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「あれが噂に聞くアヴィンの関所か・・・・・・」
将軍が右隣の将軍補佐官に声をかけた。将軍らしく厳めしい鎧に身を包んでいる。
「噂通りなら相当に攻めづらそうですが、どうするのですか?」
将軍は豊かなあごひげを撫でた。
「まあ、まだ何とも言えんな。ここでは遠すぎる。しかし・・・・・・」
途中で将軍は言いよどむ。
「しかし、なんです?」
「うむ・・・・・・。ここまで敵兵を全く見ていない。偵察の者すら、だ。何というか・・・・・・気味が悪くてな」
「なるほど・・・・・・。あなたはどう思いますか、グルップリー」
補佐官は将軍の左隣、馬に乗り、緑色の帽子、緑色のローブに身を包んだ男に声をかけた。
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