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孤児

 陸軍のリーダー・ティラーソンからある紙をもらった雄太は村に戻ると敵軍のスーイが現れる。そして雄太はボーリックへの憎しみをスーイに語るとスーイもまたボーリックへの憎しみを(あらわ)にしたのである。

 突然スーイからボーリックへの憎しみを打ち明けられて当然雄太は戸惑うわけだがスーイは雄太の様子を気にせず話を続ける。


 「俺はあの占領された村の【フォン家】の生き残りなんだ。」


 「フォン家・・・?」


 「ああ、あの村は元々500年ほど前に俺たちの先祖に当たる初代が興した村で当初は農業と自然がメインの村だったのだ。」


 「・・・農業と自然・・・!」


 現在、戦乱の下にある村が農業と自然の村だとなかなか信じられずにいた雄太だが言われてみれば何か感じることがあったようだ。


 「どうした?」


 「何というかもし戦乱の世じゃなければ緑が多くて空気が綺麗な村だったように思う。」


 「ああ、トランビュート。お前の言う通りだ。戦乱にさえならなければ今も自然に囲まれた美しい村だったんだ!」


 「・・・」


 雄太は占領された村の雰囲気を見て自然の美しい村だったと感じたようである。今は近くを鉄道が走り、秘境に近い雰囲気を醸し出しているも戦乱とあって美しい光景はなく禍々しい雰囲気を出していたからだ。すると雄太の村の村民の一人が雄太の元にやって来たのである。


 「村長!こんなところに!」


 「ああ、君か!」


 「それより軍服の・・・こいつは敵軍!」


 「いかにもそうだが?」


 「待って!彼は悪い人ではなさそうだ!話を聞いていたんだ!」


 「しかし村長!相手は敵なんですよ!?仲間を呼んできます!倒さなくちゃいけない・・・」


 「俺を信じてくれ!!」


 「!?」


 村民の男性は雄太が訴えるような目をすると思いを理解したのか仲間を呼びに行かずに話を一緒に聞くことにしたのであった。


 「すまないな。」


 「いえ、市川村長がそこまで言うなら・・・」


 「トランビュート、お前は人望のある村長のようだな。」


 「あたぼうよ!お前のところの隊長と違って人望のある男でぃっ!!」


 「おい、何を言うんだ。スーイ氏、申し訳ない。」


 「いや、それはこいつの言う通りだ。あの隊長は雰囲気と違って正真正銘の人でなしだからな。」


 「え!?」


 「スーイ氏、それは?」


 するとスーイは村の中を凝視すると突然帰る素振(そぶ)りを見せたのである。


 「話の途中ですまないが・・・では、トランビュート!また明日もあの(・・)村で会おう!急用が出来た!」


 「急用が・・・?あ、ああ・・・!」


 するといつの間にか雄太の視界からスーイは居なくなったのだ。


 「あら、もういないわ。ところで君は何をしに?」


 「ああ、俺は村長に報告があって来たんです!」


 「報告?」


 すると男性の口から報告の内容が語られたのだ。


 「ええ、実はあの村(・・・)に孤児が他に5人いましてどうしようか考えているんですよ。それで村長の判断を仰ぎたく思いまして・・・」


 「性別は?」


 「はい、男一人女六人です。」


 「女の子が多いな。」


 確かに雄太が預かっている孤児は五人全員が女の子である。男の子が少ないことに疑問を抱いていると男性はいう。


 「男の子はある元軍人(・・・)の男性が引き取って世話をしていると聞きます。なぜか女の子を引き取ろうとしないので恐らく未来に備えて【打倒ボーリック】を志す少年兵を育てることしか考えていないのかもしれません。」


 「ふざけた野郎だな。孤児であることと少年達の復讐心と女の子を世話しないことととことん腐っているなそいつ。だけど何で男の子が一人いるんだ?」


 「ええ、彼は少し幼い感じで好戦的ではない感じがしました。だから面倒見ようとしなかったのかも。」


 「尚更なめとんな。人を見て判断するとか・・・!」


 「まあ、村長がそういう性格にならなければ良いですよ。」


 「確かに、俺はそうならないようにする。」


 雄太は謎の元軍人へ怒りを抱く反面、自分は分け隔てなく孤児の面倒を見ようと誓ったのであった。

 スーイと話をした後、ある元軍人が孤児を育てていると話を聞いた雄太は怒りを露にするも自分はそうならないように誓うのであった。

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