっても、その上で太陽は常に同じことを繰り返しているのだ。


 しかしそうして日が昇る(たび)に、地上は変わっていく。

 例えば帰路を辿(たど)るアリアたちなどは、毎日異なる場所から太陽を見上げていた。

 幸いにして、そのどの時も平穏であった。アリアが事前に打っておいた手が、十分に効果を発揮していたと言うことだ。


 そしてアリアがリンドたちと合流してから八度目の朝日を見上げた頃に、彼女らは純人王国の王都に帰り着いた。

 いつもと変わらない、薄曇りの昼下がりだ。やや減衰した日光が照らす街の西門は、静かだった。

 遠くから見る限り、門の傍には二人の番兵が立っているだけ。通常の警備態勢だ。


 その二人の番兵も、アリアたちの姿を認めると街の中へ引っ込んでしまった。

 閉ざされた門だけが、そこに見えていた。


「入れない戦いをするつもりは、無いようね」

「アリア相手に真っ向から()り合っても、(いたずら)に戦力減らすだけだと思ったんだろ」


 アリアの声に、リンドがそう返してきた。

 そしてさらに続ける。


「入れてくれるってことなら、喜んで誘いに応じよう」

「そうね」


 応えて、アリアはリンドと歩を合わせて門へ向かった。

 後に続く者はいない。彼女と彼の二人だけだ。

 ここからは、二人で攻め込むことになっていた。


 大きな木製の門に寄っても、攻撃されることは無い。

 アリアは閉ざされたその門を、こんこんと叩く。


「失礼します」


 言うと同時に、門の内からごおんと派手な音が鳴り響いた。

 無論、アリアの魔法によるものだ。それで門は、ぎいと開く。


 門の内側に通されていた(かんぬき)を外したのだ。

 金具に通された横木の場所さえ正確に押さえられれば、それを正確に弾き飛ばすことは造作無い。

 怪力を持つニーナや莫大(ばくだい)な魔力を持つフレアのような力(わざ)は難しいが、アリアにも彼女なりのやり方があるのだ。


 門を開いたアリアは、リンドと共に中へと踏み込む。そして、―――目を(しばたた)いた。


 そこにいたのは武器を構える兵団で無く、東門に向かって伸びる通りを行き交う平民たちだった。

 彼らは突如起きた爆発と共に開かれた門から入ってきたアリアたちに、驚きの目を向けていた。

 その彼らの向こう側には、普段通りの王都の人々の生活が広がっている。


「……どういうことだ」

「見たままの『策』でしょうね」


 呟くリンドにアリアが返すと、彼ははっと我に返った様子で辺りを見渡す。

 そこへ、ひゅっと矢が飛んできた。


 矢はアリアに向かって正確に飛んできたが、彼女が直前に生成した鉄の壁に弾かれる。

 その突然の攻撃に、街の人々は驚き動揺していた。


「おい、何だ!?」

「魔法人が攻めてきたんだ!」

「そんなの聞いてないわ! 兵団は何をしてるの!?」


 戸惑う大通りの人々の所へ、四方から鉄の鎧を纏った王国兵がばらばらに向かってくる。

 彼らは民に目もくれず、ただ剣や槍を掲げながらざっざとこちらに迫ってくる。

 結果、平民たちは混乱しあっちへこっちへ逃げ惑う。

 恐らく、ギルト王の狙い通りの展開だ。


「少し困ったわね。纏めて蹴散らしても良いけれど―――」

「良いわけ無い」


 リンドにちろっと睨まれて、アリアは肩を(すく)める。

 そこへ、今度はリンドに向かって矢が飛んでくる。勿論(もちろん)、アリアが壁を生成して防いだが。


「とにかく、一旦外へ―――」


 言い掛けたリンドが、動きを止める。

 門の脇からも兵が現れ、退路を塞いだのだ。


「……挟み撃ちか」

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