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「アリス、アリス・・・・・・。ごめんね、わたしのせいで・・・・・・」
少女はうずくまり、アリスだったカエルを手のひらの上に乗せ、ぼろぼろと涙を流して謝り続けました。
カエルはじっと少女の顔を見つめていました。
少女が泣き疲れてもう涙も出なくなった頃にアリスはぴょん、と少女の手の上から床へ飛び降り、さらに二、三回飛び跳ねたところで少女を振り返りました。
「ふ、ふふふ・・・・・・。そうね、もうそろそろ泣き止まないとね・・・・・・。泣いていても何も変わらないもんね」
少女は、パシン!と顔を両手で叩き、立ち上がりました。
そして机の上にあった大きめの空きビンを手に取りました。魔女が薬の研究のときに使っていた余りでしょう。
「アリス、こっちに来て。とりあえずここに入っててちょうだい。そのままだと危ないわ」
そう言いつつ、少女はアリスをビンの中に誘導します。
「そう、そうよ・・・・・・。ちょっと窮屈だけどガマンしてね」
少女は無事にアリスをビンの中に入れると、魔女の研究部屋から廊下へと出ました。
扉を閉じてもたれ掛かり、目を閉じ、深くため息をつきました。
「さてと、これからどうするべきか考えないと」
少女は決然とした表情で自分の部屋へと戻りました。
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