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「も、もどして・・・・・・」

少女はアリスだった小さなカエルを指さしていいました。カエルは冷たい床の上でじっとしたまま動きません。

そんなカエルと少女を見ても魔女はフン、と鼻を鳴らしただけでした。

「戻す?そのカエルを?アリスに?どうしてだい?」

ずい、と魔女は少女に詰め寄ります。

少女はその剣幕にただ引き下がることしかできませんでした。

「こいつはあたしの所有物だ。で、気に食わなかったからカエルにした。これのどこがおかしいってんだい?」

怯えて声も出なくなった少女に魔女は呆れてため息をつきました。

「・・・・・・しょうがない。この日のために準備してきたことがアリスのせいでパーになっちまった」

魔女は少女から離れつつ独り言を言い始めました。

床にまき散らされた薬品の数々を見て忌々しそうに表情をさらに歪めます。

「また一からやり直さないと・・・・・・。おい」

魔女はいきなり振り返り、少女に声をかけました。

「わたしはしばらくの間この屋敷を留守にする。アンタは今まで通りこの屋敷の掃除をしているんだよ。わかったかい?」

「・・・・・・はい」

それだけ言うと魔女はその黒いローブを翻して部屋から出ていきました。


しばらくしてバタン、という玄関扉の閉まる音が屋敷中に鳴り響きました。

その音を聞いて一分ほどして少女は今まで起きたこと、魔女が出ていったことを知り、

その場に泣き崩れました。


†††

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