新たなる物語
風向きが変わりつつある雄太の立場ではあったが会議場で官僚達は雄太の冤罪疑惑について向き合う気配を見せなかった反面、一部からは強い雄太の冤罪を信じる声があった。一方で雄太の元にヨセップという男性が子供5人を連れてきていた・・・!
突然雄太の休んでいる部屋に訪れたヨセップと子供達だが雄太はヨセップの顔を見つめて言う。
「ところであなたの声をどこかで聞いたことがあるんですが・・・」
「え!?いや、似ているだけでは!?」
「そうですか・・・ちょっと嫌な思い出の際に聞いた声やなあと思いまして。俺の気のせいですかね、すみません。」
「(ホッ・・・!)ああ~、そうだったのか!すまんすまん!」
「いやいや、ヨセップさんは悪くないんですよ!?俺が勝手にそう言ってるだけですから・・・すみませんね!(とは言ってみたがなんか聞いたことあるんだよなこの声・・・ええ。)」
ヨセップは雄太に声のことを話題に出されるとドキッとしたものの雄太はそれ以上追及しなかったのでなぜか安堵したのであった(雄太はまだ半信半疑であるが・・・)。そして話題が変わりこれからについての議論が始まる。
「それで雄太くんにお願いがあるわけだが・・・」
「お願いとは?」
「この子達の村を占領している悪の組織を倒してやってほしいんだ!」
「え?」
ヨセップは突然雄太に別の村の悪党を倒してほしいと言い放ったのである。雄太は目を点にして驚いた。
「いや、俺はここの村長で・・・他の村に行く必要なんか全くないんですが・・・!」
「たわけ!」
「!?(ん、やはりこの声は?)」
自分の村のことがあるので断る雄太に怒るヨセップ。しかし雄太はヨセップのその声に心当たりがあるのか少し気になるかのような目でヨセップの方を見つめていた。そしてヨセップは他村を助けなければいけない理由を説明する。
「この子達の村に居座る連中達は次は雄太くんのいる村を襲いに来るそうだ。だから先に返り討ちにして私達の村を守るのじゃ!!」
「・・・返り討ち!?この村を襲わせてはいけない!!それなら俺、行きます!!」
話を聞いて事情を理解した雄太は目の色を変えて戦うことを決意したのであった。しかし一人でどうやって組織を倒すのか少し心配になっているとヨセップは大丈夫だと言わんばかりの笑みを見せて言う。
「心配しなくても良い。もう既に援軍をその村に派遣している!あとは雄太くんがリーダーとなって彼らを指揮するだけだ!!」
「俺が指揮・・・!?出来るかな?」
「出来るさ!この子達の親の仇を討って自身の村も守るんだ!!」
「ああ!頑張る!!」
やる気の出てきた雄太を見てヨセップは笑みを浮かべる。するとユリとアユミが雄太に近付いてきたのである。
「・・・!君達の親の仇は必ず討つ!」
仇を討つと宣言をする雄太。ユリとアユミはその雄太の言葉を真剣に聞いていたのであった。
「さあ、まずはその仲間の援軍の元へ合流だ!」
雄太は立ち上がろうとした時、看護婦らしき女性がたまたま雄太のいる部屋を訪れたのだ。そして雄太に注意をする。
「村長、ダメですよ!まだ少し安静にしてください!」
「で、でも・・・」
「村長!『でも』じゃありません!治らないとまた再発しますよ!」
「は、はい・・・」
女性に注意されてしょぼんとする雄太。子供達は笑顔で雄太の方を向きヨセップも笑いをこらえて雄太に話しかける。
「ふ・・・雄太くん!ダメだよ、完治してないんだから。また悪党を倒すと言うことであって決して戦争をする訳じゃないから張り切っちゃダメだよ。ふ・・・あー、すまんすまん!」
「あ、そうだ。うっかり他の村と戦うのかと勘違いしていた。」
「でしょ!とにかく倒す敵はもう決まっている。とにかくこの子達の故郷を救うのが今回の目的だからね。」
「は、はい。必ず彼女達の村を救って見せます!」
今は安静しなくてはいけないが雄太は必ず孤児達の村を救うために行動しようと誓ったのだ。そしてその日まで暫しの休息を取るのであった。この日は新村長就任のイベントの一つとして花火が打ち上げられ、部屋の窓から雄太と5人の子供達、ヨセップの7人は美しく飾られた夜空を見つめていた。
「(きれいな花火だな。この村をこれから俺が守らなくちゃいけないんだ!)」
花火を見つめる雄太の目は村を守るための決意を見せ、輝いていた。
ー今、雄太がいる世界は年月日も場所も何もかも分からない世界。近未来的な発展はなく便利なツールも存在しない世界。その世界に身を置いた雄太の元の世界へ帰還し、本来の世界へ戻るための冒険が今始まる。ー
次回より元の世界へと戻るためにとある村の長となった雄太の新たなる『異界活動』が始まる。村長として村作りや村を守るための戦い、そして人々の交流などの経験を積んでいくことになる。
【『雄活』第一章・完】
《序章・第一章【雄太の異界活動開幕】編/完》
○第一章(第1~4部)《異世界入り・逃亡編》
○第二章(第5~12部)《無人島生活ヘリコプター移動編》
○第三章(第13~24部)《チャンス鉄道・鉄道員編》
○第四章(第25~41部)《トランビュートの悲劇・新世界村長編》
次回より第二章スタート!




