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少年たちは都に着きました。道には一般人があふれています。
「おふれとか出さなかったの?道を開けとくように、とか」
「んー、まあ、必要ないからね」
そう言って魔法使いことホルトゥンは手を振って兵士長に合図した。
「盗賊を捕らえた!町民は道を開けよ!」
兵士長が一声叫ぶと町民はことごとく道の脇に退いた。あれほどの人間がどこへ行ったのかと思わなくもない。
そんな調子で一行は魔法使いについていって軍の施設が立ち並ぶ地帯まで来た。
「さあ、もう一息だ」
そう言ってホルトゥンは建物の一つに入っていく。中は監獄か留置所だった。檻が並んでいる。
兵士長がなにやら看守と会話した後、兵士長が合図し兵士たちは連れていた盗賊たちを次々と牢に入れていく。
ふうーっと少年とホルトゥンは大きく息を吐いてその場にへたりこんだ。
「ははは、こ、腰が抜けちまったよ」
「ぼくもですよ、はは・・・・・・」
そして盗賊たちがざわついていることに少年は気づいた。
そんなことにはまるで頓着無く立ち上がり座り込んだため服についてしまった埃を払うホルトゥン。
その姿を見ているうち少年は気がついた。
先ほどまで盗賊たちを連行していた兵士たちの姿が見えない。一人として。
少年のあぜんとした顔を見てホルトゥンが不適な笑みを浮かべる。
「わかったかい?これが僕の魔法さ」
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