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ティル・ビスタカ

 雄活第二章が始まる。村の長となって孤児達のために村を護るために頑張る決意をした雄太だが村を占領する軍隊とどう戦うのか・・・?第二章『村・奪還編』ここに開幕!

 『2・0・1・7・・・雄太の異界活動記』



 ーー第二章【村・奪還編】ーー



 ーー第一章《村長就任・孤児守護編》ーー




 数日後、雄太と共にする子供達の故郷である村にはこの場所を占領したとされる軍隊の人間がうろついていた。そして迷彩柄の帽子と服を装着して眼鏡をかけた若い男性軍人に顔のいかつい上司らしき軍人が声を掛ける。


 「おい、新入り!何をうろちょろしている!!さっさと村の入り口前に行ってそこで敵グループが村に来ないか監視してこんかい!!」


 「あ、はあ!了解しました!」


 若い軍人は指示通りに村の入り口前に移動すると同じ新入りの軍人と見られる若い男性と落ち合ったのである。男性は入り口前にある椅子に座ってもう一つの椅子を指差して座るように指示すると雄太はそこに座り、彼は雄太に声を掛けたのだ。


 「やあ、君は新入りだね。」


 「ええ、僕は『パリーヌ・トランビュート』と言います。よろしくね!」


 「そうか、パリーヌ君か。僕は【ラキ・ホーラム】という。よろしくね!ところで君はどこかで見たことがあるような・・・何かちょっと変わってるような感じがしたけど・・・」


 「(ドキッ!)え?どういうことなの?それはいつかな~?」


 「ああ、あれは数日前に君が村に来て軍隊入隊の交渉を終えて村内の食堂で食べていたた時だよ。僕もそこで食事していたんだ。」


 「あ~!あの日ね!確かに食事していたよ!」




 ー数日前・食堂ー


 軍隊の入隊が決まり、自分へのお祝いにと食堂へやって来たラキはそこで白米とステーキを注文すると彼の斜め向かいの席に雄太は居たのだ。その時雄太はノートを見ながらブツブツ言ったかと思えば窓から何かをじっと見つめたりと変わった行動に出ていたのだ。ラキは雄太の様子を見ていて顔をしかめていた。


 「(何だかなあ。)」


 あまりにも雄太の行動が目立ちすぎるためにラキに限らず他の客も雄太を変なものを見る目付きで見つめていた。




 ーー


 雄太はラキから話を聞いて苦笑いをする。


 「あはははは!ちょっと今月のスケジュールのことを考えていて周りの僕への目線に気付いていなかったんだ!」


 「そ、そうなんだ(笑)。」


 周りが白い目をしていることに気づかなかったと言う雄太に対してラキは納得したのであった。


 「まあ、これからもよろしくね!」


 「あ、ああよろしくね。パリーヌ君!」


 そう言うとラキはその場を去った。しかしいつもよりも子供っぽい口調に設定したのか雄太は雰囲気も幼く感じられていたようである。すると他の人が椅子に座り雄太に年齢を聞いてきたのだ。


 「はじめまして、あなたがパリーヌさんですね!」


 「は、はい!」


 「ところでパリーヌさんはおいくつでしょうか?」


 「僕?29です。満30歳!」


 「(え、30歳!?)ああ、僕は28歳です!名前は【ティル・ビスタカ】です。よろしくお願いします!」


 「ティル君か。こちらこそよろしく!」


 いつの間にか雄太とティルはなぜか意気投合したかのように仲良くなっていたのである。しかし・・・


 「ん~、それでパリーヌさんは今回の占領作戦についてどう思われますか?」


 「ん~、どう思うと言われてもね(・・・そういやこいつら(・・・・)の計画の内容が未だに分からないわけだからな)。」


 「パリーヌさんは熱心に行動されてないのですかな?」


 「いやいや!ただ単に真の目的とか分からないから、うん!だから何とも言えないんだよね!」


 「そうですよね。僕らも占領している目的が分からないんですよ!」


 「え!?それはどういうことだ?」


 なんとティルも本当の目的が分からないようである。雄太はそれを知り驚いたのであった。


 「パリーヌさん?どうしたのでしょうか?」


 「ティル君!君も(・・)目的を聞かされていないのかい!!?」


 雄太はテンションが高くなったのか急に立ち上がったためティルはびっくりしてしまい椅子から落ちてしまった。


 「いたた・・・!」


 「大丈夫か!?ごめん!」


 「いや、大丈夫!大丈夫!僕こそ不注意だったんです!」


 ティルは起き上がると再び椅子に座り、雄太も座って詳しく話を聞くのであった。


 「まあ実は村を占領しているのは我々の陣地にするという計画だと言われているのですけど実際は本当にそれだけだと僕は考えていません。」


 「と言うと?」


 「ああ、実際は占領の名を借りた侵略に等しく村民を平気で虐殺しているからです。」


 「虐殺!?(まさかあの子達の・・・)」


 ティルによるとこの村(ユリ達の故郷)では軍関係者による村民の殺害が行われており、占領とはいえあまりにも酷すぎるからだという。


 「まあ、軍関係者は何らかの理由で殺害を正当化して事実を誤魔化そうとするでしょうけど僕はこの占領行為に不信感を抱いているんです。」


 「(俺のようなスパイならともかく内部の人間までもが不信感を抱いていたのか。)」


 「あの、パリーヌさん。【ジョージ・パコ】という人物をご存知でしょうか?」


 「ジョージ・パコ?」


 突然出てきた謎の人物の名前。雄太はそれを聞いて頭の中が『?』だらけであった。


 「誰なの?その人。」


 「ええ、パコさんはこのエリアのどこかにいると言われている人物で我々の遠い先輩にあたるとか。」


 「先輩・・・ということはこの軍隊の・・・?」


 「元幹部です!」


 「!」


 ティルの言うパコという人物は元々軍隊に所属していたという。


 「しかしこの村を占領する10年ほど前から行方が分からなくなりましてね・・・その時辺りから我々の軍隊は暴走しているようです。」


 「ちょっと待って!君は何で10年ほど前の軍隊事情やパコさんのことを知っているんだ?」


 「それは・・・僕の死んだ父がパコさんの直属の部下だったんです!!」


 「・・・!?君の父親がかい!?」


 ティルは父親が軍隊にいたというのだ。そしてパコの失踪と現在の軍隊の状況との関わりとは・・・!?

 軍隊にスパイとして潜入した雄太はそこで出会った新入りの軍人・ティルから衝撃の事実を聞かされる。さて彼の口から出てきた元軍人のパコの正体とは・・・?

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