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33.0,34.0

†††33.0


若い男はしばらくは少年を殴ったりしていたぶっていたが、少年があまりに無反応なので、

「何か言えっ、おらっ!」

「おいっ、こらっ!」

「ちっ、つまんねえの」

と三段変化の末におとなしくなった。

少年はいつでも逃げられるように縄を切ったりしておきたかったが、生憎と、ナイフはすでに取り上げられていたし、そう都合よく役立ちそうな物は落ちていなかった。

都へと向かった男のことを考えようかとも思ったのだが、知らない情報が多すぎてどうにもならなかった。あっちはあっちで上手くやるよう祈るしかない。

そういうわけで他にやることもなかったのでリーダー達の会話に聞き耳を立てていたのだが、若い男が見張っている目の前で下手に位置を変えるわけにもいかず、ろくに何も聞こえなかった。

結局、少年は眠りに落ちてしまった。


†††34.0


そのまま一日が過ぎた。

盗賊達の会話のうち漏れ聞いた部分から推測すると、『旦那様』に付いていった盗賊はまず『旦那様』を彼の屋敷へと連れていき、そこで金を受け取り、適切な手順を踏んだ後、都を脱出する手はずだったようだ。適切な手順、というのは『旦那様』を縛るなどして通報されないようにすることだ。

本来ならばもう戻ってきてもおかしくない、むしろ戻っていないことがおかしい、という時間になっても三人の盗賊が戻ってこないので盗賊達は皆落ち着かなかった。それはリーダーにしても同じだった。

「落ち着け、お前ら」

そう言うリーダーの声もひどくいらだっていた。

あとどのくらいで移動するのだろう、と少年は思った。


さらに数時間が経ち、リーダーが移動の号令をかけよう、とした頃に三人は帰ってきた。

「へっへっへ、見てください、お頭」

そう言って、一人の盗賊が札束が一杯につまった袋を差し出した。

リーダーの口元がにやりとゆがんだ。


†††

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