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転生者は召喚される  作者: 菜々瀬蒼羽
第一章:勇者召喚編
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プロローグ

お久しぶりです。

菜々瀬蒼羽です。

これから改訂版として三人称視点で再投稿を行います。


 人は特別な魂をもって生まれてくる。


 言語を持ち、感情を持つそれは、時に人々を神の領域に導き、時にその身を自らの過ちで滅ぼした。そんな進化と滅びを繰り返す人間。その魂は善人か悪人かに関わらず、決まってその世界を治める神のもとに集約された。


 集められた魂はその世界を管理する神の手によって、記憶を抜き取られ、白紙の状態に戻される。そして、白紙の状態に戻された魂は、神の手によってもう一度、現世の新しい器に宿るのだ。


 神々はこの魂の循環のことを輪廻転生と呼ぶ。


 神一柱が管理する世界は数十個に及び、毎日のように数億の魂が送られてきた。そのため神は、日夜輪廻転生の作業に追われている。空き時間ができても、遊び道具は天界に存在しない。神の部屋にあるのは浄化機関と世界を覗く窓のみ。


 昔はこの作業を誉として行っている神もいた。


 しかし、現代の神は思うのだ。「つまらない」と。


 そこである神がこんな提案をした。



「人の魂を使ってゲームをしないか」



 その言葉に普通は忌避を感じるべきなのだろう。しかし、「人の魂に祝福を与え、自分の管轄する世界をどれだけ豊かにできるか競う」という善行の数を競う内容に神々は不満を挙げることは無かった。それどころか、いつもは不幸な人生を送った魂に与えるだけだった祝福をすべての魂に喜々として与えるようになったのだ。


 さて、今まで輪廻転生の作業がギリギリであったのにそれ以上に作業を増やして大丈夫なのだろうか?


 結論から言うとゲームにのめり込んだ神のせいで、より世界が荒れ狂うことになった。浄化されない魂が霊やアンデットになったり、零れ落ちた魂が邪神と呼ばれるものの手に渡り、利用されたりしたのだ。


 霊やアンデットであれば人間でも対処することはできた。しかし、邪神による干渉は仮にも神によるもの。人間の力など到底敵うものではなかった。邪神に干渉された世界は歪み、時には滅亡の道をたどる。


 今まで通りに行っていれば防げていたはずの事態。


 これで元の輪廻転生に戻るのが普通なのだろう。しかし、ゲームの楽しさを知った神は、逆に邪神への対抗に躍起になった。なぜならこの楽しさから離れ、また同じ作業を繰り返しに戻ることに恐怖を覚えてしまったから。


 そうして神々は、人間の感情の一部を知ることによって今まで以上に貪欲になっていく。


 その貪欲さが災いしてか、遂に一柱が輪廻転生の禁忌に足を踏み入れてしまう。神の犯した禁忌、それは記憶の継承。浄化とともに記憶の抹消を行うという絶対のルール。そこに触れてしまったのだ。


 下手をすれば神の所持する世界全てが滅亡する。それなのにお構いなしにその神は邪神への対抗だけを考え、その魂を送り出した。


 これから語られるのは禁忌によって生み出され、様々な世界を廻った魂の物語である。


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