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【S11】ぼくが、おもうこと
ぼくは、つくられた。
ぱぱのなまえは、ジャハブ。
"はじめまして。 君の名はインビディ"
ぼくが、はじめてきいたこえ。
それから、パパは、ぼくにいろいろとおしえてくれた。
"そうだインビディ! 私たちは共に戦うのだ。 我らが神のために。 我らが誇りのために"
それはたいせつなことで、やらなきゃいけないことで、ぼくがいきているいみだと、パパはおしえてくれた。
"我々に従わないもの、多神教徒は殺さなければならない。 我が神に改心するならば生かしてもよいが、もはや彼らは手向かった。"
ころさなきゃ、ならない。
でもいやだった。
ころしても、だれもほめてくれない。
だれも、ぼくをみてくれない。パパからはなれてから、ぼくにはなしかけてくれるひとは、いなかった。
"立てるか"
でも、せしはちがった。
あのよる、せしは、ぼくのめをみていた。
ぼくのことを、みていた。
たすけてあげたい。
せしは、ぼくをみてくれた。
だから、せしがかなしいなら、せしがそうのぞむなら、ぼくは、それを。




