脱出、そして無人島へ・・・
死刑執行寸前の雄太は絶体絶命の危機を迎えていた。すると・・・
絞首台を目の前にして死の恐怖と絶望に襲われた雄太は腰をぬかしてしまったのである。
「(ああ・・・俺はもう死ぬんやね。さようなら俺の29年・・・せめて30まで生きたかったけど・・・ごめんなみんな・・・)」
誰かに謝りながら涙を流す雄太だったがズボンの右ポケットからとあるカードが出てきたのである。雄太はそのカードを見ると何か書かれているのを確認したのである。
『オ前ガ此処デ死ヌ訳ネエダロ。』
「(何か上目線な文章だな・・・ん、何でこんなところにこのテレホンカードが?しかも文章が違うしな。)」
以前は『現実カラノ離脱』と書かれていたのになぜか字面は同じだがメッセージは変わっているのだ。しかし文章を見ている雄太を先程の二人組の看守らしき人物の一人が首の襟をつかんで怒鳴り付けるのである。
「貴様!!死刑を執行される身だろ!!何うろうろしているんだこの野郎!?」
「あ・・・(一瞬忘れてた・・・)」
「さあ・・・執行されろ!!」
絞首台に無理矢理連れていかれそうになると雄太は幸い縄で縛られていないことから看守のあごにパンチを喰らわしたのである。
「よっしゃ!!逃げるぞ!!」
「あ、貴様!!まてーっ!!」
雄太は絞首台から逃亡すると建物内を走り、出口を探すのである。
「くそーっ!!何か理由は分からないけど勇気が湧いてきた!!逃げて何とか脱出するぞ!!」
全力で走り、外へめざす雄太!!しかし追っ手がたくさん追いかけてくる!!
「まてー!!犯罪者!!」
「捕らえて死刑執行しろ!!」
「はぁ!!はぁ!!あれ・・・こっちの世界に来てから足は速いし、スタミナもある!!」
雄太は現実世界では足が遅く、スタミナすらない弱い人間であった。それが異世界に来ると突然違う自分に変身したのである。
「まてー!!」
「(窓があるっ!!ここから逃げるぞ!!)」
雄太は窓を開けるとそこから飛び降りたのである!!すると下は海であった。窓から追っ手達が窓の下の海を眺めていた。
「あいつばかだ・・・」
「まさか自殺か・・・バカバカしい。」
「間違いなく死んだな・・・」
《とある無人島》
ある島の海岸に打ち上げられた雄太は意識を失っていたままであったがすると目を覚ましたのである。
「・・・・・・あれ?ここはどこかな?」
雄太は起き上がるとどこか分からないこの無人島を探索することにしたのである。すると空を見ると炎を纏う鳥が飛んでいた。
「美しいな。あの鳥は・・・」
雄太はその鳥の姿を見つめていたのである。
無事死刑執行の危機から脱出するも無人島に流された雄太。彼はこれからどうなるのか!?