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Flagrant 高校生特殊部隊が異世界転生  作者: 十牟 七龍紙
Red Storm Rabbit
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【28】到達

「命中確認」


 視界の中、巻き上がる爆炎はもうもうと空に向かって黒煙が巻き上げられていく。

 馬車は草原に置いてあったから障害物もなくよく見えたし、爆炎は延焼してその辺り一帯を焦がしている。


 まぁ奴に直接当てたってよかったんだが、まずは逃げ足を潰してからじっくり料理してやるさ。


 用済みになったSMAWをその場に捨てながら、胸にかけておいたライフルを握りなおしてサイトを覗き込む。


 奴はすぐに立ち上がり俺たちを見て、驚き見開いたその瞳を揺らしていた。


 ……ちょっと三下みたいなセリフだったか? まぁいい。


「ジェイメリ」


 ここは、俺にとって圧倒的に有利な地理だ。


 障害物の一切ない平原で奴の姿を見失うわけなどない。


「がっ、ぁがっ!」


 立ち上がった奴の姿を俺の網膜に投射するサイトシステムは、ブレることなくその姿を映している。

 剣を投げようとしたんだろう、奴は地面から抜いたそれを振り被ったが、正確にコントロールされたFCS(指先)はそれを許すことはない。

 正確に腿と肩に侵入した徹甲弾は内部でそのエネルギーを解放させると、ジェメイルの体を地面に転がす。


「お前をどうやって殺すか、俺はずっと考えていた」

「ぐぉっ!!」


 ライフル弾が奴に有効なのはわかっていた、あいつが無敵ならそもそも避ける必要がない。

 事実俺の視界の中で奴はまるで弾を撃ち込まれるたびに痙攣し血を噴きだしている。

 無力化したことを確認してから、足元に転がされた剣を遠くへ蹴り飛ばして、改めて奴の顔を覗き込んだ。


「頭を撃つべきか? いや」


 一応撃ち込んでみる。


「く、ぐぐぐ、くそ! 貴様! 貴様!!」

「ほらな、やっぱり」


 本当なら脳みそぶっ飛んだって、頚椎が折れたっておかしくないのに、奴は額から血を流すだけで随分とピンピンしてやがる、とんだ野郎だ。


「きさッ……ごぼ、がっ」


 一応首を撃って頚椎を追ってみる……がやっぱり元気そうだな。


「この分だと体をバラバラにしたって生きてるだろうな。 生憎サーマイトも持ってきてない」


 さすがに炭化させれば死ぬと思うんだが、それが出来る道具を持ってきていない。


「どうすればいいと思う?」


 倒れた奴の上に立ち、切れたマガジンを交換して再び四肢を撃ち抜く。

 再生にどれくらいかかるか知らないが動き出されても困る。念には念を、だ。


「……な、何をしている?」

「どうだ? きついか?」

「ぅ、ぐっ!! きついに……決まっているだろ……!」


 当たり前だ、こいつはそういう用途で作られているんだから。


「治療行為だ、我慢しろ。 このままじゃ銃創がいつまで経っても治らない」

「貴様が……作ったものだろうが……!」

「なぁ知ってるか? 人間の体は血が流れなくなると栄養が通らなくなりそこから壊れていく」

「……何を言っている…? ぅぐっ!」


 さすが米軍、がっちりと動脈を押しつぶしてその血の流れを止めた。


 白く分厚いそのバンド。取り付けられた二か所の固定具を結べば、例えどんな筋肉野郎だろうとこの圧迫力に押し込まれ血の流れが止まる。

 止血バンドで四肢を拘束され、奴の体はまるで人形のように力を失いしなだれる。

 上腕と腿、大動脈を狙って固定されたそれは四肢の力を完全に失わせるのだから。


「なんだ、なんだこれは! なんっ……!」


 四肢、文字通り四つ取り付け終わり、最後の一つ。


「お前、脳に酸素を送れなくなるとどうなるんだ?」


 奴の首に、首輪をはめてやる。


「わからないなら試してみろ」


 取り付けられた固定具は、明確にその気道を抑え込み、呼吸を完全に阻害するだろう。


 終わりだ。


 俺の勝ちだ、ジェイメリ。






「ぅうぅッっっっぅッッッッッッ!!!!!!!!!!」



 奴が言葉にならない叫び声をあげた。



 迂闊だった。


 奴の拘束を優先したあまり、手順を一つ飛ばしてしまった。


 俺は


「がはぁッ! はぁっ、はァッ!!!」


 ミスった。


「この、私を……! ここまで!」


 おかしな方向に曲がった関節。肩の力だけで振られるそれは、まるでデク人形の手足のようにぶらぶらと揺れている。



 

 奴の手には、きらきらと光る、コンバットナイフが握られていた。

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