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アスラムとヒートン

 飲むと一定期間の記憶をなくすという劇薬級の薬についての話を聞かされ、自分の記憶の欠陥との繋がりを予想した雄太はアスラムに薬について聞きたいと願うも・・・?

 一方、薬について更なる詳細を聞き出す雄太だったがアスラムは厳しい言葉を返した。


 「まだ君には詳しく教えられないな。」


 「え、何でですか!?」


 「『何でですか』と聞かれたから言うが君はまだ強くない。下手に薬の情報を知ると暗殺対象に入るからね。」


 「暗殺?」


 「ああ、薬についてあまり知られたくないと考えている勢力連中がいて詳しい情報を得た人間を片っ端から消しているようだ。実際僕も狙われたことがあるね。自称画家(・・)にモデルに誘われてね、仕方なく似顔絵を書いてもらおうとしたら実は(・・)暗殺者だったんだ(笑)。」


 「・・・!?」


 「君は今すぐにでも最終回(カタストロフィ)でも迎えたいのかい?」


 「い・・・いや。まだ最後まで諦めちゃいないですから。今は薬についてはもう触れません・・・」


 雄太はこれ以上薬のことに触れたら危ないとアスラムから忠告を受けると彼の殺されかけた経験談などを参考にして薬の話をやめることにしたのであった。すると再び『レンジカード』が光り出したのだ。


 「あ、またか。どれどれ・・・?」



 『シチョウ ヲ タオセ』



 「市長を・・・倒せ?」


 「市長?どうかしたのか?」


 「あ、いや何でもないです!」


 カードに書かれていたのは『市長を倒せ』という意味なのかは分からないがとりあえず次の使命であることには変わりはない。しかしカードの内容をアスラムに聞かれてしまった雄太はごまかすと・・・


 「あ、そうだ。これ食べるかい?」


 「こ、これは!?」


 アスラムが雄太に渡したのは実の大きなブドウであった。


 「これは【ナバール】の名産である【ナバルマスカット】だよ。食べてみなよ!」


 「ありがとうございます!う、うまい!甘みが強いけどほんのり柔らかな感じがする・・・!」


 グルメリポーターになれないような感想を述べる雄太にアスラムは言う。


 「感動したか?たくさん食べたいだろ!」


 「はい!」


 「ならナバールの市長になればいいじゃん!」


 「え?ナバールの市長?」


 「ああ、何となくだけど君は何か(・・)やらかして(・・・・・)くれそう(・・・・)な気がする。」


 「何か・・・やらかして?」


 「あ、いやいやすまなかった。こっちの話だ。」


 「???」


 意味深な発言が続くアスラムだったがすると彼はある人物の名前を出したのであった。


 「ねえ、ヒートンって知ってるだろう?」


 「え、は、はい!(な・・・何でそれ(・・)を!?)」


 彼が出したのはヒートンの名前であった。つまり雄太とヒートンとの関係を知っている可能性があるのだ。しかし雄太は恐くてかそれを聞くことはなかったが・・・


 「ああ、やっぱりな。」


 「やっぱり?」


 「実はヒートンのやつ少し昔にカーブルの市長になろうとしたんだけど選挙で落ちたんだよ。」


 「選挙?仕事は6年制では?」


 「ああ、君は政治にあまり詳しくないみたいだね。教えてあげるよ。政治家は色々な厚遇があって人気職でね。だから第一希望に決める人が多いんだ。だけど民間の投票があってそこから決まるから結局は今の職場に残留したり第二希望の仕事になったりする人の方が多いよ。」


 「え?仕事は辞めたら6年間は復帰できないって・・・」


 「ああ、それは6年に一度の更新が出来ないと評価された場合。ヒートンは普通に次の更新が決定済みの状態で一旦退職の形で選挙に臨んでその際第二希望に今の職場を書いていたから落選してもすぐに職場復帰が出来たのよ。」


 「しかしよくうまいタイミングで出来ましたね。」


 「いや、その時たまたま当時の市長が急死してヒートンの次の更新が決まるかどうかの時期に募集がかけられたから鉄道員の更新を一旦保留したまでよ。しかし市長の急死に不自然な点があったけどね。」


 「不自然な?」


 「まあ今はいいや。ヒートンは選挙に出る前にとある場所の市長をぶん殴ったことがあるらしいとか。」


 「え?ヒートンさんが!?」


 「ああ、その後色々彼も大変だったみたいだけど。本人に聞いてみたらいいよ。僕が言えるのはとにかくそこまでだ。」


 「・・・!?」


 「ただ市民の声を無視しちゃダメだよね。僕も現場見てたけど・・・」




 《時期不明のある市役所らしき建物の前》


 右ほほを殴られたのかそこを手で押さえて座り込んでいたスーツ姿の中年らしき男性に対してヒートンは怒りの表情で立っていたのである。そのヒートンを制止しようとアスラムは彼の腕を両腕で取り押さえていた。


 「やめなよ、市長だよ相手は!」


 「話すんだアスラム!関係ない!おい、てめえ!民の意見に耳も貸さずによく市長が務まるな!そういう人間俺はとても嫌いなんだよ!!」


 その時ヒートンの右腕が鉛のように硬くなっていたのだ。




 《現在・アスラムの車内》


 話を少し聞いた雄太はヒートンの意外な姿に驚くと同時にとある疑問を感じていた。


 「(ヒートンさんの右腕・・・?何かの能力か?)」


 「それより着いたよ、トランビュート駅に!」


 「あ!」


 すると駅前でヒートンが雄太の乗る車に向かって手を振っていたのだ。

 知らなかったヒートンの過去を知り、雄太は驚きを隠せない。市長を目指していたことや別の市長に手を加えたこと・・・そして謎の力。これらの出来事は少しずつ雄太との繋がりを呼ぶ。

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