表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/66

新人鉄道員《パリーヌ・トランビュート》

 雄太はグリーンフィールドにたどり着きそこでシャッキーという女性と出会う。彼女の協力を得ていよいよ旅が始まろうとしていたが・・・

 とりあえず雄太はシャッキーと共に『レンスビレッジ』なる場所に向かうことにしたのである。するとシャッキーは驚くべき提案を雄太にしたのである。


 「あ、出発して少ししたら隣町の『カーブル』であなた職を手に持ちなさいよ!」


 「職?」


 「ええ、この世界で生きるにはやはり働かなくちゃダメよ。ただし正体は隠しなさいよ、あなたは一応脱獄死刑囚(・・・・・)だからね。」


 「あ、そうでしたね。それにやはり働くのは大事ですね。でも正体を隠すって・・・え~、どうやって?」


 「それくらい私がしてあげるわよ。」


 するとシャッキーは服を用意して眼鏡をかけさせて髪型を整えると雄太は別人に変化したのである。髪型はショートで眼鏡のよく似合う若いサラリーマンのようなものだった。


 「さあ、行きなさい!パリーヌ君!!」


 「パリーヌ君!?」


 突然名前を付けられた雄太は戸惑うもシャッキーは丁寧に説明したのである。


 「あなたはこれからは年齢はそのままでいいけど【グリーンフィールド】出身で名前は【パリーヌ・トランビュート】と名乗りなさい。あなたは全世界級の指名手配でもう名前も顔も報道などを通じて知られているからそうしないといつかは正体がばれて収容所に送られるわ。そうなったらあなたどうなるか分かるよね?」


 「はい・・・」


 「だったらそうしましょう。それとあなたが寝ている間にカーブルであなたの仕事を手配してきたから。」


 「仕事?わざわざ俺のために・・・」


 「あなたが目覚めたら旅をしたいと決めていたから良いわよ。あなたの仕事はまずは6年間(・・・・・・・)電車の車掌よ!」


 「え!?電車の車掌!!?6年間?でもあれって試験がいるんじゃ・・・」


 「試験!?そんなの要らないわよ!だって試験を受けないと仕事に就けないって面倒くさいし働き口が見つかりづらいじゃん!!この世界は登録(・・)したらどんな仕事でもすぐ働けるの!試験とか何ちゃら受けなくちゃいけないとかおかしいわよそんな社会があったら(笑)!!」


 「(いや、そんな社会から俺は来たんです(苦笑)・・・!)」


 「だからあなたにはしっかり(・・・・)働いてもらいながらレンスビレッジに行くわよ!」


 「出勤はいつからで?」


 「明日からよ!」


 「いや、シャッキーさん・・・明後日からじゃ・・・」


 「あなたは明日からよ!カーブルで仕事して私はあなたが出勤した翌日から鉄道員宿舎に行くからね。」


 「(鉄道員宿舎?まさか・・・)ところで一つ質問があります。」


 雄太はシャッキーの気配りがやけに良すぎるなと気になっていたが『宿舎に行くから』発言でとある結論が出たようだ。しかしそれに関する質問をしてはいけないと気をごまかしたのである。


 「何かな?パリーヌ君!」


 「もし親の名前とか聞かれたらどうすれば良いんですか?」


 「大丈夫よ。私の母方の祖父母の名前を使いなよ。」


 「?」


 「説明するね。『トランビュート』っていうのは私の母の実家の名前で【トランビュート】という地区が鉄道の区間の範囲内にあるの。」


 「そうですか。」


 「ええ、だから雄太・・・パリーヌ君はその祖父母の養子になったから私の義理の叔父さんよ。」


 「義理の叔父さん!?」


 いつの間に養子になったんだと思いながらも雄太は身を隠すためにやむを得ないんだと理解した。するとシャッキーは仕事についての説明とある話をしたのである。


 「私もあなたが就職する鉄道会社に1期(・・)だけ勤めたことがあるから大体のことは分かるわ。この鉄道会社は【チャンス鉄道】と言って【カーブル】から【トランビュート】を経由して【ロードタウン】を結ぶこの世界で最大級の鉄道の会社なの。チャンス鉄道に勤務すれば本人はもとより近い親族も無料で乗車できるようになるのよ。」


 「(ああ・・・だから俺は意志もなく鉄道員に・・・!?)」


 「あ!それと・・・」


 「?」


 「今思い出したわ!これは重要な話だけど【レンスビレッジ】に行くのは徒歩だけでは絶対に無理なの。途中にある【ビッグウォール】は人間だけでは越えられないのよ。そうだった、【レンスビレッジ】まで徒歩は無理だったわ。」


 「そ、そうなんですか!?」


 ビッグウォールの存在を知り雄太は驚いたのだ。まさかレンスビレッジまで徒歩で行けないような場所ではないと思っていたからだ。


 「でも8年ほど前にそのビッグウォールにトンネルを貫通させることに成功してチャンス鉄道が通れるようになったの。」


 「ということは!?」


 「ええ、あなたが鉄道員になれば【レンスビレッジ】に行く可能性がアップする。あなたの同郷の仲間達に会えるかもしれないわよ。」


 「だから鉄道員に!?」


 「ええ、だけど気を付けなくちゃいけないのはあなたの身分よ。もしあなたの正体がばれたら終了。見つかったら死ぬ(・・・・・・・・)と思いなさい!」


 「は・・・はい!」


 シャッキーが雄太を鉄道員にしたのはただ自分のためではなく雄太のことを考えた上でもあった。それを理解した雄太はカーブルで鉄道員として身を伏せる覚悟を決めたのであった。



 その頃、カーブルではある老婆の占い師がこれからの未来を水晶玉で見ていた時であった。すると老婆は水晶玉を見て驚いたのだ。


 「明日、新しい顔(・・・・)の人物がこの街に来る。何らか(・・・)の事情で身を隠すこの男がこの世界を変化(・・)させて皆の尊敬を得るとは・・・あぁ、何ということじゃ!!」


 老婆は水晶玉で未来を見つめ驚きを抑えることが出来ずにいたのだ。そして雄太は鉄道員【パリーヌ・トランビュート】として初出勤する。元の世界に戻るために、そしてまだ見ぬ仲間達に会うために雄太は希望を見据えて瞳を輝かせていた。

 旅をするために《パリーヌ・トランビュート》として鉄道員になった雄太。いよいよ旅の幕が開こうとしていた。そして占い師が見た未来とは・・・?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ