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迫力

 『勇者の剣』と再会した雄太は世間の怒りを買っていることにまだ気付いてはいないがアスラムの元で修行をすることになる。

 雄太は剣を持つとテレビで見た武士のような剣の振り方を披露するとアスラムは顔をしかめていた。


 「やはり全然基本がなっていないな。」


 「(やっぱり・・・)すみません。」


 すると雄太の謝る姿を見たアスラムは人格が変身したのか急に険しい表情を見せて大声を上げたのだ。


 「アホか!謝る暇があるなら今から必死に練習しろ!!」


 「は、はい!?」


 「このままだとお前は《レンスビレッジ》に着く前に殺されてしまうぞ!!」


 「え!?」


 「パリーヌ!!『え!?』じゃない!!私が必死で鍛えてやるからのんびりさせないぞ!!」 


 「は・・・はい!!」


 雄太はなぜアスラムが『レンスビレッジに行こうとしているのを知っている』のかが気になったがアスラムの気迫はこれ以上雄太に考えさせる暇を与えずにいた。


 「パリーヌ!!とっとと和室へ来いっ!!」


 「はい~!!」



 ◆◆◆◆◆◆◆◆



 雄太はアスラムに連れられて離れの和室に到着するとそこで天井から糸が垂れ下がっているのを見つけたのである。その糸の先には短冊のような紙がぶら下がっていたのだ。


 「パリーヌ!!」


 「はい?」


 「今からぶら下がっている紙をその剣で斬れ!!」


 「へ?」


 「だからその紙を斬れって言っているだろ!!」


 「は・・・はあ。」


 雄太は紙を斬るくらい難しくないと感じたのかやや薄い反応だったがいざ斬ろうとすると・・・


 「(あれ?斬れない!!)」


 「たるんでるんじゃねえ!!しっかり剣を振れていないから斬れないんだ!!しっかり振れや!!」


 アスラムの厳しい口調に雄太は嫌そうな表情をしながらも必死で斬ろうとするが・・・


 「ちゃんと振れ!!」


 「振っていますよ!!」


 「何だと!?」


 雄太はアスラムに反論をすると突然アスラムはカチンときたのか雄太に近寄ってきて雄太の左ほほに強烈なパンチを食らわしたのである。雄太は少し吹っ飛んで立ち上がると左ほほに手を当てながらアスラムを睨み付けた。


 「な・・・何するんだ!!」


 「口答えをするな!!パリーヌ!!お前を死なせてはいけないんだよ!!」


 「え・・・!?」


 アスラムの言葉に雄太は何かの思いを感じ取ったようだ。




 【その頃のブルーチの役所】



 その頃、ブルーチの役所(村役所みたいな場所)の入口にデカデカと市川への怒りの言葉が書かれたポスターが貼られていた。



 『ブルーチの自然を焼き払った鬼畜・市川雄大に即死刑執行を!!』



 ポスターには雄太(・・)の名前を(・・・・)間違える(・・・・)印刷ミス(・・・・)があったがそれを除けば雄太への怒りが十分に伝わる。すると役所からブルーチの長と見られる高齢の男性が若い秘書らしき眼鏡をかけた男性と一緒に出てきたのである。


 「村長!このポスター良いですね!」


 「そうだろ!?これなら市川への怒りからやつを捕らえてくれる村民が現れるはずだ!!」


 ブルーチ村の村長は【セドルン・アルプトランジット】といい、秘書は【ファイド・ベース】という。二人は雄太逮捕に向けて気合いを入れているが怒りを見せるブルーチの人々と違ってなぜか楽しんでいるかのように受け止められかねない笑顔を見せていた。


 「もしブルーチの一部を焼いた(・・・)のが市川であれば我々が逮捕すればブルーチは世界的にも注目されますよ村長!」


 「そうだともファイド君!ブルーチの()にも市川の捕獲だ!!」


 二人はノリノリな様子だがその二人をポニーテールの若い女性が様子を見ていたのである。そして彼女は思う・・・


 「(あの人(・・・)の居場所が分かれば守ってあげたい・・・!)」


 すると女性はどこかへと走っていったのであった。




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




 その頃、雄太は必死で剣を振るも紙に当たっても切れないのであった。そして部屋には道場で修行中の他の剣士達が面白そうだとあぐらをかいて見物をしていた。


 「切れるか?」


 「無理そうだな。」


 「新入りがどんな練習をしているのか・・・なかなか面白えじゃねえか。」


 彼らの雑談が耳に入っていないのか雄太は必死で紙を切ろうと剣を振るのであった。


 「うぉぉぉぉーーっ!!」




 【キンバス家の店】




 その頃、トランビュートの店でジュースを飲んでいたヒートンにアルカディアが話しかけていた。


 「ヒートンさん、パリーヌ君はどうなったかな?」


 「ああ、大丈夫だろ!なんせあいつ(・・・)は指導が優れているからな!」


 「え、つまり・・・!?」


 「そうだよ、元から僕の計画通り(・・・・)だよ?」


 そう語るヒートンの目はやけに強い自信に満ちていたのである。アルカディアはその目を見てか驚いてか口を開けていた。




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




 ヒートンが店でくつろぐ頃、雄太はもはや鬼のような表情で剣を振って紙を切ろうとしていたのである。


 「(アスラムさん()の期待に応えるんだ!)」


 そして見物に来ていた面々はもはやあぐらをかくどころか全員が正座をしながら見物していたのである。


 「(あんな気迫をされたら正座して見れない!)」


 「(こんな迫力を感じたのは初めて・・・!)」


 「(正座して見たらダメだろこれ!)」


 誰もが雑談をしなくなりただ雄太の迫力に目を奪われているようだ。そして雄太のある一振りが・・・紙を切って真っ二つにしたのだ!!


 「(やった・・・!!)」


 「(やったぞ、パリーヌ!!)」


 アスラムは雄太の切る姿を見てガッツポーズをし、他の見物人達は全員が雄太に拍手を送ったのであった。

 潜在能力を引き出して紙を切った雄太だがまだ成長の一歩でしかない。レンスビレッジに向けてさらなるレベルアップを目指す!!

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