47/84
82
†††82
宴会が始まって数時間。すでに宴会場はつぶれた兵で阿鼻叫喚と化していた。
ちなみに武器庫の番の兵も幸いなことに宴会に出られたらしく、武器庫の前には現在誰もいない。
そんな折り、ようやくグルップリーは動き出した。
武器庫の辺り、あるテントの陰から彼はするりと姿を現した。
そのままゆっくりと武器庫の一つのテントに近づいていく。
そして彼の耳には二人分の声が段々と大きくなって聞こえてきた。
「・・・・・・あとは火を点けるだけだね」
「・・・・・・いや、そう上手くはいかないみたいだね」
グルップリーがテントの入り口に立ったとき、二人組の背の高い方が振り向いてちょっと笑みを浮かべた。
「ここからが大変だ」
†††




