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「・・・・・・くそォッ!!」

グルップリーが歯噛みして悔しがり、悪態をつく。

「これは幻覚だな!?そうなんだろう!?」

「君がそう思うんならそうなんでしょう。だって・・・・・・見破れるんだろう?僕の幻影を」

妙に自信たっぷりなホルトゥンの笑みを悔しそうにグルップリーがにらみつける。

「私は武器庫に来たはずだ。それが今、宴会場にいるなんてことはあり得ない」

「無意識のうちに移動させたのかもしれない」

ホルトゥンが淀み無く返答する。

「・・・・・・できないだろ?」

「さあねえ」

ホルトゥンは肩をすくめ、手をひらひらと振った。

「貴様・・・・・・!」

「落ち着きなよ」

少年は激昴するグルップリーに冷静に呼びかけた。

「落ち着けるか!そもそもお前は敵だろうが!」

「ごもっともで」

少年は大の大人に怒鳴り声を至近距離で食らっても眉一つ動かさずに軽く肩をすくめてみせた。

「・・・・・・あなたに僕が提示する選択肢は二つ」

少年は魔法使い二人に背を向けて、宴会場に置かれていた木箱(酒が入っていたのだろう)に腰掛け、指を一本立てた。。

「一つ目、魔法で僕たちを攻撃する。運が良ければ僕たちに攻撃が当たる・・・・・・かもしれない」

箱に座ったため、地面から浮いた両の足をぷらぷらとさせて、少年は指をもう一本立てた。

「二つ目、攻撃せずに僕たちの捕虜になる。この場合もちろん、この軍も捕虜にする」

その言葉を聞いてグルップリーの顔つきが更に険しくなる。

「捕虜だと?そんな条件が飲めるか。貴様等に・・・・・・」

「あー、まだ話は終わってないよ」

少年がひらひらと手を振ってグルップリーの言葉を遮る。

「捕虜にするのは『僕たち二人』であって『東の国』じゃない」

「・・・・・・?それの何が違うんだ?」

少年はいたずらっぽく、にやっと笑った。


†††

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