戦地の中のパコの実家
占領されたユリ達の村に敵軍の軍人として訪れた雄太。そこで同じ軍隊のティルから元軍人であるパコの存在を知り・・・
ティルの父親が元軍人でその上司がパコという人物だった・・・色々な情報が入り交ざり雄太の頭は混乱していた。
「まあ、ティル君のお父さんもそうだがそもそもパコさんという方はどのような方だったんだ?」
「ええ、僕の父の話によるとパコさんは人柄が素晴らしく今のような軍隊活動は絶対にしなかったという人物でした。小さい頃に面識がありましたが本当に優しい人でした。」
「しかしなぜ失踪したんだい?」
「それは僕にも分かりません。ただ現在の軍隊の総司令官が今のやつに変わった件と関わりがあるように思います。」
ティルが言うには現在の総司令官とパコの間に何かがあったのだという。
「10年前に失踪する前はパコさんはこの軍隊の総司令官で今の総司令官はまだ副総司令官でした。この頃は失踪する気配はなく、普通に活動されていたんです。」
「それが突然・・・」
「恐らく現・総司令官によるパコさんへの圧力があったのではと推測しています。」
「圧力・・・ね。」
「はい。」
「よおし!パコさんを探しに行くか!」
「えぇ~!?」
突然パコを探しに行こうと言い出した雄太にティルは驚いたのであった。
「ティル君!パコさんを見つけたら今の軍隊が何とかなるかもしれないんだよね!?」
「え、ええ。あ、でも10年前からパコさんの家には誰もいませんよ!時々息子さんが帰省するくらいで・・・」
「それでいいよ!十分だ!」
「(へ!?十分!?)」
たまに実家に身内が帰省しているだけで十分なのか・・・はたまた別のことで十分なのか・・・少なくとも雄太が何かを前向きに考えているのは事実だ。
「ティル君、もうすぐ僕も移動だからその時ちょっとパコさんの実家とやらを見てくるよ。」
「パリーヌさん・・・!」
すると上官と見られる男性が雄太を呼びに来たのである。
「おい、トランビュート!少し休憩してから別の場所で待機しろ!改めて指示する!」
「了解しました!ではティル君、また後程!」
「は、はい・・・(行動力のある人は何か違う・・・)!」
パコについて話を聞いただけですぐパコの実家へと向かおうとする雄太の行動の早さにティルは感心していたのであった。
「さすがだパリーヌさん!」
ー占領中の村周辺ー
雄太は一旦休憩の間に先程話に出ていたパコの実家を探しに行く。場所はティルから聞いたがいかんせん地図が存在しないのでうろ覚えながら話を聞いた記憶を頼りに行くしかない。
「ここか・・・?違うな。」
雄太は大きな廃屋の前に到着したがたまに親族が帰省する家が廃屋のはずがないので別の場所へと移動する。休憩時間は一時間なのでそれまでに見つけて現場へ戻りたいところだ。すると・・・
「(こ、ここや!)」
雄太が見つけたのは今は人気はないが家の内部は管理が届いているかのように片付けなどが出来ており、綺麗であった。外観は立派な武家屋敷調で置いている荷物も高級品の用具や和服のような服も数着あり、家の横にはこの世界における高級車らしき車も停められていた。
「(お!ベンツみたいな車だ。俺も免許取得したらほしいなあ!)」
車を見てときめく雄太だが車の後ろに怪しい人影を見つけたのである。
「誰だ!!」
「(あ~!村長シ~っ!)」
右手人差し指を口の前で立てて静かにしてと仕草をする男性は自分の村の人の服装をしていたので仲間だと分かったのだ。男性は槍を持っており、軍隊と闘う準備をしていることが伺える。
「(あ、仲間だね!)」
「(はい村長!スパイ活動お疲れ様です!私は村会議員の【ケビン・ジェニー・ベビロック】です!)」
「(お、よろしくお願いします!)」
男性は村の議員で雄太より年上と見られる顔つきでシワが多いのが特徴だった。また右ほほにはクレーターのような出来物があった。
「(怪我されたんですか?)」
「(ああ、12年前の内紛に巻き込まれた際に・・・)」
「(え?12年前!?この地域は戦争が多いのですか!?)」
「(まあ・・・この怪我は私の不注意です。確かに戦争はここ数年間続いてますね!)」
この占領された村を始め、この世界は戦争が多いことを雄太は初めて知ったようだ。
パコの実家の周囲にいた雄太の村の議員であるベビロックと出会い、この地が長年戦乱で荒れていることを知った雄太。彼は戦乱を収めて村を救うことは出来るのか・・・そしてパコと出会うことは出来るのだろうか!?




