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コスペアチーターのステーキ

 トチノキから【レンスビレッジ】へ向かう方法を聞いた雄太はこれからのことをヒートン達と話をしたのであった。しかし一方で雄太を匿う面々も同罪と言う法が成立してしまうのであった。

 何とか口論を止めさせようと考えている雄太だったが突然ヒートンが耳打ちをして来たのである。


 「(何か注文したか?)」


 せっかく店に来ていたのに何も注文していないことに気付いた雄太はお品書きを手に持つとトチノキとシーガルは口論をやめたのであった。


 「あ・・・」


 「!」


 雄太はどれが美味しいのか食事の名前を見てじっくりと確認してから注文する品物を決めたのであった。


 「あのー、この【コスペアチーターのステーキ】をお願いしたいのですが・・・」


 「お!コスペアチーターのステーキか!コスペアのチーターの肉は脂身がうまいと聞く。じゃあ僕もそれにするよトチノキ君!」


 「あ、ありがとうございます!では【コスペアチーターのステーキ二人前】で!」


 トチノキが注文を確認するとシーガルが立ち上がったのである。そして・・・


 「トチノキ!客の前で喧嘩していたらあれだ。俺も品を運ぶくらいなら手伝う。」


 「ガル兄・・・?ああ、頼むよ。」


 シーガルは店を手伝うことを決めたのである。しかしなぜ急に・・・と誰もが思っていたようだ。


 「(あの野郎が危険にも関わらず【レンスビレッジ】へ行きたいと言ったあの目を(・・・・)見たら何もしてない俺が情けない。あの目(・・・)を見せたからにはレンスビレッジへ行けないとか抜かしたら承知しないぞ!)」




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




 少し前、トチノキからルートの説明を聞いた雄太は少し不安そうな顔をしていた。


 「(一番安全なルートでもなかなか危ない・・・!)」


 「パリーヌ君、どうする?やはりやめておくか?」


 「トチノキさん・・・いえ、僕は行きたいです!いや、必ず行きます!!」


 この時、雄太の言葉を聞いた皆がその迫力に圧倒されたのである。そしてそれまでは話をのんきに聞いていたシーガルも雄太の表情を見つめて唖然としていたのだ。


 「(こ・・・こいつ!)」




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




 現在に戻り、シーガルはその発言を聞いてからアルカディア達の手伝いをする気持ちが現れたようだ。そしてシーガルは自分の座っていた椅子のある机を雑巾で拭きながらトチノキに話しかけた。


 「なあ、トチノキ。」


 「何?」


 「俺がこんな(・・・)店を手伝ってやるのは自分の意思だ。お前らに言われて動いてなんかいねえ。」


 「分かってるよ、ガル兄。」


 シーガルの性格を知っているトチノキは彼の気持ちを理解していたようだ。そして雄太とヒートンの注文した【コスペアチーターのステーキ】と【白ご飯】が二人のもとに到着したのであった。


 「美味しい!これは最高だね!」


 「すごい!こんな味食べたことないです!」


 「パリーヌ君ははじめて食べたの?」


 「はい!」


 「僕はもうこっちに来てから25年経つけどここには仕事の傍らに時々来ているんだ。だからこの店の人達と長い付き合いなんだ。」


 「そうだったんですね。なるほど・・・」


 「しかしこれどうだ?やばいだろ?」


 「もう大好物になりそうです!」


 ステーキを食べる雄太の顔が心の底から幸せになっていた。




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




 その頃、アルカディア達の店を眺めながらたこ焼きを食べているベレー帽を被る怪しい男性がいた。


 「(ヒ~トぉ~ンっ!!!ついに消息をつかんでやったぞ!!うまい、モグモグ!さあ、覚悟しろよぉ!!うまいなこれ!!)」


 怒りを露にしているのかたこ焼きを美味しく食べているのか良く分からない人物であった。すると・・・


 「あ!お久しぶりです!」


 「わぁ!?あ、か・・・カルストか!?」


 背後から男性に声を掛けたのは眼鏡を掛けたベリーショートの髪型の若い青年であった。


 「ここで何をされているのですか!?」


 「あ・・・ああ。俺はちょっと観光していただけだよ・・・!」


 「ふ~ん、俺は今から店に帰って仕事を手伝わないといけないんです!」


 どうやらこの若い男性は飲食店従業員のようである。


 「ミランダさんも何か食べに店に来てくださいよ!」


 「いや、俺はいい。もうすぐ帰るから。」


 「ああ~、そうですか。また後日来てくださいね!!」


 「ああ、また来るよ!」


 するとベレー帽の男性はそそくさと去っていったのである。若い男性は去っていく姿を見つめていたのであった。


 「(変なミランダさん!来てくれたら俺が料理作ってあげるのに!!)」


 一方の男性は店から離れた場所で拳を握り少し苛立ちを見せたのであった。


 「(ヒートン~っ!!今日はカルストに免じて勘弁してやる!!だが次は覚えとけよっ!!)」


 相当男性はヒートンに対する怒りがあるようだ。ただこの怒りが個人的なものか組織的なものかはこの男性のみぞ知ると思われるが・・・




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




 その時、ヒートンは大きなくしゃみをしたのである。


 「へぇっくしょん!!」


 「ヒートンさん、大丈夫でしょうか?」


 「大丈夫だよ!誰か僕の噂をしているなあ!くはははは!」


 「ヒートンさん・・・あはははは・・・!」


 心配する雄太をよそにヒートンは元気をアピールすると雄太に対してあることを言ったのである。


 「ねえ!パリーヌ君、そろそろ行きなよ?」


 「?」


 「休憩中に【トランビュート】を回るんだろ?今からでもまだ十分時間はある。会計は僕が済ますから気にしなくてもいいよ!」


 「良いですか?何か悪いような・・・」


 「お礼は出世払いで良いぞ(笑)!」


 「は、はい(笑)。ありがとうございます!」


 雄太はヒートンの言葉を聞いて少し安心すると【トランビュート】の街を巡ることにしたのである。いよいよ雄太のトライエル大陸での旅が始まるのだ!

 ついに【トランビュート】の街を巡ることになった雄太を待ち受けるものは!?

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