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Flagrant 高校生特殊部隊が異世界転生  作者: 十牟 七龍紙
Booby Blossom
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【12】逸脱

 "SNAFU"


 "situation normal: all fucked up. "を略したもの。


 意味は"状況は全てブチ込まれた"。


 転じて"どうしようもない最悪なクソ状況"を意味する。




 SNAFU、SNAFU。


 あぁ間違いない。


 今は間違いなく


 "SNAFU"だ。



「……」

「……」


 さっきから今の間に変わったことといえば何か?

 そいつはかろうじて冷戦の間に保たれていた笑顔が消えたことだ。

 今ソ連とアメリカは真顔で向き合い、まさに冷戦は今終わろうとしていた。


 冷戦が終わった先には何があると思う?






 第三次世界大戦だ。


「コニューさん」

「何」


 胃が。


「ただの一領主の娘と聖戦士、これはいかにも釣り合いが取れないと思いませんか?」

「おっとおっとぉ~? 聖女様ともあろうお方が地位でマウントかぁ~? 聖女だと思ったら性根は腐りきってたのかなぁ~」

「あら、事実を申し上げただけでそのように思われるとは、図星という事でことでしょうか」


 ネイサン。


「貧乳」

「贅肉」


 ネイサン、助けてくれ。


「なんだこの金髪! ワカメ!」

「なんですか全身たっぷり肉付けて!」


 頭上で起こっている凄惨な戦いから目を逸らしながら俺はネイサンの言葉を思い出していた。



"なぁナオ"


"なんです、ネイサン"


"お前は将来イイ男になる"


"なんですか急に"



 ネイサン教えてくれ、俺はどうすればいい。



"きっと将来色んな女に言い寄られるぞ"


"やめてくださいよ"


"いやきっとそうなる。 俺の予言は当たるからな"


"……じゃあそうなった時どうすればいいんです"


"とりあえず抱け"

 

"……"


"抱いてから考えろ"


"……"



 ダメだ。役に立たない。



「……」

「……」


 そうしている間にも俺の目の前ではどんどんと状況はSNAFUの先へ進行しようとしている。

 俺が一体何したってんだ。


 わかった。


 俺が原因だっていうんだろ? わかったさ。

 じゃあ俺が解決してやる、それで文句なしだ。


「わかった!」


 俺は目いっぱい声を上げて立ち上がる。


「わかった! わかった二人とも!」


 にらみ合う二人の間に入って俺は左右を見渡し、半分泣きそうな思いで声を出す。


「飯に行こう、なっ? それでいいだろ? 飯だ!」


 そうだ。人間腹が減ると気が立つものだ。

 だから飯を食べればみんな気が休まる。


 人間っていうのは、そういうもんなんだよ!

 

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