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自分に与えられていた部屋に戻ると少女は中にアリスが入ったビンを机の上にそっと置き、自分はイスに腰掛けました。

「これからどうしましょうか・・・・・・」

内容は独り言なのだが、その言葉は自然とカエルにされたアリスに向けて発せられていた。

「・・・・・・あの魔女はわたしに何かの魔法を掛けようとしていた。まだそれはあきらめていないんだわ。だから魔女は出ていった。準備をするために。どんな魔法かしら?」

少女は少しの間黙ってアリスを見つめていましたが答えは出ませんでした。

「・・・・・・あんまり健康によくなさそうってことしかわからないわね。やっぱり逃げた方がいいかしら・・・・・・。アリスはどう思う?」

机の上にあごを乗せ、少女はアリスに問いかける。

アリスはただ、ゲコ、と鳴いただけだった。

少女は、どっちかわかんないわね、と言って笑い、手を頭の後ろで組んでイスを後ろに傾かせ始めました。

「どうしようかしらね。逃げられないかもしれないし、捕まったら確実にカエルよりも悪い目に遭いそう。でもどんな魔法にかけられるのかわからないから・・・・・・。あ~もう!どうすればいいってのよ!」

アリスはどう思う?ともう一度少女はビンの中のカエルに尋ねてビンをちょん、とつついた。

カエルは今度は、ぐぁ、と鳴いた。

少女がふふ、と笑うと、くぅ~、と小さな音が部屋の中に鳴った。少女はアリスに、これであいこね、と言ってさらに笑った。

「魔女はご飯について何も言わなかったけど・・・・・・、それって何を食べてもいいってことよね!台所でごちそう作っちゃいましょ。アリスはここで待っててね。すぐに戻るから」


少女はアリスをおいて部屋を出ました。

少女はふう、と母親のつくようなため息を吐くと台所へ向かう階段へと歩き始めました。

階段を下りながら少女は考えます。


仮に。

仮にわたしが逃げ出したとして。

そしてそれに成功したとして。

・・・・・・外の世界でアリスを元に戻せるのかしら?


知らないうちに少女は思考の枷を心にかけていました。


†††

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