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あの日の姿(1)

 曾祖父から冷たい言葉を浴びせられて涙を流す雄太。そんな彼が向かったのは古い家が立ち並ぶ村であった。そこの副村長であるザンバスから村長に任命される雄太だが・・・!

 突然名前も分からない村の長に選挙もせずに就任してしまった雄太は戸惑いを見せながらも早くヒートンら仲間達の元へ戻り、いつかは元居た世界へ戻りたい気持ちからそれを受け入れることにしたのであった。だが副村長であるザンバスに雄太は質問をしたいことがあった。


 「あのー、ザンバス副村長さん?」


 「はい?何でしょうか。」


 「この村はどのエリアの村でしょうか?また村の名前は・・・」


 「機密事項です。」


 「え?」


 何と村のあるエリアや村の名前は教えられないというのだ。エリアとしては学校での場面から見て先程和歌山県の秘境から走ってここにきたので多分和歌山県内と思うが途中で風景が変わりすぎているのでまた別の場所に移動した可能性もある。しかし村の名前はせめて村長なので知っておきたいのだが・・・


 「村長なので村の名前だけは知りたいが・・・」


 「市川新村長にはまだ早い(・・・・)です!」


 「へ!?(まだ早いって何!?)」


 村の名前を聞くと『(村の名前を知るのは)まだ早い』という。雄太はさすがに顔をしかめていた。


 「あのですね、村長が村の名前を知らないのは少しおかしいでしょう!何の謎解きゲームなのですか!?これじゃ村長務められま・・・!!!」


 「あ、雷落ちるかもしれないのであまり何も言わない方が・・・」


 「!?(くそ、この!!)」


 少しでも不満を言えば先程の雷が落ちるそうだ。仕方ないので気持ちを押さえて村長就任に臨むしかない雄太であった。



 【村の中央広場】


 広場の噴水の前には村民達が集まり、雄太は私服のまま皆の前で挨拶をするのであった。


 「皆様、はじめまして。新村長を務めさせていただきます市川雄太と申します。良い村作りをしていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします!」


 「(市川・・・もしかして前村長の(・・・・)?)」


 「(そうかもしれないなぁ。)」


 一部の人達がざわついている。雄太は理由が分からないのだが村民達は雄太について何か知っていると見られる。


 「(何でみんなざわついてるんだろう?)」


 雄太は村民の反応が気になりながらも村長として気を引き締めようとしていた。



 ーー村の外れーー


 少ししてから村の構造を知っておこうと雄太はザンバスに加えてもう一人の男性と歩いていたのだ。男性もザンバスと同じ服装をしているが男性アイドル顔負けの超イケメンであった。


 「村長、村の散策とは勉強熱心ですね!」


 「いえ、村のことを知っておかないといけませんからね!ニラーゴさん、これからもよろしくお願いします!」


 「こちらこそよろしくお願いします!」


 この男性は村会議長のニラーゴである。ニラーゴといえば雄太を村長に推薦した二人(・・)の内の一人である。


 「前任(・・)の推薦もあって僕も推薦しました。」


 「それはありがとうございます!(前任って誰だろう・・・)ん?」


 「どうされましたでしょうか?」


 「いや、これは・・・!?」


 突然何かを見つけた雄太だがそれは線路であった。単線のレールだが近くに駅があるようには見えないのだ。


 「駅はないんですか?」


 「駅は近くにはありませんよ。そもそも走る電車自体本数が少ないものですから。」


 「ああ、そうですか。」


 「あ、電車来ましたよ!」

 

 「!?(あれは・・・!!!)」


 電車が走ってきたのだが車両は肌色で雄太が居た世界のJRの381系(通称・大蛇(だいじゃ))であった。


 「昔、和歌山で夏の林間学校に行った時に乗った・・・!」


 「和歌山?」


 「あ、すみませんザンバスさん。何でもないです(笑)。」


 「そ、そうですか。こちらこそすみません。」


 しかし雄太は紛れもなくあの(・・)381系(大蛇)の姿を見たのだ。雄太が異世界に来る前に引退したあの大蛇が彼の目の前を走ったのだ!


 「(大蛇・・・!)」


 すると直後に逆方向からまた電車がやって来たのだ。車体塗色は白で車体裾部は緑で近鉄26000系の車両であった。


 「(あ・・・これも懐かしい!)」


 雄太はその車両を見つめながら昔の思い出を振り返る。




 ー20年ほど前ー


 大阪府内のある駅の線路沿いまで自転車をこいで来た雄太は自転車を止めるとそこからずっと電車を眺めていたのであった。


 「(特急だあ!いつか乗りたいなあ!)」


 「(あれ?あの電車二つの行き先が書かれている。途中で切り離すみたいだね!)」


 何時間も電車を見続けても飽きない雄太は帰るのがいつの間にか夜になっていたのだ。


 「やべっ!お母さんが心配しているかも!」


 雄太は夜の町を自転車で駆けて帰路についたのであった。



 ーー


 懐かしい思い出を振り返る雄太だったが突然目の前にある立ち入り禁止の看板が光り出して映像が映ったのである。その映像とは雄太が逃げて走っているシーンであった。すると待ち伏せしていたライチに腹部を殴られて倒れたのであった。そしてライチは雄太の胸ぐらをつかんで口の中にペットボトルに入れた水を流したのだ。


 「(あれはライチさんか・・・殴られてから記憶がなかったがまさか水を飲まさ・・・って何で水を?)」


 一体何の水かは分からなかったがその後映像に映るのは雄太が車から下ろされて警察署らしき建物内に二人の警察官と思われる人物に腕を捕まれて入っていくシーンであった。しかもたくさんの記者に囲まれた建物内に・・・


 「(これは・・・合成や創作じゃない!明らかに俺だ!)」


 この映像の雄太は自分だと彼は確信したようだ。

 あの日の映像を見た雄太。自分の知らなかったこれまでの映像を見て何を思うか。またライチが飲ませた水の正体とは?謎が謎をさらに呼ぶ。次回も雄太のなくした記憶が・・・!?

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