追いかけっこのその後
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授業が終わった後、私は田中先輩に話しかけた。
「むぅ。負けてしまいましたね。少し予想外です。」
本当に驚いている。このキャラで出せる限りの速度で走ったってのに追いつかれるとは思いもしなかったから。
「ははっ。アリスちゃん、早いねぇ!僕も久々に身体強化使ったよ。それに、あのスピードでほぼラグなしで真横に方向転換出来ていたのも驚いた。
今度お茶でもどうかい?君の事もっと知りたいし。」
「良いですね、お茶会。私も貴方が(何故そんなに強いのか)気になりますし。」
私が田中先輩からのお誘いを受けると、こちらを見ていた周りの人たちがざわめき出した。
「嘘だろ⁉︎アリスちゃん、あんなのが好みなのか?」
「アリスちゃんがデブ専....俺にもチャンスが」
「あるわけねーだろ。」
と言った声が殆どだ。あと私はデブ専ではない。
「じゃあ、また。」
「はい、また。」
そう言って私は各自教室へと戻った。
「あー、疲れたぁ。それにしてもアリスちゃん速かったよな。」
「あぁ。そして美しかった。」
俺たちはアリスちゃんの話をしながら教室へ戻っていた。
「速かったで言えば田中トラックも速かったよな。」
「あの人初めて見たときはただのデブじゃんっておもったのになぁ、て言うかアリスちゃんよく付いて行けたよなあのスピードに。」
田中先輩は、あの体型からは到底信じられないスピードで走るので田中トラックと言われている。俺たちがこの学園へ来た時にはその渾名がついていたので何故そんな名がついているのか分からないが、風の噂ではトラックを走って追い抜いたからついたらしい。
「あれで強化型じゃないんだろ?世の中不公平だよな。」
「全く羨ましいぜ。ってやべえっ!次移動教室だ!」
「ファッ!?マジかよ!おいおい、コレ絶対間に合わねーだろ!」
「とにかく走れ!」
「お、おうっ!」
俺たちは走った。
「では、今から対ファントム会議を行う。」
どうしてこうなった。




