無人島にて
死刑執行寸前で施設からの脱出を図った雄太は海に飛び込み、無人島に流れ着く。そして雄太の新たなる冒険が始まる!
新章突入の異世界ファンタジー!!
鳥の姿が見えなくなった後、雄太はその場にしゃがみこんでこれまでのいきさつを振り返るのであった。
「(確か俺は2月1日の朝にこの世界に迷いこんで・・・でも裁判ってどんな独裁国でも1、2日で死刑判決が確定して執行なんておかしいし、そもそも俺が連れ去られた場所には海は無かったのになぜか俺が捕らえられていた場所は海上施設だった。それに・・・)」
雄太は何かを思い出したかのようにズボンの右ポケットからあのカードを取り出したのである。
「(このカードのメッセージを見た瞬間、急に力がみなぎってきた・・・これは何を意味するのか。ああ・・・謎が謎を呼ぶぜっ!!)」
雄太は頭を抱えていた。謎が謎を次々と呼ぶのか雄太の脳内はごちゃごちゃしていた。するとカードをよく見ると何かが書いている。
『消サレタ日々ノ回収』
「消された日々の回収?」
当然だが雄太は理解できなかった。今までのメッセージなら大体意味が分かるのだが消された日々とは何なのか、そして回収とはどういうことかメッセージだけでは意味を理解できるはずがなかった。
「よく分からない。何かあるのかな?」
雄太はとりあえず他にヒントがないため立ち上がって島の捜索を開始しようとしたときであった。近くにあったヤシの木の下に剣のようなものが刺さっていたのである。
「(剣?というより何でここに?)」
不思議に思う雄太だが剣を抜いてみるとあっさり抜けたのであった。そして剣をよく見るとつばの部分にメッセージがあった。
『勇者の剣』
「(えらい単純な勇者の剣やな・・・)」
雄太は少し突っ込んだがとりあえず自分の所有物にすることにしたのである。すると剣の近くにあるヤシの木に貼られたある手配書らしき紙を見つけたのでそれを見ると雄太は顔を青くしたのである。
『指名手配・・・市川雄太。懸賞金380万C(日本円で1Cは1円にあたる)。罪名・国内不法侵入・テロ活動行為等。』
「え・・・何で俺指名手配されてるの!?というよりここに来てから誰にも名前を言ってないのになぜ名前と顔写真が!?」
雄太は自分が指名手配されていることを知り、追い詰められたかのような表情になったのである。
自分が指名手配されていることを知り、絶望する雄太。なぜ名前や顔写真が知られているのか?謎が謎を呼ぶ冒険はまだまだ続く。