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憎しみ

 ボーリック隊長より陸軍配置を任命された雄太は陸軍リーダーのティラーソンと出会う。そのティラーソンはあのヒートンに似ているのであった・・・!

 雄太が所属することとなった陸軍のリーダーのティラーソンは陸軍内での人望が厚い人物である。御年46歳の彼は年齢に関わらず若い人がやっとこなせるような陸軍訓練のハードスケジュールを軽々とこなせるなど運動神経の高い人物である。また人を見抜く(・・・)力を持ち、何事も瞬時の判断を下すことが出来る。過去にも戦地でその能力を活かして危機的状況を乗り越えた経験も多い。


 「まあ、トランビュート君!お互いに頑張っていこうじゃないか!あはは!」


 「は、はい!」


 作った笑顔を見せる雄太をティラーソンは何かを疑うような顔をしながら笑っていたのである。


 「(彼は・・・間違いない!)」


 またティラーソンは雄太について明らかに何かを知っているようだ。尚、雄太はこの後も引き続き見張りをしていたが特に何も異常はなく無事に活動を負えたのであった。



 ー2時間後ー


 この日の軍隊の活動は終わり、雄太は帰路につこうとしているとティラーソンが雄太の元にやって来たのだ。


 「やあ、トランビュート君!お疲れ様!」


 「ティラーソンさん、お疲れ様です!」


 するとティラーソンは目を鋭くして雄太にある紙を渡したのである。


 「トランビュート君、これをあげるよ。ここには大事な(・・・)情報を記入しているからしっかり理解してほしい。」


 「・・・?あ、ありがとうございます・・・!(何だ何だ?)」


 「では!また明日もよろしくっ!」


 ティラーソンは紙を渡すやいなやすぐに去っていったので雄太は紙を見ると戦闘のテクニックのようなことが書かれていたのだ。


 「(何?敵を討つには敵が一斉に集まるであろう状況や時間帯・・・ってこれはまさか!?)」


 紙を見て何かを理解したのか目を大きくした雄太はティラーソンが何者なのか少し分かったようである。一方でティラーソンは軍隊の人間が周りにいないことを確認すると村の方を向いて大きな声で言う。


 「ボーリックよ・・・やっと・・・40年来(・・・・)の復讐が果たせそうだな。」


 この時、ティラーソンの顔は不敵な笑みを浮かべる反面、目付きは怒りに満ちたものがあった。




 ー雄太が村長を務める村ー


 雄太が村に戻ると他のスパイメンバーである副村長などを含む村民達はすでにいつもの服装でいつもの生活に戻っていた。


 「(これじゃ誰が参加しているのか分からないなあ。でもその切り替えが敵にバレないきっかけであることを考えると良いことだ。俺も早く着替えよう!)」


 雄太は村長邸に戻り、自分の私服に着替えると村の中をうろうろしていた。


 「(平和な村だな。この村の平和を守らないとな・・・!)」


 自分の村が平和であることを喜びつつもユリ達の村が軍隊に占領されていることを思うと素直に喜べないのも事実であった。


 「(あの子達のために必ず占領を解いてやる!しかしこの紙・・・なぜ(・・)俺に?)」


 雄太は紙を渡されたことを疑問に思っていると背後に突然怪しい訪問者が現れたのだ。雄太は振り向くと少しごつい顔つきの軍服の男性がいた。


 「お前、トランビュートだな?」


 「ええ、あなたは?」


 「俺は【スーイ・フォン】だ。お前と同じ陸軍だ。」


 「!?」


 雄太は同じ陸軍と聞いて顔が青ざめていた。というのも自分が村長を務める村に来たということはばれたも当然なのだ。雄太は険しい表情を見せて近くに落ちていた長い木の枝を持つと好戦的な姿勢を見せた。


 「貴様ぁ!そうだ!俺はこの村の・・・!」


 「知ってるよ。」


 「な、なら話は早い!さあ!覚悟しろ!!」


 スーイに正体を知られてさらに好戦的な顔をする雄太・・・するとスーイは顔をしかめて雄太に訴えるような目をしていたのだ。


 「憎い・・・」


 「俺はユリ達を苦しめたボーリックが憎い!!」


 「俺もだトランビュート・・・!」


 「!?」


 突然ボーリックへの憎しみを語ったスーイ。雄太は驚くことしか出来なかったのであった。

 ティラーソンから渡された謎の紙・・・そして雄太の正体を見破っていた陸軍の一人・スーイが語るボーリックへの憎しみとは・・・?

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