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一時限目

「えーと今日から上級生と合同でー、それぞれの型での授業をやっていきまーす。えーとまずー、強化型は第1体育館にー、次にー操作型は第2体育館にー、次に具現型はー、第3体育館にー、最後にー、変化型はー、第4体育館に移動してくださーい。バランス型は自分の好きな、または自分の得意な型の所へ行ってください。それじゃあ解散!」


担任の時川は無気力に、しかし最後は元気に連絡事項を言って去っていった。


「ねぇ、アリスちゃんは何型なの?」


俺の前の席である華山が俺に質問した。


「私はバランス型で、変化型が得意ですよ。」


バランス型にも得意不得意があり、得意なことはとことんできて、不得意なことはとことん出来ないらしい。まあ、自分の場合、不得意なものはなく、得意なものもない。ただ、キャラ別にして考えた場合、このキャラには変化型が一番合ってるというだけだ。


「まじで!?俺と同じじゃん!」


クラスの中心の神木が嬉しそうに言った。どうやら神木はバランス型らしい。


「アリスちゃん、変化型が得意なの?私は変化型だから一緒に行かない?」


華山は変化型らしい。


「いえ、私、今日は強化型の方に行ってみようと思います。」


俺がそう言うと、視界の端で活発そうな男子が露骨に喜んでいた。あの反応はもしかしなくても強化型だろう。確か‥‥‥宇治先 大介だったっけ?


「そっか‥‥残念。じゃあ、また後でね。あっあと、お昼一緒にどうかな?」


「いいですよ。では、また後で。」


そう言って俺は第4体育館へと向かった。



この学園は、指定の制服や体操服というものがない。自分の着たい服を着て登校し、体育と言うか、訓練があるときは、動きやすい服装に着替えるのだが、俺はそのままの服装で体育館へと入った。


「なあ、その格好動きにくくないか?」


そう質問してくるのは、同じクラスの川崎 勇気である。私がワンピース姿だからだろう。


それに宇治先が反論する。


「そんなの個人の勝手だろ?アリスさんは自分で強化型の方に来るって言ってたんだ。名前からして運動しそうなのに服装を変えないのはつまり、その服がアリスさんにとって動きやすい服装なのかもしれないだろ?」


別にこれが俺にとって動きやすい服装な訳ではない。ただ、背中に穴が開いている服がこれしか無いのだ。 ん?翼を服の中へ入れれば良いだろって?馬鹿野郎!それが出来てたらとっくにやってるよ!!


実はこの翼、きちんと感覚があり、無理矢理引っ張ったり曲げたりすると痛いのだ。因みに他人に触られるのもダメである。


まぁ、もともとこのキャラを使う機会はあまり無かったから問題にならなかったが、今回はサポートに回るつもりだから、このキャラが多く使われるのは間違いない。更に俺はこのキャラを今回のベースにしているからあまり変えれない。


体育館の前に着くと宇治先が丁寧に教えてくれた。


「えっと、ここが第一体育館だよ。下駄箱は入って右に男子、左に女子だよ。履き替えたらまっすぐ進んでね。右の階段を上るとギャラリーだよ。」


「わかりました。では。」


靴を履き替え中に入ったが、まだ俺たちしか居ないようだ。

俺は失敗したなぁと思いつつ宇治先たちが周りを見ている間に翼を消した。実際に消したのではなく、羽根から先を異空間に飛ばしているだけだ。そうすることで翼は無いように見えるし、感触も無くなる。最初からこうすれば良かったなぁと思った。


「あれ?アリスさん、翼は?」


振り返った時に俺に翼がないことに気づいた宇治先が問うて来た。


「私の翼は恥ずかしがりやなんですよ。」


「へぇ、そうなんだ。」


忍法はぐらかしを使ってなんとか乗り切った。

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