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勇者の剣

 駅前広場で射殺されかけたり突然話しかけてきた外交官のアスラムに脅迫されてしまった雄太は拒否権のないまま彼と関わることになってしまい・・・

 話を聞かないと射殺されかねない状況の雄太はアスラムから話を聞こうとすると突然腹部をパンチされたのであった。


 「うぐ・・・!?」


 意識を失う雄太・・・そしてアスラムは雄太を車に乗せてある場所へと連れていく。


 「(話は後だ。まずは()の依頼通りにこいつを道場まで・・・)」


 どうやら目的地は道場のようである。道場まで連行された雄太は車内で目を覚ましたのであった。


 「・・・ここは?って外交官の人!!話を聞こうとした矢先に僕に何を・・・っておぉっ!?」


 「静かにしてね。しないと射殺されるよ。」


 「は、はい・・・すみません・・・(でもこの場所なんか懐かしい(・・・・)なぁ。)」


 目を覚まして即アスラムに言葉で噛みつこうとするも銃を再び突き付けられて鎮静した雄太だったがその和風な感じの道場の中を見て懐かしい気持ちになったのである。


 「帰りたいよねパリーヌ君。」


 「どこに?」


 「仕事かな?家かな?」


 「どちらもですね。」


 「じゃあ鍛えようか?」


 やり取りの中でアスラムはそう言うと銃を取り出して雄太に拒否権を与えようとしないのだ。


 「は、はい・・・鍛えます・・・!」


 仕方なく承諾した雄太だがアスラムは鍛えると聞くと道場内に置いていたある剣を雄太の元に持ってきたのだ。その剣をよく見るとどこかで見たような剣だった。


 「(こ、これは・・・!?見たことがある・・・!!)」




 【その頃、とあるホテル】




 雄太が道場まで連行されている頃、保安庁の【ニキータ・ベタンコート】は緊急会見後に予定通りに各国の警察関係者達との会議を開催していた。同時刻には雄太の世界でいう国会が開かれており、会場で国民生活長官(日本でいう厚生労働相にあたる)の【アワワ・マクレーン】がある重大な情報を手に入れたらしくそれを公表する予定だという。




◎ニキータ・ベタンコート 保安庁署長


◎チッパー・ロペス・デビッドボーク オシャキインターナショナルポリス長官・通称『オシャキの策士』


◎ホワイティー・コーク マクモー警備連盟会長


◎ジャシィー・デントナ レンダース上級保安庁署長


◎アキチ・マックスフライト トライエル連邦裁判所(日本でいう最高裁判所にあたる)裁判長


◎ユラノ・デニー・シェパード アサリーヌ共和国上院議長


◎ルルーナ・ブリストル アサリーヌ共和国下院議長



 この会談ではまずはアサリーヌ共和国の女性下院議長のブリストルが治安の悪い場所として【フォーク大陸パタリーナ諸島】の某共和国の首都である【ヴェルゴ】と自身とシェパードの出身地である【アサリーヌ共和国】を挙げたのである。


 「この2国の治安は現在深刻なものでして特にアサリーヌでは犯罪の横行の背景には不安定な政治などが原因と見られます。そしてアサリーヌの犯罪者の中でも特にずば抜けているのが『沈黙の殺し屋』という二つ名を持つ【鏡池(かがみいけ)】なる人物でございます。」


 「鏡池?」


 「ええ、コークさん。本名は現時点ではまだ分かりませんが何ら前兆も予告もなく大量に殺人を犯す非常に危険な人物です。実際に国では第一級殺人者と認定して懸賞金7000万(コイン)で全世界に指名手配しています。」


 「あ、そういえばブリストルさん!私も先日【鏡池】なる人物の情報を聞きました。思い出しましたよ・・・懸賞金が結構高いので危険かもしれないと判断して国内でも首都の【マクモー】をはじめとする広域で彼の手配書というか情報を呼び掛けています。」


 「ありがとうございます、コークさん。」


 「他の首都は対策を取ったのか?【オシャキ】【レンダース】等は?」


 「コークさん、我々のオシャキは早い段階から対処しています。」


 「レンダースももう情報を呼び掛けています。」


 「それなら良かった。」


 コークはアサリーヌ以外でも既に鏡池に関する対策が施されていることを知り安堵したようだ。するとデントナが呟く。


 「ヴェルゴの治安がよくなれば隣の街の【パロール】が生んだ音楽家【ミハイル・ムスカティラフ】氏のコンサートに行きたいものだ。」


 「デントナさんもファンでしたか?私もムスカティラフさんのファンですよ。是非ともそのためにも治安回復に務めましょう!」


 「だな!アキチ君!」




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




 その頃、議員会議に於いてマクレーンはとある重大情報を公開しようとしていたのである。詳細の説明はマクレーンの右腕で国民生活副長官(厚労副大臣にあたる)【シマント・キンバス】が行う。シマントはトランビュート在住でシーガルの弟でトチノキの兄にあたる《キンバス一族》の一人である。この日の会議場には上院・下院を含む430名の議員が集まっていた。欠席は70名(都合で出席できない長官・副長官・議員など)という。尚、マクレーンとシマントは上院議員である。


 「えー、皆様。本日はマクレーン長官より非常に重要な情報が得られたとのことでそれを公表したいと思います。本日は会議出席を担当する『タブレッター副長官』は出張に伴い、私シマント・キンバスが代理として本会議に出席しております。」


 トライエル大陸では(雄太の世界でもそうだが)副長官は複数人いて議員会議出席をメインとする副長官や公務優先とする副長官といった役割分担をしているのである(役割分担は雄太の世界とでは異なる)。その一人であるシマントは今回は出席できない会議担当の副長官の代わりに出席をしてマクレーンの情報を詳しく説明する。


 「先日マクレーン長官は出身地の【マヨン】と【オグロ諸島】へ出張したその帰りに【ブルーチ】の辺りでヘリコプターの墜落した現場を通った際にそこで墜落経緯などについて調べ、その際に現在逃走中の【市川雄太】がこのヘリコプターに乗車していたという『重要な証拠』を見つけたそうです。」


 シマントの説明を聞いた議員達は全員がざわつき始めたのである。だがこれまでヘリコプターに搭乗していたのは市川ではないかと一部では噂はされていたが世間の議論に上がるまでの噂ではなかったので会場に衝撃が走るのは無理もない。勿論市川が搭乗していたのが分かればギルオーネが墜落のきっかけを作ったことも世間に判明する。


 「(え?マジかよ。)」


 「(噂には聞いていたがやはり・・・)」


 小声で話し合う議員や驚きのあまり目を大きくして黙り込む議員など反応は色々であった。そして一人の議員がマクレーンの方を向いて挙手をしたのである。


 「あのー。」


 「どうしましたかね?」


 「質問がございますがどうやって墜落地点まで行ったのでしょうか?確かヘリコプターの墜落地点は電車で通る以外に行く方法はヘリコプター等の飛行手段でないと行けないはずですが・・・」


 質問をしたのは【コンガ・コーク】上院議員であった。するとマクレーンはその質問に顔をしかめて回答する。


 「え・・・ええ。それはちょっと回答できません。」


 「そ、そうですか・・・(怪しい)。」


 回答を避けたマクレーンにコンガは何か怪しいと疑惑の目を向けていた。コンガの隣の【ジェイソン・パリ】上院議員もマクレーンの話を睨み付けるかのように聞いていた。パリはふと思うことがあった。


 「(そもそも何でギルオーネが砲撃して市川がヘリコプターから転落したのにすぐに市川が搭乗していたのが気付かないんだろ。前にどっかの上院議員がどんな情報にも諸説はあると言っていたから多分分からなかった理由にも諸説はあると思うけどマクレーン長官はそういうところも説明しなくちゃ行けないだろ。さて『重要な証拠』とやらを見せてもらおうか!)」



 ○記事名『マクレーン長官、ブルーチ墜落の無人ヘリコプターの操縦士の正体を掴む。搭乗者は逃走中の不法侵入テロリストか。』



 しかしこのマクレーンの報告はまだ『重要な証拠』が発表されていないにも関わらずニュースが世界配信されてしまいブルーチ周辺の人々を中心に雄太への怒りが最高潮に達してきたのであった。


 「市川を早く捕まえろ!」


 「ブルーチの綺麗な自然を汚した市川の即絞首刑を!!」


 怒りの声を上げてデモ行進をするブルーチの人々はプラカードを掲げたり歌を唄いながら怒りを表現したりと様々な主張を見せていた。しかしブルーチの人の中にも・・・


 「(この雄太さんって人は本当に悪い人なのかな・・・?)」


 ある若い女性はデモ行進をしつつも雄太が凶悪犯罪者であるということに微かな疑問を抱いているようだ。しかし一方で雄太を転落させてヘリコプター墜落のきっかけを作ったギルオーネに対して『ドン・ギルオーネは墜落の責任を取れ』という声は一切無かったのだ。




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




 その頃雄太は渡された剣を見てある文字を見つけたのである。


 「(あ・・・『勇者の剣』?これはもしかして!?無人島で拾った・・・!!)」


 雄太は剣を見てあの(・・)勇者の剣だと確信したのであった。しかも剣は破損しておらず硬度の強さは伺える。そして雄太は剣を持つとその姿を見たアスラムは驚いたのだ。


 「(パリーヌ君・・・もしかして君に託して(・・・・・)いいのかい?)」


 アスラムは確信をしていたのか突然そう直感したかは分からないが雄太に何らかの期待を寄せる様子を見せたのは他の目から見ても明らかだった。

 久々に『勇者の剣』と再会した雄太の運命はどうなるのか?そしてマクレーン長官の報告から新たなる展開へと物語は進む・・・そして『鏡池』の正体とは・・・!?

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